カテゴリ:film( 7 )

Dead Zone

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Lovefilm.com(DVD/Blu-rayレンタル&ストリーミングサイト)の最近のCMで、なんとはない街角を行き来する人たちの後に、その人それぞれに印象深く残っている映画が噴出しになってくっついている、というものがあった。

考えてみればその通りで、その人それぞれの嗜好やその映画を見たときの状況、時代背景などで十人十色とはいえ、記憶の中に特別の場所を占めている映画というのは誰しもにそれぞれあるもの。それだけ映画という媒体が影響力の強いポピュラーカルチャーということか。

さて、私のとっちらかった記憶の中からもそうした映画たちがあるときふと顔を出したりして、突然その映画を観たときの空気に覆われることがある。面白いのは、大抵はその空気の方が先に感じられ、一体自分が何を思い出そうとしているのか、読んだ本なのか、映画なのか、実際あった自分の経験なのか皆目検討もつかず「なんだったんだっけ、この空気は?」というところから入らなければいけなかったりすること。

ともあれ。最近友人たちとだらだらBlade Runnerを観ているときに、これは本当に古さが気にならないSci-Fi映画だ、という話から、内容はものすごくいいのに音楽と服装のおかげで80年代タッチが非常に強いManhunter(1986)(Thomas HarrisのRed Dragonの映画版、2002年のRed Dragonじゃなくて)の話になり、そしてふとあの不思議な空気に包まれた。

なんだったっけ?同じようにちょっとtacky 80’sで、でも独特にemotionalでよくできた映画があったよな….。原作を読んだのが先立ったっけ?いや、後だった。映画のタイトルを知らなかったから原作と知らずに読んで、あれ、これあの映画だと驚いたんだ。Stephen Kingだった。

Dead Zone!

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Imdbでチェックして、ああ、そうだ、Christopher Walkenだ。よかったはずだ…と満足する。田舎町のごくありふれた一人の男性が事故と5年にわたる生死をさまよう昏睡状態を経た後、他人に触れることでその人やその周りの人の死に様の状況を体験するという超自然的な能力を得てしまう。一方その能力は代償として彼自身の生命力を蝕んでいく。

事故で失なってしまった時間とこの超自然的な能力が彼に、そして「彼だけ」にもたらす悲哀と葛藤と運命を通し、大事な人、喪失、死、そして時間軸といった大きな問題がごく普通の田舎町を背景に描かれていく。

派手な作品ではないが、原作者、監督、そして俳優のそれぞれの力が上手く発揮された、よくできた作品だと私は思う。

蛇足:私はlovefilm.comかblockbusterか未だに決心出来ない人。月額を払うほど映画好きなわけでもないし、観たいときに観たいものを観たいからリストした映画ならいつでもどれでも観るという気にもならない。でも便利さは捨てがたいなぁ、なーんて。いい加減どちらかにサインアップしようと思うのだけど…。
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by uk_alien | 2012-04-29 20:35 | film

Me time day

今日は旦那が友達たちとフットボールの試合を観に出かけたから'ME' timeを思い切りエンジョイすることに。

...といっても天気が悪いからコンピューターの前に座りこんでネットで腕時計探し(私はもう何年も腕時計を携えておらず特に不便は感じなかったのだが、電車通勤になって不都合を感じることが多くなった)をし、結局予算内で気に入るものがなく、あきらめて「ME timeマニュアル」通りに風呂にバブルバスを入れて湯を張り、キャンドルをつけクラシックを流す。

うーん、結構効果があるでないの。とてもリラックスできる。キャンドル効果はばかにできない。

洗った髪を乾かし、パルマハムとバターだけのシンプルなバゲットでランチを済ませ、さて、何を観ようかなとHDのメニューをサーチ。以前に録画しておいたSense and SensibilityでいつもながらのAustenが描くのVictorian ladiesの苦難に同情し、Hugh Grantの驚くほどユニバーサルな演技に呆れ、さらにうーん、もう一本、と思ってThe Lake Houseを観てみることに。

