そういうからくり

年末に向かってカメラとレンズを探しながらネットオークションをじっくり見ていて、一つ気付いたことがある。

特定のタイプの商品に狙いを定め、それらを安く買ってそれ以上の値段で売りさばいて利ざやを稼ぐという輩が結構いるということだ。興味深いのは決して「悪徳」ではないこと。

車でも時計でも同じだと思うが、人気があってしかも価値が下がりにくい商品というのものはよくある。メルセデスやロレックスなどはそのうちだろうか(知る由もなく)。

カメラではLeitz LeicaのMシリーズがその典型。新品価格は高すぎてちょっとやそっとでは手が出ず、中古でも価格がそうそう落ちない(もともとの値段がすごいから少々値段が落ちてもまだ高すぎる)。

そういうものを売りたい人は定期的に出てくる。大枚はたいて買ったレンズを棚にしまいっぱなしで殆ど使わず、それが一年後にまだ2/3の価格で売れるならlossよりrecoupを重視するのは最もだ。一年もたっていればgainとすら感じるかもしれない。

さて、このレンズ、新品の値段が3000ポンドだっとする。一年後のコンディションはmint-excellentとして、中古カメラ屋の店頭値段は2500ポンドプラスくらいだろうか。売り手は中間マージンを避けるため中古屋に売るより、ネットオークションで2000ポンドプラス、運がよければ2400ポンドくらいで売れれば..と考える。この希望価格の幅と中古カメラ屋店頭価格とのギャップに仲介屋が目をつける。

仲介屋は普通のbuyerとして(必ず中古カメラ屋の店頭価格価値より低い値段で)落札し、頃合を見てsellerとしてその商品をオークションに出す。こうした商品は特定の人しか興味を持たないが、その特定の人の間では大変人気のある商品で商品価値が理解されており、そうしたwatchersの中に「中古カメラ屋の店頭価格より低ければ買いたい!」という人間がいる可能性は極めて高い。

更に、損をしないためにaccompliceを用意し(もしくは一人でいくつかアカウントを持っているのかもしれない)、オークションの残り2日くらいで登場させ、彼の最高bidをロスの出ない最低価格に設定させる。もともと利幅が出そうな価格でしか落札していないから、この最高bidもべらぼうな値段ではない。そうしてそれ以下のbidは全てoutbidされ、それより上で誰かが入札すればその差額は全て利益となり、運良くせりあいがはじまって(そしてそういう商品を選んでいる)中古店頭価格に近い2400ポンドで売れれば殆ど手をかけずして200~300ポンドが懐に入るというわけ。

手馴れているから買うときも売るときもスムースに取引を済ませ、その結果feedbackもpositive 100%でどんどんたまる。

あまりに面白くなっていくつかの商品のヒストリーを追ってみた。中には、USAに出ていた中古のカメラをUKのA氏が落札してUKでオークションに出し(2007冬にかけて対USDでポンドがすごく強かったの覚えてる?)、それをB氏が買ってすぐにUKのオークションに出してC氏に買われたというすごいケースも見つけた。それでもC氏は損をしたわけではない。新品や中古店頭価格やex-demo価格、availabilityなどを全て考え合わせると、決して悪くはない取引価格で入札している。

だから面白いのだ。全のケースがうまくいっているわけでもなさそうなのだが、大概はsellerもbuyerもハッピーなケースが多いよう。

蛇の道は蛇...というけれど、すごいすごい。このネット時代、合法、ちょっと非合法、非合法あわせて他にもいろいろなトリックがあるんだろうな。

それにしても、そこまで調べる興味はあっても、なんで私はそのエネルギーを金儲けに向けられないのかしら。それが持つものと持たぬものを分ける一線なのよね。
[PR]
by uk_alien | 2008-01-29 06:50 | photography