カテゴリ:just a thought( 54 )

「幸福な家庭」

保守党のポリシーグループ(政策集団)によると教育・借金負債・アルコールやドラッグの乱用等の社会問題の背景には、家庭の崩壊が大きく挙げられるそうだ。だから安定した家庭の重要さをキャメロンは強調する。

かび臭いヴィクトリアンの価値観だという見方もあるが、私はこの保守党の見解に賛成だ。人間は社会的動物。家庭は社会を構成するメンバーを育て上げる基本単位なのだから、そのありかたを支援する政策が政府からは提供されるべきだと私は思う。

それでも、離婚やパートナーとの別離というのは必然的な結末である場合の方が多い。現実から目を逸らした親と偽りの家庭で過ごす環境と、現実問題として別離を選びつつも親がお互いに協力して出来るだけ最善な環境を子どものために作ろうとする環境では、どちらも難しいにしろ、後者の方が現実的かつ建設的だ。

本来の価値観を見直すことは非常に大事だが、こうした環境に陥る家族達をサポートするシステムはやはり必要だろう。

今朝の散歩の途中、父親に車に乗せられるジョージーナを見かけた。ジョージーナは7~8歳くらい。最近両親が離婚をしているので母親と過ごした週末の後これから父親の住まいに向かうのだろう。

彼女は乱暴者のレスキュー犬、ハリーを飼っているが、小さめでふわふわの私の犬、ウォルターが大のお気に入り。原っぱですれ違うと、とろけるような笑顔で「Walter! Walter! Could I hold him, please?」と駆け寄って、それでも彼女には大きいウォルターをうれしそうに両手で抱え上げる。

すれ違う車の中からジョージーナは笑顔でウォルターに手を振った。

私も経験者だから、離婚がどんなに大変かを知っているが、こんなに可愛くて小さな娘がいたら、きっともっと大変だろう、と思った。でも子どもというのは信じられないくらい柔軟で大抵の環境には適応してしまうものだ。たとえ両親が離婚していても、母親、父親(もしくはその一人でも)親としての責任を全うし、愛情を注ぎ、それを感じることで子どもの心は健全に成長していくことが出来るのだと思う。
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by uk_alien | 2006-12-11 22:26 | just a thought

ちょっと昔話

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必要になって古いスキャンをPCにつなげたので昔の写真や絵を引っぱり出してスキャンしてみた。

写真を本格的にはじめたのはもう十年以上前。地元の本屋から入門書を買ってきて辞書を丹念に引きながら勉強した。好き、というのはそれだけでものすごいエネルギー。英語なんかほとんど話せなかったのに、最低限必要だと思うものを自分でリストアップしてお店の人と相談しながら現像と引き伸ばしの道具を低価格で一式買い揃え、何時間もお風呂場にこもって何枚もの写真を焼いた。

一番上の写真はShaftesbury Av.のあたり...だったと思う。不思議に静けさをかもし出すロンドンの街並みの一角はプラタナスを通した光がとてもきれいだった。

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これは河の南側を橋から撮影。どの橋か忘れてしまったけれど、様子からして多分ウォータールーブリッジ?

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こうした写真を撮りはじめる前は、はじめての外国暮らしで混乱する心を表すのによく絵を描いた。ちょっとしたデッサンやイラストなど。今から考えれば、当時イギリスの生活に慣れてきて興味が少しずつ外に向いたから写真というメディアに切り替えたのかな、とも思う。
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by uk_alien | 2006-11-16 02:06 | just a thought

私の中の小さな日本

移民生活は意識的にも無意識的にも生まれ育った文化と移民先での文化のバランスをとりつづける継続的なプロセス。でも生まれ育った文化というのは「自分」を形作る大事な一部だから、自然なバランスをとるというよりは、それをかたくなに守ろうとする場面もあったりしておかしい。

これがその権化。

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日本にいたときには欲しいとも思わなかったのに、数年前日本に帰ったときにデパートでみかけてどうしても買わずにはいられなかった。こちらの生活ではケトルでお湯がすぐに沸くからやかんなんて必要ない。「絶対に使わないよな...高いし...重いし...」と思ったが、このアイテム、自分の中の日本の何かを象徴している気がしてあきらめきれない。で、買ってしまった。以来我家の家宝の一つ。

大晦日には必ず、後は年に数回取り出しては使う。今日はその数回のうちの一回。

で、入れたのが...お茶ではなくコーヒー。

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目下イングリッシュカントリーサイドのcupboardを無差別に席捲しているEmma Bridgewaterは我家にも健在。南部鉄でいれたコーヒーをEmma Bridgewaterのマグで飲む。

美味しい。ものごと、バランス。
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by uk_alien | 2006-11-07 18:13 | just a thought
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頭の回転の早く即座に口頭で反応出来る人をうらやましく思うことが多くなった。