これは当時の批評が芳しくなかったわりに、耳にしたプロットがどうも気になって、いつか観はてみたいと思っていた作品だった。Kianu Reevesが演技出来ないのは万民一致の意見としてもSandra Bullockのチャームに勝てる人はそういない。それにSpeedは軽薄趣味の私のお気に入りの映画の一つだったりする。

人の想いと時間というテーマがSandra Bullockによりとても微妙に触感的に演じられいる。時の流れに押し流されるように過去に置き去りにされた主人公の思い出の本としてJane AustenのPersuasionが触れられるのだが、それによって時間の冷徹な重みと更にそれを超越しうる想い、愛情、という映画のテーマの深みが増す。"there could have been no two hearts so open, no tastes so similar, no feelings so in unison, no countenances so beloved."というquoteがされたときにはさすがにぐっときてしまった。 (ぐっときたのはそこだけじゃないけど)

ややもすればcheesyになってしまうタイムスリップのSF的な要素は私には嫌味には感じられなかった。

ということで結構気に入った。
3ポンドDVDをテスコで見かけたら買おう。
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by uk_alien | 2010-08-08 06:34 | film

Birdy

先日、コンサーバトリーで寝転がって本を読んでいると、はたはたと鳥の羽ばたく音が屋根のほうから下りてきた。

と、どうやら開け放してあるフレンチドアから家の中に降り立った気配。
(二年前の野望を本年ついに遂行し、ダイニングスペースの窓を木製のフレンチドアにつくりかえてもらっている。とてもうれしい。)

しばらく待って、パニックの羽ばたきも聞こえてこず、気のせいか...と思いつつも、念のため見に行ってみると、ダイニングルームテーブルの上に小さめの白いはとがちょこんと乗っている。グレーの点々が頭から背中にかけて散っている様子がいやおうなしにBlackadder Goes ForthのSpeckled Jimを思い起こさせ、あわてて状況分析をしている私の小さな脳みその一部が爆笑した。

混乱した勢いでガラスに追突してショック死、というシナリオだけは避けたいと思い、「That's all right, don't worry...」などと、無意味に話しかけながら静かに近寄り、どうせパニくって狂ったように家の中を飛び回るにちがいないという確信にめげずにゆっくり手を伸ばすと、鳩はくいっと首を遠ざけはしたものの、こちらの予想に反し、あわてる様子がない。よくよく見てみると、足には番号が打たれたリングがついている。

ここまで人なれしているなら無事に外に出してあげられるだろうと一安心し、ふと見上げると、近くのアームチェアの背もたれの上で休んでいた猫のヘンリーが、この信じられない「鴨ねぎ」の幸運(しかも食卓上!)に、たじろいだ姿勢を立て直しているところだった。こりゃいかん、と、まずはこの猫をわしっと捕まえ、ユーティリティールームに閉じ込める。直近の危険回避に安堵し、興奮している犬を鎮める私を尻目に、鳩ははたはたとコンサーバトリーに移動した。

気を取り直し再び近づくと、4~5歳児の子供が親以外の大人を見て「Can I trust you?」と無言で問いかけるようなまなざしを私に向けている。うう、胸が痛い。無意味と頭でわかりつつも「I'm not gonna hurt you, don't worry...」といった慰めの言葉を禁じ得ず。

意を決して犬の足を拭くためのタオルを両手にかけて彼の背中からふわっと掬い上げた。と、驚いたことにまったく身動きもせず、おとなしくなされるがままにされている。

庭に出て、猫がいない隣家に向かって離してやった。やれやれ、と思って再び本を読み出すと、どうも様子が違う。もう一度上を見上げると、同じ鳩が我が家の二階の窓のへりにへばりついている。

うう。放っておいて後で庭に降り立たれでもしたら、彼が猫の餌食になるのは目に見えている。のたのたと二階に上がって窓を空け、逃げる気のまったくないこの鳩を再び両手でくるみ、一息置いて、窓から勢いをつけて空に向けて離してやった。どうやら今回はもうちょっと遠くに飛んで行ってくれたようだ。

