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リサーチワークと提出課題が大量にある通訳クラス。通訳能力を評価するのにはロールプレイが使われビデオで撮影される。シチュエーションは、例えば、GPやベネフィットを扱うDSS(社会保障省)のオフィスなどで、扱いにくい担当者とクライアントの間で通訳をする、など。コミュニティー通訳の役割は純粋な言語通訳とは少し違って、異文化やシステムの知識のギャップを補いつつ、さらに相手の人種差別的な態度など不適切な発言、態度に対して抗議していくのも重要な役割。ロールプレイ中にはこのセッションをコントロールする能力をしっかりアピールする必要がある。

設定は人種差別的態度があり子供を生んではベネフィットを受けている外国人によい印象をもたないGP+子だくさんで権威に対し恐れを抱く女性。前回ファミリープランニングクリニックに行って避妊の相談をしろといわれたのに行かずにまた妊娠したという。日本語を話す人がどのクラスにもいないので友人に頼んできてもらった。

GP役は、かの笑いがとまらぬギグリング・モロッカン。
どなたかモロッコ人の女性同士が話をするのを目にしたことがあるだろうか?「内容は和やかでもなぜか怒鳴りあいのビッチ・ファイトの様相を呈する」のだそうだ(ギグリング・モロッカン自らの説明)。彼女は見事にこの役柄を増幅してくれた。

強烈な人種差別主義者で、かつ、重度のPMS症状を呈する女性がのべつまくなしに叫びまくっている、という光景を想像していただきたい。
「そ、そこまで演じなくても...」
とは思ったが、ここはやらなきゃいかん。ビデオもまわっている。

逐次でやっていたらとてもではないが彼女の機関銃のように発せられるアラビックなまりのヒステリックな絶叫に追いつかないので同通にきりかえる。日本語はもうはらひれ状態。「ふん、どうせこの場ではみんな日本語はわかんないんだからいいんだ」と腹をくくる。

頭から文字通り湯気を出して「You bloody foreigners, you always bring so many children into this country and receive banefits! See? You're 5 months pregnant now and it's too late to have an abortion! What are you going to do!」とかなんとか叫んで机をはたき、心底役に徹しているギグリング・モロッカンに対し、何度か、「ドクター、患者さんは妊娠しているんですよ、あなたの医療アドバイスをききにきているんです。これからどうしていくのかということに集中してください」、なーんて無駄な抵抗をした後、ふと気がつくと日本人側に対しても英語で通訳(?)している自分に気づく。「ジャパニーズ、ジャパニーズ」と小声でリマインドするチューターの声。ええい、くそー!

私はこういう怒鳴っている相手を扱う場合は必ず「静かに引かない姿勢」をとりつつこちらの目的をどこまで達成出来るかを追求するタイプ。今回のロールプレイも怒鳴るだけ怒鳴らせつつも「血圧を測らせ妊娠のモニタリングを今後行い、次回は別のドクターを患者が指定する」という結果を勝ち取って終わらせた。

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疲れた。今はハーフ・ターム。
犬育てとともに、最終日に提出する山盛りの課題の準備に追われている。
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by uk_alien | 2006-05-31 19:17 | english

マミーズ・ボーイ

ついにウォルターが我家にやってきた。

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ブリーダーは女性だったし、私がやや怖がりのシェルティの扱いに慣れていたこともあって、ウォルターはすぐに私をガーディアンとして受け入れたようだった。しかし、男性にはまだ慣れていないため、どうしても旦那を怖がり、今は完全にマミーズ・ボーイ。これがどんなに私を幸せにしているかはご想像に難くないだろう。ふてくされて「Who's the mummy's boy?」とウォルターに語りかける旦那に「おまえやんけ」と黙って指を差しかえす私。

以前の「犬失敗」の犬は、なんと6ヶ月たってもハウス・トレーニング出来なかった...。今回それがとても心配だったのだが、さすがシェルティ、パティオドアの前にしかれた新聞紙スペースをすぐに「トイレ」と学んでくれた。

その代わり、2階の寝かせている場所の脇に敷いた新聞紙には絶対してくれないことが判明した。そして、夜中、「トイレ」にいきたくなるたびにクン・クンなく。仕方なく旦那(一週間のホリデー中)と私で交互に起き、階下の「トイレ」まで連れて行くことにした。生後8週間で、トイレに連れて行ってもらえるまで我慢できるブリードに改めて感心する一方、私達の疲労はつのる。つ、疲れた、眠いぞ。子どもを育てているお母さん達に心から同情した。

