火をけの火も しろきはいがちになりてわろし

日本からの客人が去った。

彼女は広々とした半田舎暮らしが大変気に入ったようで、しかも動物が苦手な割には我家の犬と猫を大層お気に召してくれた。一番印象に残ったことは「ウォルター」だそうだ。そして犬との散歩、リビングルームからの眺め。確かにこういうスローライフは日本では難しいかもしれない。

近所付き合い、建て込んだ家々、人の目、強制される共通価値観、(大人の)お子ども文化、地震や台風などの自然災害の恐怖...そうした窮屈さはとても嫌だけれど、それでも楽しく幸せにご主人と暮らしているそうだ。

異国で幸せに暮らすことは、はたから見るほどは容易ではなく、それでも皆一生懸命に「幸せに暮らす」ことを実現しているのだよ、と思ったけど、心の中のつぶやきにとどめ、「いいよね~」という感嘆に「そうだよね」と答えた。

彼女と私が日本で一緒に働いていたのは9年前。当時やはり同じ会社で一緒に働いていたイギリス人の女性が我家のすぐ近所に住んでいるので昨夜二人で訪ねた。当時のいろいろな話に花が咲く中で、時間と距離がぐっと縮まる。その分、日本との現実的な距離感は浮き彫りになる。私にとって日本は本当に遠い。遠い過去の場所だ。

ご存知のように、客人が去った後の虚無感は独特のものだ。
ごく親しい友人や親兄弟の場合は耐え難いものであるが、今は清少納言の潔い表現がなぜかぴったり合うような感じ、「火をけの火も しろきはいがちになりてわろし」といった気分か。

人さみしいので午後は向かいのおばちゃんと一緒に散歩に行くことにした。目の前のフィールドの草が刈られ、並びの家々のバックガーデン沿いを歩けるようになったので、ご近所が庭をどんな風にしてるのか興味半分で見物に行く。一人ではちょっと勇気が出ないけど、チーキーなおばちゃんとならば鬼に金棒。

Life goes onなのだ!
[PR]
by uk_alien | 2006-08-24 21:20 | just a diary