それにしてもsurreal。

両手に残る、暖かくてやわらかい不思議な感覚の余韻を味わいながら、ふと昔観た映画を思い出した。

Matthew ModineとNicolas Cage主演のBirdy。



なんだかとても懐かしくなってどうしても観たくなり、DVDを買い込んだ。(げ、1984年リリース!)
Alan Parkerの音楽が非現実的で懐古的な、不思議なムードをかもし出す。
一度観ると忘れられない映画の一つだ。
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by uk_alien | 2009-07-25 02:18 | film

ゆっくりしよう

一週間の休暇を自宅で過ごすことにした。

ここのところ、気温は夏のように高く天気もすこぶるよかったのに、今週になっていきなりイギリスらしさが戻ってき、雨、雨、そして雨。ま、そんなもんだ。



体調もあまりよくないので美しい音楽にひたりたいと思い、以前買おうかと迷って買わなかったCDをHMVで衝動買いした。映画Pride and Prejudice (2005)のSoundtrack。ネットで買えば5ポンドくらい安いのに。

通して聴いてみると、それぞれのトラックがあまりに短く少しがっかりしたのだが、それでもさりげなくバックグラウンドで流す分にはとてもrelaxing。

映画の中の幻想的で美しいphotograpphyが思い起こされとても心地よい。
(映画の原作の解釈に同意するかどうかは別として...)
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by uk_alien | 2009-06-08 20:34 | film

Granpa

ちょうど一年前ここにも書いたGranpaのVHSをやっとebayで手に入れた。

記事を書いた後、買おうと思って狙っていたのだけれど、クリスマスシーズンに重なってしまったためか値段がすこし高めになってしまい、暫く諦めていた。

記憶と違っていたらどうしよう?...と、どきどきしながら早速観てみた(そう、いまだに我家はVHSが繋がっている 笑)。たったの26分。内容や背景がわかる今と、まったくわからない当時では印象が大分違うけれど、それでもやっぱり素晴らしいと思った。本当に、本当によく出来ている。

義理ママの最新のガジェットはVHSとDVDレコーダーとHDが一体になったマシーン。明日彼女の家にチェーンソーを借りに行くので、そのついでにDVDに落としてもらおう。

今年のもと旦那の誕生日にあわせて贈ってあげることがやっとできそうだ。

※ 一番最後のシーンがYouTubeにアップされていたのでご覧になりたい方はこちらをどうぞ。黒い犬はGranpaが残した犬で、最後に孫娘のEmilyにジョインする子ども達は少年時代のGranpaとその友人達です。Granpaと二人で分かち合った空想や想い出がEmilyの心の中で暖かく生き続けている様子がとてもさりげなく描き出されています。
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by uk_alien | 2007-11-11 04:28 | film

執念のサーチ

1993年か1994年のある日、ロンドンのフラットでめずらしくTVをつけていた。

英語なんかよくわからないけど、時々こうしてふと思いついたようにスイッチを入れては、まずそうな料理番組や、信じられないくらいセンスの悪い色のパペットを使った子供向け番組などををぼんやりと観ていた。

このアニメーション作品を目にしたのはそんなふとした午後。

おじいさんと孫娘の話だった。彼らのやりとり、空想的な出来事、美しい庭などがやさしい水彩画のようなアニメーションで描かれていた。確かおじいさんは最後には亡くなってしまう...でもそうしたはかなさや悲しさも含めて、全体的に素晴らしい作品に出来上がっていた。「タイトルを最後にしっかり見ておかなくっちゃ」と思ったが、知る人ぞ知る、最後に自分が見ていた作品が何だったのかを知ることほど難しいことはない。特に外国語でなんかお手上げだ。しかし私には「この作者はSnowmanやWhen the wind blowsの作者と同一人物に違いない」という絶対的な確信があった。ということは再び観たければすぐに調べられるはず、とたかをくくった。

そう固く信じて疑わず、あれから12年後の今日、いまだ親友付き合いのもと旦那への誕生日プレゼントに是非あの作品を送ってあげたい、と思った。早速Snowmanの作者、Raymond Briggsの作品リストを調べ、愕然とする。

ない。彼の作品じゃない。

二度と思い出せないもの、手に出来ないもの、会えない人、行けない場所、みれないものなど人生にはごまんとあることはわかっている。わかっているけれど、どうしても過去の海に沈めてしまうことが出来ない記憶のかけらといものはやはりあるものだ。それがいつでも思い出せると信じていたときはなおさら。

