「ほっ」と。キャンペーン

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これまで、電車の運転をご職業とするイギリス人には三人お目にかかったことがある。

三人、というのは母集団の数に対しあまりに小さいサンプルなので一般化してはいけない...と思いつつ、...似ている、あまりに似通いすぎている。というのが昨夜友人を介してのお食事会で三人目にあった時の印象。共通点として100%白人、66.6%が中年、がっしり大柄だがお腹はビール腹、という点はさておき、

① ゆったりと構え何事にもあわてない(といえばいいのか'To-be-honest,-I-don't-care'メンタリティーというのか...お気にされないご性格)
② ご職業に大変ご満足されている

昨夜の彼はキャリアを選択する際セールスの職業とこの電車の運転手という二つの選択があったそうだ。セールスの仕事は運転手の2倍の額は稼げそうだったが、有給休暇、病欠の有給処置、勤務時間、ストレス、年金を考えると、長い目でみて断然運転手の方がよいと判断したという。

彼の勤務時間は週35時間。週休三日が3週間に一度やってくる。超過勤務はないため、ホームライフは存分に楽しめるそうだ。勤務を終えれば引き摺るストレスは一切なし。労組さまさま、さらにさま、だろう。

「金融街の連中は年収10万ポンドやらそれ以上って稼いでるけど、働く時間でならすと自分の方が断然多く稼いでいることになるのさ。」

それでも客からの罵倒・暴力はまったくないとはいえないそうだ。一度は夜遅くにターミナルで運転席に座っているときに、黒人からのハッピースラッピング(理由もなく相手を殴っていい気分になるという昨今の風習)、顔面パンチを一度くらったらしい。警察には届けたが、CCTVの画像はターミナルの端までは届かず(!)お蔵入り。別の時には電車を夜の間格納しておくポイントでまだ乗車していた客(なんで最終駅で全員降車のチェックがなされないのだろう、という疑問はさておき)に「降りてくれ」といったところ、いきなりナイフが出てきたので当然すばやくその場を去ったそうだ。その乗客は警察が来たときにはいなくなっていたらしい。

こうした経験を除けば楽チンな仕事、だそうである。

一方、私は東京の丸の内線の車掌と友人関係だったことがある。彼は、小さいときから電車の運転手になりたかったそうだ。しかし、運転手になるのはかなり倍率が高く試験も簡単ではないので、車掌のキャリアを選んだそうだ。彼は車掌の仕事に大変誇りをもっており、乗客の安全が第一、そしてその第一義を遂行しつつ、電車をスケジュール通りに運行するのは大変だがやりがいはあるといっていた。線路のどこどこで○分の遅れが出がちなのだが、どこどこの直線ラインで大抵遅れはとりもどせる云々と真剣に言っていたのを覚えている。これまたサンプルは一人なので一般化してはいけない、のだが、私の記憶では、彼の職務モラールは大抵の鉄道関係者に共通のものであったような気がする。

「郷に入れば郷に従えだよ」

その通りだ。違いを云々しても仕方がない。しかし、私が興味を覚えるのは、一方では「鉄道システム」が定言的に「国にとって重要なインフラストラクチャーの一つ」として両国に同様に存在すことで、あたかも同質のものであるかのような錯覚を私たちに起こさせるのだが、もう一面ではその運行の仕方、運行実績、職員のモラールなどがしっかりとそれぞれの国の文化やだどってきた鉄道の歴史を反映して、その結果、両者はまったくもって「別物」なのだということを思い知らしめるという、そんな不思議な、異文化間のパラドックスに入り込んだような感覚だ。

ちなみにこの不思議さは怒りを超越することでやってくる。

PS こういう不思議な異文化感覚をスタートレックは巧みに表しているなと思う私は実は隠れVoyagerシリーズファンなのだった。
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by uk_alien | 2006-02-26 22:49 | concept

ブログでお腹を満たそう

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cy11さんの「シェフの妻が思う事、書きます。日本人ですが、それが何か?」で教えてもらったカリフラワーチーズを作った!