猫達といえば、最初は二匹とも近づくたびに「フー」と威嚇していたのだが、割とすぐに兄猫が「パックに入れてやってもいいから一線は越えるなよ」という受け入れ態度を示した。威嚇はまずしなくなったが、それでも、すれ違いざま無邪気なウォルターに投げつける威厳の一瞥がなんとも可笑しい。

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相変わらずの義理ママチェックはほぼ連日入っており、最近つれない態度をとる息子を責めているようだった。ま、予防接種の関係上あと一ヶ月はウォルターは外出出来ないんだもんね~。
ごめんあそばせ、ということで。
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by uk_alien | 2006-05-24 01:56 | animals

しめくくりの電話

How's your life?
How are things?

とかきかれると、聞き手が特に親しい友人でない場合は答えにつまる。適当にごまかす。
べらべらべらべらききもしないことをことの詳細まで話す輩は、聞いている分には短時間なら問題ないが、単に話のネタのためだけに私のことをあれこれ詮索されるのはたまらない。私は私事は私事にとどめておきたい人間なのだ。旦那からはアンチ・ソーシャルと笑われる。

さて、先週の土曜日、義理ママの家を訪問した際、お暇するちょっと前に思い出して犬を飼うことを報告した。「あら、よかったわね~、楽しみね~」といったやりとりの後、穏便に帰路についた。

数日後の火曜の夕方遅く、ブリーダーからウォルターがどんなにスイートかといった電話があった後、ブログをアプデートし、白ワインを一人であけて幸せに浸っていた。すると義理ママから電話があった。

「こないだ犬のことを一日の最後までふれなかったのはなぜ?何か理由があるのかしら?日中にホリデーの話とかも出ていたのにどうしてもっと早くに言い出さなかったわけ?」

幸せな気分は一気に冷めた。うざったい。大体私たちが犬を飼おうが飼うまいがあんたにゃ関係ないし、それを私がいつ話そうがあんたのしったこっちゃないだろうが?

「さあ、私は自分のことは進んであれこれ話さない人間なので、そのときまで触れる機会がなかっただけでしょう。それだけのことです」
「あら、そうなの?ま、いいわ。ところでウォルターは私の義理の兄の名前なの。ウォリーといってね。家に来たときには間違ってウォリーと呼んでしまうかも知れないわね。ウォリー、ウォリーなんてね。」
(私: むかっ)
「ところであなた達が帰った後本で調べたのだけど、その犬、かなりコートの世話が大変なようね。」

言葉のとげを何気にそのままにしてまくしたてる彼女に私はむちゃむちゃ腹が立ってきた。

「いいえ。覚えてます?私は以前この犬種を飼っていたっていいましたよね。一日一回のブラッシングだけで全く問題ないですよ。いい犬ですっ。」

とりあえず形だけは平和に会話を終え電話を切った後、全身に怒りがみなぎった。
なんだったんだあれは?

3分おきに怒りの叫びをあげつつ、ヴェルディのオペラをものすごいボリュームでかけながら夕飯を作った。(ハドックにおろしガーリック+マヨネーズを塗って、レモンとパン粉とパセリを混ぜたものを上にかけ、チェリートマトをトレーに散らしてオーブンで焼く。美味。)

子ども達がでっかくなってもいまだに物事にinvolveされたい、そしてされないとすねるマザリーの権化の義理ママ。限られた人間以外には私事に踏み込まれたくない母性本能が欠落した超プライベート人間の私。

二人は両極端に違うんだから怒っても仕方ないよ、という旦那に、(わかっちゃいるが)その晩は牙を剥きふて寝した。
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by uk_alien | 2006-05-18 20:05 | family
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一日中通訳クラスのリサーチをしていて頭がうに状態になった夕方、電話が2本立て続けになった。

一本目は若い姉ちゃん。
「ハロー、イズザット うーーー、あーーー(私の名前を発音しようとしている)」
「そうだよーん」と明るく答えると、フィットネス・ジムからだった。

「まだXX会社に勤めているのかの確認で~す」

やばい。実は私は辞めた会社の福利厚生ディールをキャンセルせずに、引き続き月15ポンド引きで払っていた(せこい)。この辞めた会社は信じられないくらいに途方も無くでかい会社で内部のアドミンもHRも、ものすごくイギリス的=ずさんな状態だった。更にこのジムも結構いい加減だったので「数年は誰も気づくまい...」とたかをくくっていたのだ。

