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戦況はいかに

昨夜、旦那がいやいや隣家のドアをノックした。翌日、フェンス会社の職人達が戻ってくるのでそれを伝えるためだった。

風呂から出たばかりですっぽんぽんのご主人は前を服で隠しながら、

■  「コテッジ」には独特のフェンスの高さの制限がある。2mは高すぎるはず
■  このプロパティーそのものに、「両家のフロント部分はお互いフリーアクセスにしておかなければいけない」という制限があり、フェンスを建てることはそれに違反している

という。会話がなされている間中、ビッチは二階の階段の踊り場からずっと「We don't believe you, you LIAR!」等々、頭の悪いティーンエイジガールさながらに、お経のような罵倒を繰り返していた。

さて、私たちの家はlisted propertyじゃないし、ここはconservation areaでもない。イギリスに「コテッジ」というカテゴリーがあるなど聞いたことはないから、フェンスの高さの規則には100%確信がある。しかし、以前我家を所有していた彼らに「この家には独特の制限がある」と言われると自身がゆらぐ。

「Deedsをモーゲッジを借りてる銀行から取り寄せなきゃだめかな...手数料いくらだろう...どれくらい早く取り寄せられるかな...取り寄せても読んでわかるかな...」と私が一人でくらくらしていると、「ちょっと上に行ってDeedsのコピーを探してくる」と旦那がいう。え、コピーがあるの?

「見つけたー!我ながらすばらしいファイリング!」と喜び勇んで屋根裏から降りてきた旦那に「あったんならなんで最初っから出さないの!」とは言えず。

早速文面をチェックし、恐らく隣家はこのことを誤解しているのではないか、と思われる箇所を見つけた: 'Included Access Roadに関してはお金を出し合ってメンテしてね'

「なに、このIncluded Access Roadって?」と旦那にきくと、「これは一軒以上の家で共有するドライブウェイやなんかを指す表現で、その部分の共同メンテを義務付けるためのスタンダードな表現がこの項目なんだ。でも、それが何を意味していようと、どういう解釈が可能であろうと、この注意書きを見て」と指差す。そこにはNote 1: - The Included Acces Road referred to above does not fall within this title(上記記載は本物件には該当せず)とある。

更に、別の箇所には「北側と東側にはフェンスを保ち、それを維持するべし」とある。...フェンスを建てちゃいけないどころか、建てなくちゃいけないんでないの。

その他に怪しげな箇所は一切ない。

We are safe.

翌朝、私が12歳のフレンチガールズを車に乗せていると、隣のご主人が出てきて「お宅のご主人は在宅か?紐を張って確認したら、やっぱりフェンスの柱の一本が家の土地に分け入っている」という。旦那を呼んで、子ども達を送り届け、家に戻ると既にフェンス会社のワークメンも到着していた。

旦那に、「彼との話し合いはどうだったの?」ときくと、問題の柱の件に関しては、実際穴を掘って柱を建てたワークマンが、二本の水道管の真ん中に立てたことをはっきり証言してくれたという。つまりこの柱は境界線の真上に立っているということ。紐を張ってみると、確かにこの柱だけが12cmx12cmの太さのうち、4cm分彼らの土地に入っている。それが非合法かどうか...これはカウンシルレベルではなく、ソリシターを巻き込むレベルの話。

更に、不要な争いを避けるために我家のDeedsを彼に見せて、'Included Access Road'の維持の義務はこのプロパティーには存在しないこと、問題の境界にフェンスを建てて維持することは私たちの義務だと記されていることを証明した。(隣家のDeedsは彼らのソリシターが預かっており、コピーは手元にないそうだ。)

そうして、フェンスは一番高いところで199cmという高さに削られた。

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                      ↓ こんな感じ
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(こうして客観的な図にしてみると、たったこれだけのことで、という感が強まる...)

来週の月曜には彼らが苦情を申し立てて呼びよせた、カウンシルからのEnforcement Officerが訪問してくる予定。問題はないはず。

あとは彼らが4cm分の柱の割り込みに関し、ソリシターを雇って抗争に持ち込むかどうか、というところか。私は否と見ている。
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by uk_alien | 2008-05-30 03:44 | neighbours

頭の中の会話

(いや、ついに頭の中で声が聞こえるレベルにいっちゃった、というのではなく...)