非常に美味しい。cy11さんのアドバイス通り、カリフラワーの茹で加減に気をつけて歯ごたえを残すのがコツ。翌日電子レンジであたためなおしても美味しかった。私は野菜だけで十分幸せだが、肉が入ってないとダメという人は細く切ったチキンを入れるといいと思う。また、今回はアイリッシュ・マイルド・チェダーを使ったが、やはりこういうのはマチュアーチーズの方がよさそうだ。

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フレーバーが強いマチュアーチーズを使うことでチーズの量を減らしたり、ホワイト・ルーのバター大匙2を1にしてオリーブオイルを3にするなど、基本的な美味しさを崩さずに、ダイエットバージョンでカリフラワーの味を楽しむことも出来そうだ。今までカリフラワーを材料として使ったことがなかったのでレパートリーが増えた。cy11さんに感謝!

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ちなみに今回はコーン・ブレッドもあわせて作った。とうもろこしの粉、Polentaを義理ママにもらっていたので試してみたかったのだ。ふむ、アメリカ人にとっては「おーっさむ」な味?マーマレードやアプリコットジャムによく合うようだったが、カロリーを考えると...。

本当にジムに行かないと、まずいな~。でも外は雪が降ってるし...。
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by uk_alien | 2006-02-24 17:21 | food
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「時速30マイルで跳ねて。そしたら生き延びるチャンスは80%だから」

Think!という交通安全のコマーシャルだ。このCMシリーズは本当によく出来ていて、車を運転する私は時速30マイルゾーンに入ると必ずこの女の子の声が頭をよぎる。

コマーシャルは、8歳くらいの女の子のひしゃげた身体が街路樹の根元に静かに横たわっているシーンからはじまる。「時速40マイルで跳ね飛ばされると死ぬ確立は80%」とかわいらしい声が流れる。シーンはそこから逆回しに流れ、折れた骨がコキコキともとにもどり、耳から流れ出た血が逆流し、身体は道路にもどされ、彼女ははっと息を吹き返す。そこでこのフレーズが流れる。

'Hit me at 30, and there is around an 80% chance of live.'

先日、仮免許で、盗難車で、30マイル制限の道路を時速48マイルで走り、母親と一緒に道路を渡っていた3歳の女の子を轢き殺し、男の子を怪我させて、停止せずにそのまま逃げてホテルにかくれていて捕まった男、モハメッド・アクイール・フセインに判決が下った。懲役12週間。年じゃない。ヶ月でもない。12...週間。

判決を下した判事はこれ以上の重罰を与えらず、申し訳ないと言ったという。法律を変えるしかないと。12...週間。ちなみに車を盗んだ罪は4週間。

適用できる最高刑は6ヶ月(!)だったらしいが、「軌道を逸した運転」をしていたという証拠が不十分なため、減刑されたらしい。「危険な運転をしていた」罪で告訴できたならば14年はぶちこめたそうだ。話をきいていると、イギリスでは10年前以上前からこの法律の欠陥が指摘されているが、新しい法律はまだ施行されていないのだそうだ。アホか?(十年前17歳の子供を轢き殺された母親の話では、当時やはり「危険な運転」を証明できず、「不注意な運転」の罪になり、逃げて車を売り飛ばそうとした犯人が受けたのはたったの懲役6ヶ月、結局4ヶ月で出てきたそうだ。ね、出てきちゃうんだ、この国は!)