はっきりきかれると、はっきり嘘がつけない日本人。
「あ、その会社はもう辞めました」と答えてしまった。
「いつですか?」
「さ...三月だったかな~」(本当はもっと前...まだせこい。)

あほー!あほー...あほー...(エコー)
切った後、差額を請求される前にとんずらしよう、と誓った。

二本目はブリーダーのおばちゃん。
「ウォルターとフロードー(唯一の兄弟)がもうカドルしあちゃって本当にスイートなの。カドリーなトイは買ってある?大きすぎず、小さすぎず。彼はそれが必要だわ。離れ離れになったらきっとショッキングだと思うのよ。二匹ともすっごく静かで...、あら、考えてみたらウォルターの方は本当に静かだわ。ご飯の催促のときもいつもフロードーだけだわ、騒ぐのは。ウォルターはもう本当にスイートなのよーーーー」と一気にまくしたてた。

今週の土曜に引き取りに行く予定なのだが、土曜日が迫ってきて、抱き合って眠る二匹の仔犬を見て「ハウ・スイート!こりゃー、ぬいぐるみが必要だっ!早速引き取り手に伝えなきゃっ!」と血相を変えたに違いない。ジムからの電話のおかげで私の頭の中ではまだ脳みそが汗をかいていたが、彼女に既にいくつかぬいぐるみを入手してあることを伝え、「そうねー、ウォルターがさびしくならないようにしなくっちゃー、ホントに土曜日がまちどーしくってーーー」とテンションを合わせた。

電話を切って、明日早速ジムの退会をしてこようと決めて一息ついたとたんに急に土曜日が本当に待ち遠しくなった。
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by uk_alien | 2006-05-17 03:01 | animals

だから好きなのさ

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月曜はいつもの家事の日。しゅらしゅらしゅらしゅらしゅらしゅらら~。
昨日草むしりをいやってほどしたので体が拒否反応を起こし、お風呂&一階のトイレ掃除を残してしまった。時間を見つけて後でやろう。

さて、サンルーム曇りガラス条件撤去の最後の手段としての2mの高さのレンガの壁。週末によーく、よーく考えてみたらやっぱり厚すぎる、ということに気がついた。2mの高さだから最低でもレンガの縦の長さの厚さが必要だし、もしかするとそれ以上、そしてサポートの柱は恐らく40cm近くになってしまうだろう。隣境とサンルームの距離は80cm。

植物を植えるスペースはほとんど無く、なによりウェストが気になるうちの旦那は壁の柱とサンルームの間を通り抜けられないるのがやっとくらい、になってしまう。

だめだこりゃ。

最初っから気づけよな、だ。しゅん。

「メーカーが好意で(そしてタダで)アメンド作ってくれてるのに、いまさら変えてなんて言えない...」と気が引けたが、ここはイギリス。結構ごめんで済んでしまう国。メーカーの担当に、「てなわけで、そちらで差し障りなかったら、カウンシルへのアメンドメント、ブリック・ウォールじゃなく7ftの木のパネル・フェンスに変えて送ってもらえないかな~、ごめんね~、かしこ」とメールを送ったら、「連絡ありがとう。パネル・フェンスで図面を作ってもらえるよう担当部署に依頼したから、カウンシルに送るときにコピーをそっちにも送るね。りがーず」との返答。

やった。だからイギリスって好きさ。(だからみんないい加減になる、という話はこの際脇においておいて...)

これでだめなら曇りガラスだ。そのときのためにどれにするかも決めた。
どっちに転んでも悔いはないぞ、と。
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by uk_alien | 2006-05-16 02:57 | conservatory

今日はめでたし

多国籍でにぎわう通訳のクラスで、だんだんルースな仲良しグループがまとまってきた。

①おちゃらけラテンチーム
やかましイタリアおかん
フレンチ・タート
はらひれポーチュギーズ
典型ラテン・ボーイ(国籍不明-アラビックとスパニッシュを話す)

②しっとりおばちゃん&トイ・ボーイチーム
オリエンタルだよジャパニーズ
ケアリング・インディアン・レディー
クワイエット・スーダニーズ・レディー
話とまらぬメキシカン・ボーイ

③不思議にまとまる英語がちょっとだめチーム
イタリアン・マフィアおじさん
強烈なまりのベトナミーズ姉さん

今のところ、
ソマリアン・ガール
グッドルッキングロシアン・ボーイ
クールなターキッシュ娘
東欧アイリッシュ姉さん
ギグリング・モロッカン・マミー
の所属が不明。