最近、ちょっと気付いたことがある。

Nice Factor: the art of saying NOの中に、

他人のことを思いやりがちな人は、交わした会話を頭の中で何度も再生して、自分の発言がどうとられたか、相手の発言がどういうニュアンスでなされたのかを無意識に考え続ける傾向が見られる。また、実際あった会話を思い出すだけでなく、正しくはこうあるべきだ、とか、こう言えばよかったのだ、こう言ってやりたい、等々、架空の会話をいつまでも頭の中で続けることで、自分ではアンテナを張って次回起こる同じような場面に対して準備しているつもりが、そうすることで自分を疲弊させ、実際には同じような場面に遭遇したときでも、自然で直感的/瞬発的な対応は妨げられ、採択しえる反応の選択肢を自ら制限してしまう

といった内容が書かれていた。

「私、これそのものじゃん...」と思っていたら、先日厩舎の連中と派手にもめた向かいのおばちゃんが、

「厩舎に行く度に、気がつくと自分の頭の中で延々と会話してるんだよ。くりかえし、くりかえし嫌なことを言われた会話をいつまでもいつまでもこねくり回して(churning)。で、結局知らず知らずのうちに自分ひとりでストレスを増幅させてるんだよね。でも止められない」

と笑う。そうか。大なり小なり皆同じなんだ。

今回の隣家との騒動後、最初の晩は、夢を見ても起きていてもこの状態が続いていた。2日目くらいになると、メタ思考する余裕が出来て、寝てても起きてても「あ、また頭の中で会話を始めた!」「お、まただ!」「あ、あ、あー。まただ、ストップ」と、会話が湧いてくること自体は止められないにしても、気付いた段階でストップすることが出来るようになった。これが、すごく楽。「ストップ。言いたいことを用意したり考えたりするのではなくて、その場で言いたいことを言えばいいんだから」と自分に説く。

こういう思考パターンを習慣化して、更に、言いたいことを言いたい相手に言いたいその場で(社会的に受け入れられる範囲で)伝えられるようになったら、人生がすこぶる楽になりそうだ。もし言い切れなくて悔しい思いをしたとしても、<少なくともその場で言おうとした/切り出した/少しでも言葉に出来た>事実は、事後の<言わなかった/言えなかった>形のないフラストレーションに比べれば月とすっぽん。

人生、学ぶことはまだまだ沢山あるのね...。

何を言っているのか皆目わからない、という方はご容赦。
そんなことはいつもやっている、という方には拍手。
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by uk_alien | 2008-05-29 01:10 | just a thought

まだまだ続く

旦那が朝一にカウンシルに連絡を入れてくれ、道路脇は1m以内、その他は2m以内というイギリス国内で統一されている規則を確認し、フェンス会社に連絡を入れ事情を話した。

フェンス会社は木曜の朝に、隣家のフェンスの修理と我家の2mより高くなっている部分を削る作業をしてくれることに同意してくれ、「事態は非常に繊細なので必ず私(旦那)立会いのもとで作業を進めてください」という要求も理解してくれた。(まだお金払ってないからこっちも強い。)

たかがフェンス。しかし、私と旦那、二人とも首から頭にかけて神経がピーンとはりつめ、寝不足、食欲不振と強度なストレスでかなりまいっている。単なる脅しだとはわかっていても、なんとなく身の危険を感じたり、フェンス越しやレターボックスから毒団子でも投げ込まれて犬猫に何かあったらと心配したり...

もっと穏便に...
近所とうまくやっていって...

という声が頭の中でかすかに響く。今回は合法でも私たち側が挑発したのは事実だ。

しかし、過去にどんなことをされた人間を相手にしているのかは重要な要素だし、私たちには私たちの理由や考え、そして権利がある。たとえ他人が傷ついても不快な思いをしても、自分のwants、needsを主張しなければいけない時はある。

なんとなく、世の中から戦争がなくならない理由がわかるような気がした。
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by uk_alien | 2008-05-28 01:22 | neighbours

2時間経って...

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先の茶番劇から2時間後。

空港で親戚をピックアップして帰ってきた我家の旦那を隣のご主人が呼びかける。
「Could we have a brief chat?」
速攻で親戚に挨拶、義理ママにお茶だし等をお願いし、私もジョインする。

彼らはこの2時間の間にフェンスのそこここを測りまくった後、インターネットでカウンシルの規則をチェックしたようだった。法的に何が許されているのかの知識を共有した上で隣家として冷静に話しが出来るのは悪いことではない。(先に事実チェックしろよな、と言いたい。)

「てめーら、絶対に許さねぇーからな、見てろよ」と私たちに向かって言い放つビッチを、家に押し込めた後、彼は、「彼女はこれまで住んできたところ、それぞれで様々なつらい経験をしてきているんです。それに楽しみにしていたこの2週間のポルトガルのホリデーは強風と寒さと雨でそれはそれは悲惨だったんです」と、彼女のabuseの言い訳をする。