昨日のテロに4千万ポンド盗まれたBank of Englandの倉庫のリスク管理とセキュリティーもどうかと思ったが、もうこの轢き逃げのニュースで明らかになったおちゃらけな法律にあきれはてて文字通りあごがだらんと落ちてしばらく戻らなかった。口あんぐり状態。ぐーの音も出ない。ぐー。

法律をご職業とする関係者の方々、彼らの子供が轢き逃げされない限り、その重い腰がもちあがらないということなのかしら?そんなに難しいことなのかしら?
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by uk_alien | 2006-02-23 20:15 | venting

ネイバーズ

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ちょうど一昨年前、サンルームを作ろうと計画し、隣から反対を受け、控訴も却下された件は建て増し申請却下控訴の結果に書いた通り。その後、業者と相談し、奥行き3分の1を削って3mとし、カウンシル(地域の役所)に再申請した。反対申し出期限は3月4日まで。さあ、隣のビッチ、再攻撃に乗り出すか?

ビッチの前回の反対理由は①日当たりの悪化、②景観の悪化、③位置はビッチ側ではなく反対側にも作れるではないか、というもの。またカウンシル側の却下理由は(a)隣人の反対、(b)グリーンベルトのフィールドからの景観の悪化、(c)カウンシル基準の3mを超えたものであること、だった。

控訴後、お上からの最終申請却下の理由文では、

- ビッチの①日当たりと③位置、及びカウンシルの(b)グリーベルトからの眺めは申請却下の理由にならず
- しかし、申請されたサイズは②隣家からの景観を害し、(c)カウンシル基準3mを超過してよしとする理由は見当たらず、隣家のliving conditionのdeterioration(すごい表現)につながる

と判断された。外人の私が読んでも「3mならいい」というお墨付きをもらったも同然。

「やっぱり可哀想なのでは...」と思われた方はちょっと待ってほしい。東に向かって左右に並ぶ我家(南側)と彼ら(北側)の家の境には高さ1.8mのフェンスが既に存在している。このサンルームのプランは、境界線から更に80cm我家側に入ったところ。天井も壁もすべてガラス。4.5mのプランではさすがに向こう側から目に付くかなと思われたが、3mは全く常識の範疇だと確信している。

しかも彼らが最近庭のど真ん中にこさえてくれたデッキング+パーゴラは約4m~4.5m四方x2mの高さ。地面は家から離れる方向で下りの斜面になっている。水平に4.5mせり出すということは約2mの高さを加えることになる。そこに「座る」だけで我家の庭はゆうゆうと見下ろされてしまうのだ。立ったら全て丸見え。プライバシーもへったくれもない。しかもこの巨大な建造物+新しく打ち立てた2.1mのフェンスは、家とは反対側の境界を共有している隣人の庭から光をすっかり奪ってしまった。両家でプライバシーの喪失と景観の喪失をカウンシルに訴えたが、こうした建造物はテンポラリーとみなされ、建物に関する法律に沿わなくてもよいようになっているのであえなく却下。この光を奪われた隣家は「それでもビッチの顔がみえないんだったらフェンスのほうがまし」といっている。

私たちがせっせと木を植えている理由がお分かりいただけるかと思う。

しかし我々のこんな植樹行為はまだ可愛いもので、以前このビッチが今の私たちの家に住んでいたとき(があった)にやりあった更なる南側の隣家は一年で数メーター、二年もすれば優に5mを超す常緑樹のサイプレスツリーを境界に沿ってみっしり植えたそうだ(笑)。さぞ暗くなったことだろう。ビッチも一旦引越し、サイプレスツリーの家も新しいオーナーになって全て切り倒してくれたおかげで今は眺めは回復している。

隣家の争いとは恐ろしいものだ。

3月4日の締め切りを楽しみに待つとしよう。
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by uk_alien | 2006-02-21 20:39 | conservatory

春が来る!

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冬に、しかも雨降る中で庭仕事をするのが'真のガーデナー'で、気候がよくなったイースター以降にお庭いじりをはじめるのは'にわかガーデナー'なのだそうだ。旦那は前者だが、私は常日頃から後者であることを心がけている。

しかし、よせばいいのに先週末ガーデンセンターによってしまった。案の定誘惑に耐え切れず、洋ナシの木を2本買う。交配の関係上一本ではだめなのだ。でも、これらのうち一本はComice。ふっふっふっ...いっちばん美味しい(と私は思っている)洋ナシ!