私は母国語でも即座に反応することより相手の意見や立場を噛締めてしまう方だし、年齢による反応速度の衰えもあり、対話を重んじる西洋文化の中では言葉が苦手というハンデ以前に反応の遅さのハンデが大きい。思考と発声器官の神経回路が今ひとつさびついている感じ。

考えてみると西洋の対話文化と東洋の沈黙文化は本当に対照的だ。以前、このコミュニケーションの違いは、紙の歴史的な供給状況に起因するときいたことがある。一般に紙不足であった西洋は対話とそして必然的に記憶に頼ることを強いられ、一方、紙が豊富であった東洋は書記と、書面に記録された事項に頼ることが出来たという説。なるほど、とうなずける。

ともあれ、黙っているのは自分の意見がないかアサーティブスキルズが足りないかのどちらかとみなされる中、フリーディスカッションで「静かな東洋人」のレーベルを貼られ、ちんまりしてしまうことほど自分に腹立たしく思うことはない。相手がどう受け止めるかとよりも自分がどう考えているかに焦点を合わせ、素早く理論的に表現できたら理想だなといつも思う。

文化の違いに躊躇したり、ごまかしたりするのではなく、違いを相手にわかりやすく説明できるようになっていきたいと思っている。
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by uk_alien | 2006-10-14 18:16 | just a thought
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中学一年になったとき、毎朝一緒に学校に行く子に、自分がいつも感じている、そして誰もが同じだろうと信じていた慢性的疲労感のことを話した。くりくりっとした目を見開いて「どういう意味?」とききかえすその子の反応から基礎体力の著しい個人差の存在を思い知る。

別に体育の成績が悪かったわけではない。物心ついた歳からいつも体育は輝かしい成績だった。でもティーンながらに「この疲労感とは一生つきあってくに違いない」と思った。やっぱりそうだった。

だましだましいこうね、と自分にいいきかせる。
でもときどき、疲れ知らずだったらどんなにいいかなとちょっと思う。
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by uk_alien | 2006-10-06 00:08 | just a thought

嘘かホントか

新聞沙汰になった出来事でも、それが事実なのかどうか受け取る側にはどうでもいいこと、というのは残念ながらよくあるもので、今週のゴードン・ブラウンのスピーチの中の'a privilege to work with the most successful Labour prime minister'というラインに対する、シェリー・ブレアーの'well, that's a lie'発言がそれ。

このスピーチでリーダーという地位を決定的に印象付けなくちゃだわというブラウンの決意はいうまでもなく、各国のメディアがこの「次期首相」のスピーチに注目していただけに、翌日のヘッドラインをかっさらったこの「出来事」、ガセだったとしてもあまりのタイミングのよさと信憑性、軽いタッチが絶妙だ。発言を「耳にした」のがBloombergの女性記者という話だけど、もしこれがすべて計算づくしのでっちあげだったとしたら怖いけど賢い。発言を否定するシェリーも内心ではこの記事がもたらした効果に有頂天に違いない。

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トニーの、僕はまだ行きたくないんだけどな、という泣かせるスピーチの後、夫を誇らしげに抱擁するシェリー。「He is mine!」とPMを抱きしめて離さないLittle Britainのけな気なセバスチャンの姿が重なった。
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by uk_alien | 2006-09-27 20:23 | just a thought

え...?

久しぶりにジャパンタイムズの記事を覗いたらこの写真が...。

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Maoismかい?冗談でしょう?
みんな揃ってるところが怖い。
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by uk_alien | 2006-09-09 16:51 | just a thought

Gストリングが去って...

今週末には三番目の義理兄の家族+義理ママが我家を訪問、来週には日本から友人が訪ねてくるというのに、私はしっかりこちらでいう「バグ」(この曖昧なワンシラブルワードで全てに診断を下してしまうというメディーバルさがなんともいえないイギリス)にやられた。無気力、無体力に熱っぽさとだるさでつらい。

メディアは相変わらずのMiddle East Crisisに追い討ちをかけて、しゃれにならないテロ・アラート。なんか明るくって面白いニュースがないかな、と思ってニュースサイトを見ていても、重い、重い。ならば滅多に行かないファッション・ニュースへ。

そういえばこないだの新聞でも流行はきれいにスリムフィットしたジーンズにもどるって書いてあったっけ。ばかっぽいジーンズはデブをさらにデブに見せるだけだから「いいことだ」と一人うなずく。引き締まったアンジェリーナ・ジョリーの肢体に、私もあとん年若ければ...なんて思ってみたりする。

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まてよ。巷を席捲したG-ストリング視覚公害がようやく去ったというのに、今度はサイズ16とかの「スリム」ジーンズを着た、どうみても10歳は老けて見えるばか者わか者がボンレス・ハム状態で徘徊するわけね。

