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執念のサーチ

1993年か1994年のある日、ロンドンのフラットでめずらしくTVをつけていた。

英語なんかよくわからないけど、時々こうしてふと思いついたようにスイッチを入れては、まずそうな料理番組や、信じられないくらいセンスの悪い色のパペットを使った子供向け番組などををぼんやりと観ていた。

このアニメーション作品を目にしたのはそんなふとした午後。

おじいさんと孫娘の話だった。彼らのやりとり、空想的な出来事、美しい庭などがやさしい水彩画のようなアニメーションで描かれていた。確かおじいさんは最後には亡くなってしまう...でもそうしたはかなさや悲しさも含めて、全体的に素晴らしい作品に出来上がっていた。「タイトルを最後にしっかり見ておかなくっちゃ」と思ったが、知る人ぞ知る、最後に自分が見ていた作品が何だったのかを知ることほど難しいことはない。特に外国語でなんかお手上げだ。しかし私には「この作者はSnowmanやWhen the wind blowsの作者と同一人物に違いない」という絶対的な確信があった。ということは再び観たければすぐに調べられるはず、とたかをくくった。

そう固く信じて疑わず、あれから12年後の今日、いまだ親友付き合いのもと旦那への誕生日プレゼントに是非あの作品を送ってあげたい、と思った。早速Snowmanの作者、Raymond Briggsの作品リストを調べ、愕然とする。

ない。彼の作品じゃない。

二度と思い出せないもの、手に出来ないもの、会えない人、行けない場所、みれないものなど人生にはごまんとあることはわかっている。わかっているけれど、どうしても過去の海に沈めてしまうことが出来ない記憶のかけらといものはやはりあるものだ。それがいつでも思い出せると信じていたときはなおさら。

思いつくありとあらゆるキーワードでネット検索した。12年前の記憶を掘り起こす。あの庭の描き方、絶対にBritishに違いない。animation...TV番組だったのだろうか、映画だったのだろうか...確か映画に比べて短かった気がする...short filmと呼ばれるカテゴリーもあるのか...Channel 4が以前アニメーション作品をプロモートしていたときがあった...Snowmanもその一環だった...でも作品リストなんか見つからない...。

タメイキ。

自分だったらどういうタイトルをつけただろう。"Me and My Grandpa"とか"My Grandpa's Garden"とか"My Grandpa"とか...。"Grandpa's Death"はないよな、いくらなんでも、やっぱし。これでもない、あれでもない。みつからない、みつからない。

そういう思考をぐるぐるぐるぐるたどりながら最後にふと気がついたのが「GrandpaってGranpaとも綴るのね」という単純なトリック。

そのおかげでたどり着いた"Granpa"
ストーリーやレビューを読んで確信する。
これだ。これこれ!見つけたっ!

いやはや感激の涙。

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DVDなど出ておらずVHSなのでとりあえずもと旦那へはamazon.co.jpを通してオリジナルの絵本を贈ってあげた。こちらでビデオを買っていつかDVDに落として日本に送ってあげよう。
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by uk_alien | 2006-11-30 02:48 | film

悪戦苦闘

コンサーバトリー建設もいよいよ終盤。

シャンペンでも用意してわくわくしたいところだが、追いかける必要のある細かな問題が沢山あり、心は地の底。

中でも、一番気になるのはドアの枠の水漏れ。恐らく外側のシーリングが完璧でないために、雨水が枠をつたって内側へ入りこみ、木枠を湿らせている。こういうのは放っておくと数年で木材が腐り、そうなるとコンサーバトリーの構造上、上側の屋根から四方の窓まで全てを取り去ってその部分を修理しなければならなくなる可能性もある。

義理ママのケースがまさにそうだった。コンサーバトリーを建ててからたった6年後に支柱の根元部分(低い煉瓦の壁のちょうど上)が腐っていることがわかった。保障期間は5年間。通常であれば、保障期間が過ぎているといっても明らかに彼女の落ち度ではないので何とかなりそうな話だったのだが、彼女が頼んだのは地元の小さな会社。しかもその6年間の間にビジネスをたたんでしまっていた。ソリシターを使っていろいろ手をつくしたのだが、結局どうすることも出来ず結局2万数千ポンドの自腹を切って上側だけ新しく建て直している。

冗談じゃない。今から6年後にまた新しいのを建てるお金なんかない!フィッターでもビルダーでも誰でもいいからとにかく呼び戻してなんとかさせるまではおちおち眠れない気持ちがおわかりいただけるだろう。