冬も終わりだからいい加減植樹を終わらせなければいけない。買って増やしてる場合ではない。家でぬくぬくしていたい'にわかガーデナー心'に鞭打ってスコップを握る。

ところで、我が家はイギリスに多い石灰岩盤層の上に肥えた土が申し訳程度にのっかっている上に建てられている。このフリントと呼ばれるでっかい石ころの混じった石灰層を掘るのは至難の業。その上、8年前の増築時に業者が不要となったレンガを庭にばらまき、その上に土をまいて芝生をのっけた状態なので、ちょっと穴を掘る=古いレンガフルサイズ2個、半分のサイズ4個、そしてフリント2個を掘り起こすという図式。1.5mの若木を植えるための穴をひとつ掘るのに40分から1時間かかる。同じイギリスでも全く違う地質上に建てられてる義理ママんちの庭では同じサイズの穴をものの5分で掘ることができる。

何で二本も余計に買い足しちゃったかな~と恨めしく思いながら、先週末と今週末でこの洋ナシの木2本、かえで、ヘーゼルナッツ、プラタナス、桑、ノルウェーメープルの計7本を植え終わった。しかもこれらのスペースを確保するのにバラや多年草、ブドウ、そして1.5x1.5mの巨大な潅木を動かさねばならず。か、身体が痛い。

でも、湯気の立つマグいっぱいのミルクティーをすすってふと足元を見ると、今年はまた出てくるかな~?と心配していたダブルのチューリップが芽を出している。クロッカスの一群も「遅いよ、気づくのが!」とばかりにぐんぐん伸び、無言の桜の木達はぷっくり膨らんだ芽達に覆われている。

春が来る!

こういうときは都合よくすっかり真のガーデナー気分にひたるのだった。
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by uk_alien | 2006-02-20 22:56 | garden

無我の境地を離れる

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(前回の投稿からの続きです) Amazonから返信メールがきた。

Amazon 「コンピューターには2月13日にクーリエで送ったって書いてあるもん。2月20日まで待って、それでも届かなければて教えてね。そしたら代わりのものをアレンジするからさ。」

インドのカスタマーセンターのマニュアルをそのまま読んでるような文章だ。カレーのにおいまでかすかにしてくる。(今夜はカレーの出前に決まった。)しかも私のメールを全く読んでいない。モノを投げ込むコンテナーだか袋だかを間違えちゃったノータリンよりこっちのノータリンの方がたちが悪い。ちょっと切れた。メールを送る。

私 「状況わかってないんじゃないの?だから、もうそうじゃなくってアンタんとこが間違えてクーリエじゃなくて郵便局に渡しちゃったから送料と手数料が発生してんじゃないの?わかる?私が要求してんのは①状況を正確に把握しろ、②郵便局から返された品を受け取って、正しいクーリエを使って私への発送の準備が整ったらメールしろっていってんのよ!」

返答が来た。

Amazon 「君の不都合に対してはかわいそうだなって思うんだけど、君のいってる注文番号に関しては僕のコンピューター上にはクーリエで送ったって書いてあるんだよね。どの注文のこといってんのか、その正しい注文番号をこの指定のリンクを使って僕達に教えてね。かしこ。」

ぶちきれた。あわあわしてると、昨晩もよくねむれなかったダンナが今回も怒りを発散したい、というのでバトンタッチした。

旦那 「まず、このメールは正式な苦情であることを認識すること。次回からはカスタマーサービスのマネージャーが返信すること。また、次回の返信メールでは必ず話ができるコンタクト番号を記載すること。まず、まったく状況が読み取れていない。目の前に郵便局からのペナルティーノートがあるわけ。で、郵便局のオフィスまでいって、モノをみてきたわけよ。僕がいってるこの注文番号のものをね。お宅のコンピューターがなんといってるか知らないけど、モノは現実郵便局にあるの!これをしっかり理解してからどうすんのか返信しろ。理解できるかどうか疑わしいけどな!」