さて、話かわって、dyslexia失読症やlearning difficultiesという言葉はきいたことがあったが、実際今までこれがそうか、という例はお目にかかったことがなかった。

ケアリング・インディアン・レディーいわく、彼女は「文章を読んでも覚えていられず、理解するのに何度も読み直さなければいけない」そうだ。そして、複雑なことを早く説明されるとついていけず、ノートもとれない。

実際、隣に座っていて彼女の英語や知性に問題がないのはよくわかる。ただ、多くの情報を受け取ったときにそれを概念に素早く纏めて処理/理解が出来ないため、すぐに頭がパンクしてしまうのだ。こうした能力はクラスで学習していく上では必要不可欠なため、その部分へのサポートが得られないとどんどん遅れていってしまう。反面、その部分のサポートさえ得られれば、人並みか人並み以上に能力が発揮できる、というものだ。

実をいうと、私は「learning difficultiesなんていうけど、要は勉強が出来ない子のためのていのいい言い訳でしょう?」と思っていた。ignorantとはこういうことをいうのだよな、と自戒。説明しにくいが、IQとEQがなぜ知性を観察する別々の視点としてそれぞれ存在するのかを垣間見た気がした。

私も多くの能力が欠落しているが、日本の講義中心スタイル教育のおかげでこの程度の情報量ならば普通にこなせるから、クラスの後に時間をとって、ノートをコピーさせてあげた。特に重要な情報ではないし、私のへび字が彼女に読めるかどうかは疑問だが、安心材料というものだ。そして重要なのが、彼女が完璧にパンクしてしまった、コースの最後に提出しなければいけない3つのワークうちの一つ、バイリンガル専門用語集を作成する上でのrequirementsを詳しく説明し直した。

詳しく説明しなければいけないと、自分がわからない部分が見えてくる。チューターに確認してクリアになって一石二鳥となった。

ということで今日はめでたし、めでたしの異文化体験。
そうしている間にも、最終提出課題のワークはどんどん切羽詰ってくる...。
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by uk_alien | 2006-05-14 06:31 | english

気持ちよいよい

春咲きのクレマチスが咲いた。
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ここに座ってもう動きたくない。
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by uk_alien | 2006-05-11 23:41 | garden

決めたっ

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今日は午前中は庭いじりに徹底することにしたんだっ。勉強は午後から。
写真は即席コンポスト・ビンの角で丸くなっている兄猫。日向ぼっこして平和そうに見えるが、恐らく木に止まっている鳥を見ながら舌なめずりしているに違いない...。
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by uk_alien | 2006-05-11 16:18 | garden

バトルは続く

サンルーム増築にあたって我家、隣家、そしてカウンシルのバトルがもう一年越しで繰り広げられている。しかし、それもあとちょっと。

曇りガラスの条件をとっぱらうために、カウンシルの担当者の忠告に従ってレターも送った。後は、サンルームから80cm離れた隣家との境のフェンスを
①2mのブロック塀にするか、
②2m10の木のパネルフェンスにするか
どちらかの最終決定を待つのみ、のはずだった。

...こない。
2週間たって返答を催促すると、担当者からとっても謝罪がちな返信メールがきた。

「忙しいの。ごめんなさい。でもイースター明けには必ず①か②かの返答をするわ。」

更に1週間待つ。...なしのつぶて。

メーカーもさすがにいらだって催促に入った。我家からもカウンシルに再度催促を入れた。
すると、ついに担当者からメールで返答が来た。

「上司に話したら、この場合レターとかじゃだめで、最初っから新しいフルの建築申請を手数料の135ポンドと一緒に提出して頂かないと、決定されたコンディションは外せない決まりになってるといわれたの。私そうだって知らなくってー。お返事遅れてごめんなさいね。かしこ。」



ふ....

ふざけるなーーーーーーーーー!!

この回答をするのに3週間かい?このぼけが!

ああ、本当に頭にきた。どうしてこの国の奴らは簡単な仕事すらも出来ないんだろう?I wasn't aware of the procedureだと?あほか、おのれは。Idiot, idiot, IDIOT!