その他にも、思いっきり閉めないと閉まらないフレンチドア、差し込みが合ってないドアのボルト、「うっかり」忘れられてぽっかりあいたままになっている壁の穴(放っておくとふきっさらしなので現在新聞紙がつめてある 泣)、壊されたパティオの石の修理、エレクトリッシャンが破壊したプラスター部分の修理をするための左官屋&ペインター、ビルダーになくされた真鍮のフックの再入手...等々、等々。

頭が痛い。

年末へ向け最終プッシュを始めた私は今朝メーカーにemailを送信。こういう件数の多い問題は書面で責めていかないと話にならない。特にイギリス人は。

送信ボタンを押して一息つき、表に出たがる犬を庭に出す。いつも通り真鍮のハンドルをしっかり握ってフレンチドアをばたんとしめる...


ぼきっ


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え?


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もう、負けそう...。
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by uk_alien | 2006-11-29 02:14 | conservatory

チキンなもくろみ

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ずっと以前にOmletのチラシを見て惹かれたことがあった。

「街中の自宅の庭で雌鳥を気軽に飼育し、新鮮な自家製卵を」というコンセプトで4人の当時工業デザインの学生が卒業プロジェクトで作り上げた、iMacスタイルのチキン、チキンラン&チキンハウスのオールインワンプロダクト。

その頃はまだフルタイムで仕事をしていたし、実際に自分で飼ってみようとは思わなかったのだが、先日向かいのおばちゃんとの話でニワトリの話題が上って以来、どうもそのことが頭から離れない。

「掃除も簡単そうだし、これなら世話が出来るかも」と思ったり、「いやいや、このデザインはちょっとtowny townyしすぎる。やはりそれなにスペースを設けて木製の小屋を入手して、ついでに数羽飼っちゃって...」と志を大きくしたり。

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それでもレジデンツとアコモデーションをあわせると400ポンドくらいの初期投資になる。餌や水やり、掃除などの世話に加え、定期的に庭を自由に歩かせてやらなければいけないし、そのときには狐にやられないようしっかり見張ってなくてはならない。また、庭の芝や植物へのダメッジもあるだろう。それに、週末の外泊くらいならともかくホリデーとなると餌をあげてくれる人を手配する必要がある。うーん、やはり簡単には踏み切れない。

でも自宅の庭でオーガニックの生みたて卵。初年で一羽平均300個、それから後は年間約280個。二羽だったらそれが倍になる。

美味しそうな目玉焼きやオムレツを想像し、来年の春には...な~んて思いながらちょっとわくわくしている。
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by uk_alien | 2006-11-27 21:22 | animals

雨の午後

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土曜の午後は真っ暗。これがまだ4時だと誰が思うだろう?

まだ完成していないコンサーバトリーだけど、家具達がリビングルームを占領しているのでとりあえず入れ込んで並べてみることにした。

実は中古の家具をオークションで買ったことで家具予算が大分浮き、異文化適応を言い訳に貯蓄の美徳をすっかり頭の隅に追いやっている私は、その分全てをベルギー製のペアのアンティークランプに注ぎ込んでいた。

ランプテーブルは自分達で作るか、安いのにちょっと手を入れてなんとかしようかと思っているのでとりあえずウィンドーレッジにのせる。写真にするとまるでショールームみたい。勿論これは写真のトリックなのだけど、ちょっと雰囲気がいい感じ。(4時に既にグラスにワインがつがれているのはなぜだという疑問はさておき...)

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イギリスで北向き、東向きのお宅にお住まいの方にはよくおわかり頂けると思うが、冬は家の中がしゃれにならないくらい暗くなる。スタディーのある我家の二階は窓も小さく真っ暗。昼間っからデスクランプをつけて机に向かうのはあまりに悲しいのでコンサーバトリーにちょっとした机が欲しいと思った。

使うときだけ出してくる折りたたみのテーブルや、IKEAのグラストップのデスクなどいろいろ考えたけど、やっぱりウィンドーレッジのコーナーに三角の板を乗せて机にするのが一番目立たず低予算でいけそうだ。

普通に椅子達をセンターに向けるsitting room風のアレンジと比べると、少し雰囲気が変わるけど、これはこれでいけそう。実用的だし、とりあえずこの線で暫くいってみようかなと思った。気に入ったら本格的に板を買ってきて塗装しよう。
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by uk_alien | 2006-11-26 18:40 | conservatory