うーん、もうちょっと皮肉のきいたイギリス紳士らしい文章を期待していたが、よく眠れなかったんだろう。確かに怒りは通じるはずだ。1~2時間で返答がきた。

Amazon 「ごめんね。過去のやりとりをみて怒るのももっともだと思ったよ。コンピューター上にはクーリエで送ったって書いてあるけど何かの間違い(Technical error)で郵便局に渡っちゃったんだね。普通なら代替の品をすぐ発送するんだけど...、どうしたいのか連絡してね。」

やっとまともな人間にたどりついたか。でも2パラグラフくらいを除くと全部テンプレート。

私 「ご返答および状況の把握に感謝します。代替を即座に発送してください。かしこ。」

カスタマーサービスはこなして何ぼの商売。だからヒューマンタッチをなんていわない。イングリッシュは世界で一、二を争うカスタマーサービスに向かない民族だと思うけど(スコティッシュは別。何いってんのかききとれないけど、独特のアクセントは相手の怒りをやわらげる効果はリサーチで証明されている)、多くの英国/在英企業がその部門だけそっくりインドに移しちゃったのもどうかと思う。本当に使えない。外人の私がそう思うのだからネイティブの英人のストレスはお察しする。

インド人がどうのというわけではない。外注として請け負ってるインドの大手カスタマーサービス企業は本屋から車やまでの多様なクライアント企業の、これまた多様な消費者の、はたまた多様なコンプレインに対応していかなければいけないのだ。マニュアルやテンプレートに頼るしかない。そこに問題が生じるのだ。だからこちらも怒鳴り方をマスターして的確な判断力をもつ人間に達するまで声をでかくするしかない。日本でもきっと同じ状況だろうと思う。

さて、今夜はカレーだ。
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by uk_alien | 2006-02-19 02:27 | misfortune

無我の境地へ

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今朝、家計費口座をネットでチェックしていると、不思議なエントリーがあった。
Adjustmentとあって100ポンドが入金されている。なんじゃこれ?

利子率の悪い普通口座には必要額以外残さないようにしはじめたところだったから、「普通口座が100ポンドを切ったら預金口座から自動的にスウィングしてくる仕組みになったのかな?」(そんなこと銀行が勝手にするわきゃないが)と思い、他の預金口座もみてみた。しかし、別段お金が動かされている形跡はない。旦那は、「いや、普通こういうのは銀行が何か過去の手違いを見つけたか何かで調整するものだよ」という。

なんと?そんな間違いを銀行がするの?で、アカウントホルダーに連絡もなく、調整しちゃうわけ?

実をいうと私は銀行のステートメントは絶対と思ってたから、マイクロソフトマネーを使ってつけてる家計簿にずれが生じても「どーせ私がどっかで間違えたんだ」と思い、銀行のステートメントに沿って調整してしまう。さらには、昨年11月、家計費管理のフラストレーションから怒りが爆発(いかん、いかん)、マネーのそれまでのデータを消してしまっているので、一体何の調整がなされたのかわからない。

最近超多忙な仕事のストレスで身体が参り、睡眠がよくとれていない旦那は「ちょうどよかった。誰かに怒りたい気分だから今日銀行に行って、怒ってくる」といって出勤していった。結局銀行の手違いということで100ポンド返すことになるかもしれないけど。たまたま旦那の担当になった銀行員に同情。

そんな一件はもう、忘れてしまえ、どうせ入金だ、とイギリス在住者マニュアルにのっとって(?)気を取り直し、午前中は草むしりに励んだ。その合間に家に入ると郵便局からメモが届いている。