きっつ~。
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by uk_alien | 2006-08-11 18:51 | just a thought
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悪いことをする人というのは、悪事のタイプにもよるが、頭がよく根性がものすごく座っているのだろう。ぼうっと生きているとあまり関わることのない(そして関わりたくない)犯罪は実はそここで当たり前のように起こっているのかもしれない。

売上税に関する詐欺のドキュメンタリーを見て、あまりのシンプルさに感心してしまった。

ヨーロッパの単一市場内では売り上げ税率が一律ではないから、輸入元の国では税金を払わず、輸出先の国で販売する際に売上税を乗せ、その分は3ヶ月ごとに国に治めることになっているらしい。要は単純にこの売上税を集めた後、国に治めずドロンしちゃうというもの。この手の詐欺はインボイス等の書類がとりあえずそろっていれば数ヶ月間は表面化することはなく、表面化する頃には悪者はとんずら先のバハマで葉巻でも吸ってる、というシナリオ。また、英国の査察局、日本でいう「マルサ」はそうしたケースの氾濫から、告訴に十分な書類が揃うケース以外は黙って見逃すしかないという状況なのだそうだ。

さらにこの詐欺の上級編の詐欺が「回転木馬詐欺(carousel fraud)」。

例えばこうして無税で英国に輸入した商品を会社Aは次の会社BにVATを乗せて売ったと見せかける。会社Bは売上税をAに支払っているからその分の償還を国に請求する権利がある。会社Bは次の会社Cに商品を売ったと見せかける。CはBと同じように払ったとされる売上税を国に請求する権利が発生する。それをいくつもある会社の輪の中で繰り返せばモノを動かさずに大蔵省から売上税償還分のお金が受け取れるという仕組み。そして皆ドロン。マイクロチップや携帯電話などの小さく高価な商品を扱うことで数ヶ月で数ミリオン単位のお金が稼げる、という仕組み。

この大蔵省からの償還分のお金は、勿論あなたや私が収める尊い税金。そしてこの悪者を捕まえようと悪戦苦闘する査察官達の給料も、告訴にたどり着いたときの裁判の費用も...私達の税金。

大人たちがなぜあんなに完全懲悪番組を好んで観ていたのか、最近わかるような気がする。

ちなみに、この回転木馬詐欺で38milポンドを国庫から稼ぎ出し、運悪くつかまって告訴されたケースのMr Ray Woolley。しっかり有罪判決が下った...のだが、なんと彼はOpen Prisonに送られ(アホかいな?)、そこから彼は(勿論)歩き去って、今はインターポールで指名手配になってはいるものの、売上税詐欺では国外強制送還を法律上行わないスイスでひっそり裕福な暮らしをしているそうだ。
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by uk_alien | 2006-07-20 22:20 | just a thought

こどもの教育

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昨日は近所に住む友人の家を訪ねた。

彼女とは9年前日本で一緒に働いた縁。その後彼女がイギリスに帰国し、旦那にテンプとして雇われ、彼のフラットに間借りしている間に同じ建物内でよい物件を見つけて購入。数年経って私が彼女のフラットを訪ねたときに私は旦那と出会っている。それぞれフラットを売り払って家を購入した今も結局落ち着いた先はご近所だった、という不思議な運命。

今や彼女は2歳の女の子と1歳の男女の双子のママ。

さて、子供といえば学校。日本でもそうなのかもしれないが、イギリスでは子供の教育を考える際、かなり先を見越していかないといけない、という印象を受ける。例えば、引っ越すなら質のいい学校の選択肢が多い学区。質のいいカソリックの中等学校があれば進学がスムースにいくように小学校からカソリックにやらせる。大学進学を視野に入れるのであればグラマースクールに受かるように小学校から詰め込ませる。特定の分野で才能があるならばその分野にずば抜けて優れたビーコンスクールを狙う、など、など。

ま、パブリック/プライベートへ行かせる財力があるとか、奨学金を受けるだけの頭脳があるとかならば違ってくるのだろうが。

「パピーパーティーで社交性を高め、獣看護婦から仔犬を育てる上での注意などを受け」、「最近では一晩通して眠るようになってやれやれだ」などと話す私達を「それじゃ産後教育といっしょじゃない!」と笑う友人。本当にその通り。仔犬を育てるのは赤ん坊を育てるのと似ている。違うのは、あっ、という間に育ってくれて、ここで、まあ、おしまいっちゃあおしまい。これからもホリデーや外出などいろいろな面で常に犬のことを考えなければいけないが、所詮は犬。

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これから十数年、この3人の子供たちを学校に送り迎えし、宿題をみてあげ、進学に頭を悩ませつつ、なんだかんだで育て上げていくのか...とおもうと彼女に対し畏敬の年を感じた。
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by uk_alien | 2006-06-26 19:28 | just a thought