思いつくありとあらゆるキーワードでネット検索した。12年前の記憶を掘り起こす。あの庭の描き方、絶対にBritishに違いない。animation...TV番組だったのだろうか、映画だったのだろうか...確か映画に比べて短かった気がする...short filmと呼ばれるカテゴリーもあるのか...Channel 4が以前アニメーション作品をプロモートしていたときがあった...Snowmanもその一環だった...でも作品リストなんか見つからない...。

タメイキ。

自分だったらどういうタイトルをつけただろう。"Me and My Grandpa"とか"My Grandpa's Garden"とか"My Grandpa"とか...。"Grandpa's Death"はないよな、いくらなんでも、やっぱし。これでもない、あれでもない。みつからない、みつからない。

そういう思考をぐるぐるぐるぐるたどりながら最後にふと気がついたのが「GrandpaってGranpaとも綴るのね」という単純なトリック。

そのおかげでたどり着いた"Granpa"
ストーリーやレビューを読んで確信する。
これだ。これこれ!見つけたっ!

いやはや感激の涙。

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DVDなど出ておらずVHSなのでとりあえずもと旦那へはamazon.co.jpを通してオリジナルの絵本を贈ってあげた。こちらでビデオを買っていつかDVDに落として日本に送ってあげよう。
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by uk_alien | 2006-11-30 02:48 | film

Memoirs of a Geisha

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シングルマムの友人の家にいりびたっていたら、彼女が「Memoirs of a Geisha、見に行こう、今夜!」と一言。お国の韓国のギーセン(どうやら芸者の茶屋と同じようなものらしい)とどうちがうのか、どうしてもみてみたかったのだそうだ。一人で行きたくないし、下の子をおいて上の子と見に行くというわけにはいかない。で、私に白羽の矢。

いやことがあってくさくさしていたので即座に同意。急いで夕飯かっくらって子供達に明るく見送られ家を出た。(大きい方は17歳だから2時間内の外出は合法ね。)道中、「これは純日本風じゃないんだからね」と念をおす。

感想は...日本でも中国でも韓国でもない不思議な美しいアジアの御伽噺が英語で語られてるという感じ、だろうか。ストーリーラインと映像が織り成す美学も東洋の感覚ではない。ただ、そういうものを作りたかったという意図は明らかだし、原作で描かれている、西洋のフィルターを通した幻想的で美しい日本美を映像化した、とすれば大成功だ。本を読んで受ける色やスケッチの印象がそのまま目前に映像となって映し出される(芸者自体の描写を除けばだが)。もう、それでよしという感はある。ストーリーは虚弱だ。ハリウッド映画なんだからしょうがない。それにもともと原作自体が、もっとシンプルなThe Girl who played Goなんかに比べても脆弱で心に迫りくるものはない。芸者に関しては髪型や化粧、振る舞いも日本風ではないので、日本人にしてみれば芸者を見ているという感じはあまりないが、あれだけ美しい女優をそろえれば「目の保養」としておつりがくる。

友人と、Mameha役のMichelle Yeohはクール、Hatsumomo役のGong Liはevilにセクシー、渡辺謙はデリシャス、という点で意見が一致。個人的にはAuntie役のTsai Chinははまり役、桃井かおりは映像的には合ってるがほとんど何をいってるのかわからなかった。

「Nobu役の役者が英語も演技も上手くてよかったよね、日本語の発音もすごく上手だったけど、なに人だろう?」「Pumpkin役は日本人っぽいけどよく演じてるよね、なに人かな?」(友人は「あの子は絶対に中国人よ、中国人顔だもの」と確信)等々、映画の後もお茶で話がもりあがったガールズナイト。後で彼らがYakusho KojiとKudo Yukiと知って自分のズレズレ加減に愕然とした。

ちなみにイギリス英語読みはメモアーオブア「ギーシャ」となるようだが、人によって「ガイシャ」というのだろうか。イーザーeither、アイザーeitherみたいな。
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by uk_alien | 2006-02-03 19:15 | film