「Amazonからの小包は送料が支払われてないから届けられないよ。集荷センターまで来て、手数料1ポンドを含めて5ポンド52ペンス払ってね」

これは私がAmazon.co.ukで送料無料のサービスを使って注文した本だ。神が今日はAnger Managementに専念せよといっているに違いない。怒りに身を任せないよう、まずAmazonに何が起こったか説明するメールを送った。(この連絡先が見つけにくくなっているサイトの作りにも腹が立ったが、いかん、いかんと思い気を取り直す。)その後、郵便局の集荷センターへ出向き、問い合わせ窓口のおっちゃんに相談した。やはりAmazonの単なるミス。小包にも明記されているAmazon指定のクーリエを使う代わりに彼らは「郵便局に渡しちゃったんだなー、だからオレッちは当然送料として5.52を請求しなきゃならないわけさ」。おっしゃる通り。Amazonへ小包を返送しそっちに請求してもらうように頼んだ。郵便局がそうであるように、私にAmazonのミスの肩代わりをする気は毛頭ない。

家に帰ってからAmazonに経過報告のメールを怒りに任せずに書いた(えらいぞ)。たかがデジタルイメッジをいじくるAdobe Photoshopのノウハウ本だ。一刻を争うことはない。それに発送クーリエごとに分かれて並ぶ袋達を前に、間違ってぽんと違う小包を入れてしまうノータリンの気持ちもわからないでもない。間違いは誰にでも起こる。

ああ、無我の境地。
こうして辛抱強くなっていくのね...とつぶやきつつ、中断した草むしりへ向かおう。
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by uk_alien | 2006-02-17 21:13 | misfortune

バっレンタインだよ~

よし。相変わらず貧乏でレストランには行けない私たちは今夜も手前ディナーだ!

早速テスコへ買出しに。スターターは予算の関係でなし(とほほ)。でもそのかわりサンテミリオン(っていうの?St Emilion)2002年ものに奮発投資。でも期待に反してこのサンテミリオンが酸化してしまっているのに気がつき急遽返品、代わりにシャトーマーティン2001年(ボルドーの赤)にした。オーブン料理は私の領域ではない、と思ってなるべく避けているが、今日は特別!

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じゃがいもとたまねぎのスライスをチキンストックとバター、パセリで煮込んだブランジェール・ポテト(Boulangere potatoes)

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鴨のシェリーベリーソース添え。胸肉を焼いてシナモンと塩、砂糖を絡めシェリーとラズベリーのソースでいただく。極楽。シャトーマーティンはそれだけでは?という味だったが、ベリー味の強いこの料理にはぴったりで、多分サンテミリオンよりベターチョイスだったと思う。

デザートは手作りのアプリコット・タルト。美味しかった~。
満腹。
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by uk_alien | 2006-02-15 20:18 | food
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昨夜、IDカードの法案が議会で可決された。

冗談じゃない。人権に反すると思うからではない。私は日本の戸籍制度でさんざん嫌な思いをしてきたから、いいのか悪いのか、ある意味で国家にID管理されることに慣れている。私が反対する理由は、イギリス政府が納税者に莫大な費用がかかる新ID制度を導入した上で(導入自体はアホでもお金をかければ出来る)、それを機能的に維持し、活用していけるとは思えないからだ。

内務大臣(っちゅーのかい?Home Secretary)のチャールズ・クラークいわく、竹級のIDカードは30ポンド、パスポートとリンクされた松級のIDカードは93ポンド。パスポートを申請・延長するものは後者取得が義務になる。しかしながら、London School of Economics (LSE)が発表したレポートによると、IDカードは実質一人頭300ポンドのコストがかかるという。

イギリスは国の保護にあやかってる人の数がばかにならないほど多い。慈悲深いブレアーの労働党政府が無職者、身体・心の都合で職にはもう就けない人たち、ティーンで妊娠して子供を生んだシングル・マザー達などなどをそれはそれは手厚く保護してきたため、ウソついて保護を受けたくなるか、もしくは最初はウソでなくても一旦保護を受けたらやめらめまへん状態になってるようだ。さて、この人たちのIDカード代は誰が払うのだろう?彼らの保護金の中から政府が引き落とすだろうか?ありえない。そう、あなたや私、普通に働く納税者だ。

