しばし休息

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日本から客人が来ると、もう当たり前と思っている日常の細かいことが、彼らにとっては当たり前ではないということを改めて認識する。家の中のことから電車のシステム、ものの買い方等々。客人が来るのはせいぜい年に一度あるかないか、だから私の気遣いも行き届かず、きっと日本人の繊細な心を知らず知らず傷つけているに違いない、と思うと胸が痛む。

こういうときはホスト側にとっても多かれ少なかれ大変なもの。私の経験では、「旅慣れていないが英語が達者」なタイプが客人としては一番タチが悪い。言葉は問題ないし、大抵こんなもんだろうと構えているから注意も散漫になり、びっくりするようなことも結構起こったりする。

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そういえば、イギリスに一年半住んで落ち着いた頃、もと同僚が遊びに来たいといので、それでは是非とお迎えすることにした。卒論のための調査を日本側で手伝ってもらった礼も兼ねていたので一週間分しっかりともてなしスケジュールをたてる。彼女はアメリカの大学を出た後は暫く現地のエアラインなどで働き、日本へ帰国後も英語を使う仕事をしていたので、「外国」や「英語」に関しては全く問題ない...はずだった。

が、その彼女、どこに行っても、もめる。
もめる、もめる、それもものすごいアメリカンアクセントで。
どこでもめるかというと...

ロンドン塔の土産屋のレジで、袋を多めによこせ、袋には入れたでしょう?、セットで買った土産を日本に帰ったら小分けにしたいから袋が必要なんだ、いやそれは出来ない、なんで出来ないんだ、で数分もめる。オックスフォードストリートのBooks etcのレジで本をギフトにするからそれをギフト用に包め、それはちょっと出来ないんですけど、何で出来ないんだ、ともめる。昼時でにぎわうサンドイッチショップで、自分の番になっても、「えーと、これは何?それは?んー、どれにしようかなぁ?」とだらだらして店員にあきれられ、明らかに無視されてどんどん次の人を先に接客され、「信じられない!」と怒る。あげくの果てにはウィンザー城のチケット売り場(?!)でもめていて、旦那も私もあきれはてていたので「どうしたの?」という気にもならず、勝手にもめさせておいたので何をもめていたのかはよくわからずじまい。

バスルームを2時間占領して出てこないとか、どこに観光に行っても一人でいなくなっちゃうとか、他にもいろいろあって、ヒースローで背中を見送った直後は旦那と二人でなが~い安堵の吐息をもらしたっけ。いまだ彼女は我家のレジェンド。

今回の客人はというと、その伝説の彼女と同じ会社で働いていた同僚。結構不思議なキャラで、やっぱりふといなくなっちゃったりするけど、伝説を塗り替えることはなさそう。観光や散歩の最中も海外で使えるドコモの携帯を使って、頻繁に日本にいるご主人と話をしたり、メールを送ったりしている。電話代、高くないのかな?とか、初めてのヨーロッパなのだから下ばかり向いていないでもっと景色を見ればいいのに、なんて余計なこと考えてしまう。

今朝はユーロスターに乗る彼女を車で送るために5時半に起き、眠い目でふと階段の下を見ると、フロントドアがぽっかり開いている。心底ぎょっとして旦那と顔を見合わせ、二人で恐る恐る一階に下り、誰もおらず、ラウンジにほったらかしになっているラップトップやデジカメもそのままなのを確認して胸を撫で下ろした。昨夜遅くに帰ってきた客人が閉めた際にフロントドアのラッチがかかりきっておらず、風で押されて一晩中開いていたようだ。かなりたって心を落ち着けてから、客人にドアが一晩中開いていた旨を話し、日本では行儀悪いと思われるくらいの勢いで確実にバタンと閉めもらうよう念を押した。「ああ、ホテルと同じ感じね」とさらっと言われ、ちょっと拍子抜け。

火曜に帰ってくるまではホスト役もお休み。ほっと一息。
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by uk_alien | 2006-08-20 18:11 | just a diary