にわかITヘルプデスク

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向かいのおばちゃんがAntivirusのソフトウェアをMcAfeeからAVGに変えたいけど変え方がよくわからないから助けてくれないか、という。そんなわけで金曜はにわかIT。

私だってPC関係にとても詳しいわけじゃないから一応AVGに関して事前にチェックした。彼女は知り合いに「フリービーだけどいいよ」と勧められたらしい。確かによさそうな評判なので試しに私もダウンロードしてAntivirusの機能だけ、重くて遅いノートンからAVGに切り替えてみた。ネットサーフィンやアプリケーションの立ち上げがノートンより目に見えてスムースになった。

おばちゃんのコンピューターはダイヤルアップだからファイルのダウンロードに数時間かかる。「戻ってきてAVGのインストールとMcAfeeのアンインストールをしようか?」と申し出たら、どうやら自分でやってみたいよう。

そういう人大好き、と思ってステップバイステップでどこをクリックするか指定してそれぞれのステップをメモした。ついでに彼女のリクエストでCドライブからデータドライブへのファイルの移し方を説明。

「そういえば例のお宅のお隣さん、この間話をしたら今度は新しく庭にパティオを作るっていきまいてたよ。パティオだから別段お宅には害はないと思うけど。それとお宅とは反対隣の雄鶏の鳴き声にまた文句をさんざんたれてた。うるさくて眠ってられないって。"雄鶏が鳴く時間ってことは既に起きてるべき時間なんじゃないの?"といっといてやったよ。ニワトリの声がいやならカントリーサイドになんか来なきゃいいのにね、まったく」

情報は金なり。

こうしてヘルプサービスへの支払いはしっかり受け、「うまくいかないようだったらまた一緒にやろう」といって別れた。

家に帰って、隣のビッチへの夜明けのcock-a-doodle-dooステレオ攻撃を想像し、ふと「家もニワトリ飼おうかな...」と真剣に考えた。
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by uk_alien | 2006-11-25 21:57 | neighbours

タイリング終了

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タイリングは予定通り二日間で終わった。予想した通り完璧な、美しい仕上がり。

タイラーのメリックは私の職人さん/ビルダー、そして黒人のステレオタイプを超越した存在だった。

どの人種もそうだけど、同じ出身、肌の色の輪の中から出ない黒人は多く、イギリス生まれでもアクセントをきけば(パブリックスクール/オックスブリッジアクセントを身につけた連中は除いて)一発で黒人と察しがつく。メリックは9歳の時にジャメイカから移住してきたそうだが訛りはない。イントネーションやマナリズムも典型的な黒人のものではない。電話の声ではすっかり白人を想像していたので会って驚いたのを覚えている。

私が「知り合いに父親がジャメイカンブラックで母親がイングリッシュホワイトのハーフの男性がいるけど、彼はいわれなければ完璧に見かけホワイトなんだ。そういうこともあるんだね」というと、それはジャメイカの奴隷制度時代のブリーディング・プラクティスの結果なのだとメリックはいう。倫理や人権なんてものはなかった当時は、ブラックは文字通り牛馬のように目的に沿って「交配」されていた。色の白っぽいのは館に近く、黒っぽいのはフィールドへ、力の強そうな者、見栄えのいい者などを「かけあわせ」たり「手をつけたり」して「ブリーディング」していたのだそうだ。

「自然に男女が好き合って子どもを作るなんてことはまずなかった。結果としてインターブリーディングが進み、いまだにそのツケがが黒人を苦しめている。知ってる?いまだにイギリスでもブラックの間では遺伝病、例えば精神障害や肝臓、腎臓などの障害がはびこって人々を苦しめているんだ。彼らは心臓病でなんか死なない。肝機能や腎機能の障害で死ぬんだ。こうした歴史を背景に黒人達の中には所謂"集団としての怒り(collective anger)"が存在し、それに由来して"怒る理由(reason to get angry)"があるということが彼らの文化の一面を形成している。黒人同士が集まれば他の文化がそうであるように、その怒りが個人のものとして吸収される。僕はそうした歴史があったことは事実として認めるけどそうした怒りとは距離を置くことにしたのさ。人種の話なんかし始めたら...僕の奥さんは対極、ジャーマンだからね。」