さらに、難民の分はどうだろう?難民と英人大学生を比較するのはちょっと変かもしれないが、イギリスは以前はほとんどの場合タダか、タダ同然だった高等教育が今は文系大学学士コースでも年数千ポンドと跳ね上がったため、多くの若者は教育ローンを利用せざるをえない状況になっている。彼らが大学を卒業し、フレッシュな社会人となって年収1万二千~一万4千ポンドを稼ぐときには既に8千ポンド~1万ポンドの借金を抱えていることになる。当然この借金返済は義務。無利子なんて甘くはないよ~。つい先月も膨れ上がった教育ローンの重圧に耐え切れなくなった26歳の女性が首吊り自殺している。そうした一方で、納税者は英国住民となる難民それぞれに、一人頭300ポンドのIDカードをタダで提供するのだろうか?恐らくそうなるだろう。そんな借金を難民に課すなんて、非人道的だからだ。なんて慈悲深い国だろう。

また、ブレアーいわく、IDカードはID詐欺をくいとめるという。どうやって?いつこのIDカードはチェックされるの?お金を引き落とすのに銀行でカードをスキャンしてそのデータが国家のデータベースでチェックされる?銀行の支店がそんなスキャナーを導入するだろうか?いや、そうしたチェックは空港だけの話で、普通の銀行やお店、オンラインショッピングなんかはIDカードのコピーか、番号入力だけだ...なんてことだったら運転免許やパスポート、クレジットカードを使った身分証明と全くかわらないではないか。

テロの脅威はかつてないものと政府は主張する。しかし、7月のロンドンの爆弾テロはイギリス人によって実行された。外人じゃない。もし当時IDカードが導入されていたとしても、それがこのテロを食い止めたとは思えない。

性犯罪者が教育関係の職に紛れ込むのを防ぐため、データベースをチェックするシステムが機械としてではなく、機械を使う人達のアドミンシステムとして機能していなかったことが問題になったのはまだ記憶に新しい。人手不足の警察は、75ポンド以下の万引きで僕達を煩わせないで、というレターを地域の店に発行する始末、NHSは信用できない、電車はまともに動かない。

頼むから。IDカードにお多大な納税者の汗と涙の結晶をつぎ込む前に、国家はそうしたプロジェクトを管理・活用し続けていく能力があるのだということを納税者に証明してほしい。もし納得できるのであれば、IDカードだろがなんだろうが、いっそのこと家の猫に埋め込まれてるようなマイクロチップでも喜んで携帯しよう。
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by uk_alien | 2006-02-14 21:00 | venting
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イギリスに住んでてよかったーと思うことは勿論たくさんある。私の3大要因は、

①地震がない
②眺めのよい庭付きの家がロンドン通勤圏でまだ買えた
そして、
③お化けが出ない

勿論イギリスにもお化け話はわんさかある。ついこないだも70年代の有名なポルターガイスト現象(真偽は勿論謎のままらしい)がラジオで取り上げられていて、録音された「ポルターガイストの声」まで流してくれるという。一人で聞いていたので、う~こわい...と思っていたが、興味深々。くるぞ、くるぞとわくわくして耳をすましたところ...

はて、何を言っているかわからない。

ふふふ。だからよいのだ!私はもしイギリスでお化けが出てきても、「ノーノー、ノー・イングリッシュ、ソーリー。」で通せると思ってる。それに相手がどんなに恨めしい声で訴えてきても、私のリスニングはそんなか細い声がききとれるほどよくない。どうだ、まいったか。

しかし、どうやらこの目論見は甘かったらしい。世の中どこにいてもいろいろ不思議なことはあるもの。Nantokaさんの記事をわくわくしながら読んでいて、ふと自分の経験を思い出した。

2年前、旦那の友人が地にしっかり足がついたdon't mess with me, babyタイプのアイリッシュのガールフレンドと一緒に一戸建てを買った。よし、ハウス・ウォーミングだー、ということでお邪魔することに。

