無料奉仕

先日、会社帰りの旦那と帰宅する途中、背後から呼び止められた。

「映画撮影のエキストラをやってもらえませんか?」

近所に映画やドラマ撮影で貸し出される家があり、そこで3週間ほどハリウッドのラブコメディー映画の撮影がされていた。監督が窓の外のシーンで「夕暮れに犬を散歩するローカルたち」を撮っておきたいと希望し、この(絵に描いたように典型的な)ぱしり君を送り出したという。

「なんなら犬貸しますよ」とリードを差し出すと、飼い主つきでおねがいしますとのこと。ま、断る理由はないしこれも経験のうち、と承知した。

近所の公園でまずいインスタントコーヒーを渡されじっと出番を待つ。貴重な平日の夜の時間を台無しにしている実感がじりじりとわき、自らの軽々しい決断を呪う。

ぱしり君の合図でクルーに加わり、監督に挨拶。無線機器を耳につけたスタッフに誘導され説明を受ける。いやがおうにも緊張。

「芸能界」とは不思議なもので、私たちのような一般人をあごで使えるパワーを神から授けられている。どうせカットされるだろうjust in caseシーンにコーヒー一杯でこれだけこき使われることをいとわせないのだからすごい。

こうして旦那と犬と私、そして同じようにリクルートされたローカルたちが何度も何度も違う組み合わせでシーン撮影を繰り返す。あるシーンでは俳優さんが「近所の犬を親しげになでながら話しかける」...のだが、見知らぬ人を警戒するウォルターは「フレンドリー」とは程遠いボディーランゲージ。こりゃだめだ。

承諾書類にサインし、ぐったり疲れて家に帰り、IMDBサーチをして有名な方々にお会いできた感動を味わおう...と思ったのに味わえない私たちはやっぱり芸能界にはあまり興味がないようだ。
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by uk_alien | 2014-09-27 20:20 | just a diary