地球のどこから来たかによっては絶対に耳にしないような話だけどね、と笑うメリックを前に、私は自分の無知を恥じ入るより、そうしたことを理路整然と客観的に説明出来る彼を心から尊敬し、家族の話、戦争責任の話、イラクの話、ワインの話、ガーデニングの話などを楽しんだ。

メリックの家族は南フランスに大きなmanor houseを持っていて年に一、二回家族で遊びに行くのだそうだ。ジャーマンの奥さんはセカンダリースクールでドイツ語とフランス語を教えているらしく、休暇が長い。メリックはフリーだからスケジュールを調整すれば家族で過ごす時間はたっぷりある。

「ワインは地元のChateauneuf du papeなんかを若いうちに安く買って5年くらい寝かせておくんだ。」

彼はラッキーなのだそうだ。自分と同じような出身の連中は、どうしても似た物同士で固まって世界が小さくなってしまう。彼はそれはいやだから、オープンに、でも性分のいい仲間を選んで付き合って人生を楽しんでいきたいのだそうだ。「フランスへの移住も考えたけど、ムスリムはフランスだと纏めて一つにくくられ隅に追いやられるからね。自分にとってはイギリスの方が暮らしやすい」

それでもこじんまりしたvineyardを手に入れて、自分のワインを作るのが夢なのだそうだ。自家製ワインをついだグラスを傾け、南フランスの夕日に満足げに目を細めてprivateな幸福を楽しむメリックの姿は容易に想像できる。

キャッシュで支払いを済ませた後、もう恥ずかしくて穴に入りたいくらいの「フツー」なワインをお礼に差し出した。メリックは笑いながら「ワインが大好きだからって"connoisseur"って訳じゃないよ。I'm just a humble tiler!」といって笑って18年物のメルセデスのバンを運転し、帰って行った。
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by uk_alien | 2006-11-24 04:47 | conservatory

憩いのひと時

多忙な一日を終え、それぞれお決まりの憩いの場所へ。

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たまたまそのお決まりの場所はみんな同じスポット。
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by uk_alien | 2006-11-23 17:41 | animals

大福な幸福

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ぽめさんちで目にして以来、頭から離れなかった大福がついに完成。
あんこはここの、おもち部分はここのレシピを使用。小豆を煮るときに重曹入れるのを忘れてしまったがまあまあの出来。あんこは二つのタッパーに分けて冷凍した。

普通に大福でとても幸福。

写真だと片栗粉が妙に白く光っててあやしい。もっとはたいてあげればよかったかな。
確かに和菓子本のいうように、あんをつくるときに水飴を入れるともっと甘みがまったりしていいかもしれない。
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by uk_alien | 2006-11-23 07:03 | food

自家製冬野菜

「にんじんの失敗もあるし、根野菜はうまく育たないよ」と止めたのだが、「それでもチャレンジ!」と旦那が沢山植えた大根。見事に育った。

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大根本体は最寄のテスコでも買えるのだが、葉っぱはついてこない。葉をつけておくと根の養分を吸収してしまうので早い段階で切り取られてしまうのだそうだ。どうやら日本でも状況は同じよう。

葉の部分は浅漬けにしておいてお茶漬けで食べるととてもなつかしいおふくろの味になる。二本分一気に刻んで塩と醤油とお酢に漬け、大きなボールごと冷蔵庫に保存。チャーハンにしたり野菜炒めに入れたりして徐々に使っていく。ふと自分の姿が記憶の中の母の姿と重る。

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本体は虫食いを取り除き、大きく切ってミートボールと一緒に煮た。最初に水だけで煮ると肉の味が大根にすぅっと入り込み、仕上げにほんのちょっとだしとお醤油とみりんの味付けをするだけで大根の風味がとてもひきたつやさしい味に仕上がる。

旦那に「ちょっと味付けが弱いんじゃない?」と気を使ってきくと、「ううん、大根の味が味わえて美味しい」との返答。感心、感心。
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by uk_alien | 2006-11-23 02:54 | food

あんこの副産物

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タイラーが入っているので全く外出できないハウス・バウンド状態。
あずきを煮るかたわら夏の終わりからたまってるシャツをアイロンしたり、なんだり...。

とりあえず作成中のあんこの副産物(?)、おしるこを楽しむ。
おもちはないので例のGlutinous Rice Flourを使ってにわか白玉でいただく。

初めて自分で作ったおしるこ。
おいしい。

ほっ。

ちょっと感激。
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by uk_alien | 2006-11-22 00:12 | food