外観はイギリスらしい、窓ガラスの中に黒い鉛線が格子状に入っている古い窓をそのまま残した品のあるおうち。明るく向かいいれてくれる二人に挨拶を済ませ中に入り、家の中心にある玄関を入ってすぐ右側のダイニングルームに足を踏み入れた。そのとたん、「ぶわっ」と急に回りの空気が重くなった。重い、息苦しい。ものすごい険悪なムードの場に何の気なしに足を踏み入れちゃったような、でももっと物理的に重い感じ。

「いやだ!」と思いながらダイニングルームとつながっている増築されたキッチンへ非難した。そこは大丈夫だった。キッチンから庭へ出て、ダイニングの壁とつながってるガレージを見た。うーん、どうもよくない。何がってわからないけど、よくないのだ。でも問題はガレージよりもダイニングルームだ。家族関係のことかなにかでものすごく怒ってる中高年の女性の感情がむき出しで漂っている。

家の中をアイリッシュの彼女が案内してくれた。面白いつくりだ。玄関を入ってすぐ眼の前にある階段を上がると、踊り場のようなところで一旦とまり、そこから折り返してフロントにあるベッドルームへ、それと対象をなしてバックにある2つのベッドルームへ、そして右側増築部分(ちょうどキッチンとダイニングルームの上にあたる)のマスターベッドルームへと、それぞれに階段が伸びている。あまり機能的とはいえない。

3つのベッドルームはまあ普通だったのだが、最後に見せてもらったマスターベッドルームに、ドアがない。これはものすごく変だ。引越しの際にもってっちゃったのかな~と思ってよくよく見ても、取り外した形跡がない。しかも、このマスターベッドルーム内に専用のバス・トイレが付いているが、そこへのドアもない。彼女いわく、「変よねー、ついてなかったのよねー、トイレするときに困るわよねー」

二階の後、一階のフロントにあるレセプションルーム、バックにあるセカンドレセプションルーム(リビングルーム)、そして最後にこのセカンドレセプションルームからつながるグラニールーム(お年寄りと同居するときに作る、母屋とつながった風呂・キッチンのついた独立した部屋)を見せてもらった。すると、さっきのダイニングルームが青黒っぽいようなモノだとしたら、今度は白っぽい、穏やかな感情のなごりのようなものが感じられた。パティオドアがついているが、そこから庭を眺めるのが好きだったのがよくわかる...ん?待てよ?誰がだ?

なーんかもう、疲れたし、絶対ダイニングルームには行きたくないから旦那に理由を話してリビングルームにとどまった。アイリッシュの彼女が紅茶を持ってきてくれたので3人で腰を落ち着けた。旦那が面白半分に私がこの家なんかいるって感じてるんだけど...と持ち出すと、私が口を開く前に、彼女がさも当然のように、

「ああ、ダイニングルームのあれでしょう?問題よね。怒ってるのよ。もうすぐ彼が出張で家を空けるから、そのとき腰を落ち着けてゆっくり話し合ってケリをつけるわ」

え?

「あっち(グラニー)はもう全然問題ないの。ハッピーなのよね。」

異国の地で異人に異国の言葉で、こうずばり指摘されたときの気持ちを想像してほしい。一瞬マジックや催眠術のトリックを思い出した。そうだ、それに違いない...。でも私まだ何も言ってなかったし、言われてなかったよね...。

彼女のボーイフレンドは一切そういうことは信じない。いいことだ。旦那も特に何も感じなかったそうだ。彼女いわく、今はアレの怒りも大分おさまり、すっかり暮らしよくなったらしい。ただ、彼女が連れてきた猫が庭の池にはまって死んでしまったそうだ。私はといえば、二度とあの家には足を踏み入れていない。怖い、というよりは私にあんな怒ってるモノに対抗はできない。ノー・イングリッシュという次元じゃないのだ。「柳も幽霊」と笑われるかもしれないが、私にとっては「君子危うきに近寄らず」だ。
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by uk_alien | 2006-02-13 01:58 | just a thought