非常に辛抱強いメーカーもこれには腹を立てて、無料でプランニングアプリケーションのアメンドメントを送ると言ってくれた。しかし、私はこのメーカー(Amdega)の本部の申請課も既に信用していない。計画の段階で、控訴の段階で、そして再申請の段階で「we know what we are doing」といい続けてきたが、それが本当ならとっくのとうにサンルームの2個や3個は建っちゃってるというものだ。一ヶ月後にケースをリオープンしたカウンシルから、「アメンドメントじゃだめなんだよね~、フル申請じゃないと」と言われるのが関の山。

ケーキを注文するのに「これとあれとそれ、あとね、あっちのをつけて」という注文にとっさに応じられる日本人の売り場担当者と、「これと...」といわれて「これ」をとってきて、「あれと」といわれて「あれ」をとってきて「anything else?」ときいて「あとそれも、そしてあっちのををつけて」といわれたら「それ」をとってきて「あっちの」をつけてくるのを忘れるイギリスの売り場担当者。

これがオフィスワークにも見事なくらい反映されている。どいつも、こいつも...。

メーカーにはアメンドメントは出すだけ出してもらって、私はどの曇りガラスにするか覚悟を決めて選んでおこう。その間、銀行に眠るファンドで利子を稼ぐ一方、カウンシルにはうらみつらみのコンプレインのレターを送りつけるつもりだ。
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by uk_alien | 2006-05-10 22:21 | conservatory

明るい異文化体験

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3ぱいんとさんの言葉を借りれば「熱い血」のクラスメートがこぞり合う中、二回目の通訳クラス。

お互い気が知れてきた、というのもあって彼らの熱い血が語り出すことが多くなった。そして彼らは語りだすと止まらない。元気な時なら、これも国民性の違いよね、と涼しい顔をしていられるが、今回私は朝から疲れていたし、熱いのか寒いのかわからないような陽気で具合もイマイチだった。

イタリア人のおかんが授業の最中に何から何にまで大声で口をはさむ。「私はさ~、思うんだけどね~(風邪をひいたドラえもんの声で)。」そこにすかさずポルトガル人のおちゃらか男の一オクターブ高すぎる声のちゃちゃが入る。一方、歳のいったフレンチ・タートは隣のベトナム娘をあからさまに無視し、反対隣のメキシカン・ボーイに熱いまなざしを送りつつ、すかさず話しかけるチャンスを伺うが、そのメキシカン・ボーイが話しているジャパニーズはどうやら彼女にとってはトランスペアレントらしい。

たまらん、と思いつつも午前中を乗り切り、お昼はメキシカン・ボーイの「身障者のための車のベネフィットのシステムがどのように機能しているか」という興味深い話で盛り上がった。一息ついて、私のお気に入りの静かながら理知的なスーダニーズの女性と話をしていると、別の曜日のクラスから私達のクラスにその日初めて移ってきたソマリアン・ガールが「20ポンド札、くずれない?」と声をかけてきた。

実は財布の中には1ポンドもなかった私と、もっと真っ当だが本当にくずせるだけの分を持っていないのだろうそのスーダニーズの女性は共ににっこり笑って「I'm afraid, no」。それに答えて、「え、じゃあ、小銭もってない?XXを買いたくって...」とソマリアン・ガール。「小銭」と言われて、ほぼ反射的に断った私だったが(どのみち小銭が私の全財産)、スーダニーズの女性は静かに財布を取り出して「50pならあるわ」と渡した。「50pでいいのよ、ありがとう」と受け取ると、ソマリアン・ガールはさっさとどこかへ行ってしまった。

こうした「他人のお金」に関する価値観とリスペクトの個人間、文化間の違いは気持ちのいいものではない。特に体調が悪く、異文化に対する耐性がどっぷり低くなっているときにこうしたことが目の前で起こると、私は一気に視野の狭い人になる。

「道端じゃないんだから、やめてくんない?」という冷たい言葉が頭をよぎり、「だからあなた達は」とステレオタイピングに陥った後、「社会にによってはこうした行為は十分許容範囲内のもの」と頭で納得して、疲労感が倍増した。

通訳のロールプレーを気安く買って出たモロッカン・トーキング・マシーンの、舞い上がった挙句の永遠に止まらぬヒステリックなギグルに歯を食いしばり、やっとの思いで午後の授業を終え、最後にもう一度フレンチ・タートの軽いジャブをかまされて帰る頃には「異文化耐性の高い明るく健全な社会」への理想は私の頭からはすっかり消し飛んで、目を釣りあがらせてハンドルを握る怒りのオリエンタルと化していた。

気を取り直して、そういうときには美味しいジャパニーズ。残りご飯で昆布雑炊を作り、焼いたさばの燻製とオクラの輪切りに醤油をたらし、ごまを散らして仕上げにごま油をさっとかけた。

異文化体験などと一言で言うが、簡単ではない。負けないぞ、と思いつつ熱い雑炊をすすった。
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by uk_alien | 2006-05-09 01:05 | english