ハイエナと化す

仕事が終わって駐車場に停めた自分の車に戻ると、ハザードがついている。

今朝隣の車がすごい停め方をしていたので仕方がなく助手席に移動して外に出たのだが、そのときにハザードのスイッチを誤って入れてしまったに違いない。

それでもエンジンはかかるだろう...と思ってイグニッションを回すと...たら~...バッテリーがあがっている。

日本車はブレイクダウンすることがまずないので私たちはAAやRACのメンバーにはなっていない。外は暗く、寒く、雨が刻一刻勢いを増して降っている。バッテリーをつなぐケーブルは車に積んでいるけれど、この時間のこの駐車場は、子連れのお母さん達か年老いたカップルしか歩いておらず、雨の中こういうテクニカルなヘルプを提供するプロファイルからは大分ずれている。

まずい、どうしよう。

とりあえず、マチュアといっても男は男。一人目にトライ。
「うーん、車の中で赤ちゃんがぐっすり眠っているんだ。だから車を動かせない。他の連中がレジャーセンターに行っている間この孫のお守りをしているんだよ。ごめんね。」
あえなく撃沈。

二人目。やっぱりマチュアな男性。「助けになるかどうかはわからないけど...」と自分の車を回してくれたはいいけど、ケーブルを使ってエンジンをスタートさせるのはよくわからないから、私の車をハイギアに入れて後ろから押してそれでスタートさせよう、という。おいおい、おじさん。右手がもうぷるぷる震えているじゃないの。あなたが押すとしたらそれは歩行器であるべきよ...とは言わず、「そんな危険なことを強要できないわ、誰かにジャンプスタートしてもらうから、気にしないで」といって別れた。

やさしそうで、頼りがいがありそうで、更にメカにも強そうな若目の男...そう、私には男が必要なのよ!と心の中で叫びつつハイエナのように駐車場を徘徊する。うう、やっぱりママか年寄りしかいない。雨に打たれ続けて「もうだめだ」と思った瞬間、駐車場に併設されているレジャーセンターからコスタのコーヒーを片手に抱えたスーツ姿の男性が出てきた。年のころは30後半か40前半、スマートなアッパーミドルプロフェッショナル。「一日の仕事を追え、家に向けて運転して帰る前に暖かいコーヒーを買ってきた」に違いない。ターゲットプロファイル!

一瞬躊躇したが「He IS your man! GRAB him!」という頭の中の叫び声に従って駆け寄り、事情を話した。すると、二つ返事でOK。停めてあるネイビーのアウディのエステートを私のdwarfマイクラの横に並べ、ケーブルを繋ぎ...voila!エンジンがかかった。

雨の中もう本当にすみません、本当に助かりました、ありがとうございます、と心から礼を言って別れた。ふぅ。

それにしてもランダムに男目当てに駐車場を徘徊する...というのは妙に新鮮な体験だった。
後から思えば笑い話。
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by uk_alien | 2008-01-11 03:55 | just a diary