既に別の知り合いからここ1~2週間のポルトガルの天気がどれだけ悲惨か聞いており、ひそかに天誅下ったり、とほくそえんでいた私だったが、「Oh, no, really? In Portugal? NOO!」と白々しく返答。

彼らの既存のフロントフェンスが傷つけられた、というので、旦那は「ダメッジのあるボード一枚(そんなに高くない)は新しいものを使って修繕します」と即座に返答。

「ドア脇に木のフェンスが一面に見えて圧迫感がある。コテッジーな見かけがなくなってしまった。一体どうしてこんなフェンスにしたんだ?反対側に使ったピケットをそのまま続けてくれればよかったのに」

というので、

「それは好みの違いであなたはそう思うかもしれない。でも、(我家の反対側の境界の隣家の6ftフェンスを指差し)あれと全く同じデザインですよね。だからそうしたんです」

と、私が反論した。

皮肉なのはこの反対側の隣家のフェンスは、10年前ビッチが我家と現在の彼女の家の両方のセミを所有し、我家側のセミに住んでいた際、当時の隣家と揉め事を続け、あてつけに建てられたものだった。歴史は繰り返す。

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「道路側の高さは規則に沿って1m。それが(公道/隣家のドライブウェイの視界をさえぎらないよう)十分な長さで続いています。ただ、(境界が道路から家にかけて斜面になっているので)家側の高さが2m20cmで規則を20cm違反しているのはわかっています。フェンス会社に指定と違うと苦情は入れてありますので、その分低くするのは一向に構いません」

彼は、「家から最初の柱までは2mの高さでOKだが、その柱から道路まで残り全ての部分は50cm~1mの高さに低くして欲しい」という。「あんた達の好みのフェンスをなんで我家が何千ポンドも払って立てなきゃいかんのよ」という叫びをぐっと飲み込み、あきれて言葉をなくしている旦那の反応は待たずに、私はすかさず切り返した。

「No, I'm sorry, but I don't agree. That's what you want. I agree to keep the fence within the legal height, so let's see what the Council says.」

"Get your 'no' in first"は最近学んだ重要な人生哲学。

こうして「カウンシルの結論を待つ」ということで我々のディスカッションはcivilisedに終わった。
バトルは続く。
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by uk_alien | 2008-05-26 20:19 | neighbours

イギリスドラマ

バンクホリデーウィークエンドの土曜日。

やくざの殴りこみを思わせる、ものすごい勢いのノッカーの音+こぶしでどかんどかんとフロントドアを叩く音がする。旦那がドアを開けたとたんにセミを分かつ隣家のビッチの口汚いののしりの叫び声が響いた。

「ホリデーから帰ってきて、フェンスを見て逆上したんだな」と思いつつ、旦那を一人で戦わせるわけにもいかないので、その場に居合わせた義理ママを家の中に残し、私も表に出た。

日焼けでしわしわになった醜い顔を犬のように歯をむき出して更に醜く歪ませ、目前20cmまで迫り、私の首元をはたいて、「殺し屋を雇って始末してやる(I'll put out a contract on you)」といった新鮮な英熟語を混ぜてくれつつ、ありとあらゆる罵りと脅し文句を並べ立ててくれた。

「私の分の土地を切り取った」「法定に訴えてやる」「こんなんんじゃここに雨水があふれてしまう」「家の外観が台無しになってしまった」云々と叫びつつ、泣くそぶりを見せたかと思えば、ヒステリーを起こして、2歳児のtantrum顔負けに「うぎゃーーーーーーーっ!」と叫ぶ。

すっかりドラマクイーン(Eastendersレベル)になりきっている彼女は、見ている分には面白いけれど話にならないので、きっぱり無視することにし、まだ理性を保っている彼女の旦那と息子に集中することにした。

まとめてみると、フェンスが隣の土地に分け入っている、高さが高すぎる、聞いていたフェンスと違う、フロント部分の両家間のフリーアクセスを保つことはDeedに書いてある、というのが彼らの言い分。

「斧(hatchet)で叩き壊してやる~!」と叫びながらビッチは家からパン生地などをこねるのし棒(rolling pin)を持ち出して来、フェンスをがんがん叩き出した。「警察を呼んで」と私にいう旦那の声で、ビッチの旦那は彼女を止めにかかり、のし棒を取り上げる。

とりあえず、彼らはカウンシルに苦情を申し立てるというで、それが一番と、まだ狂ったように叫んでいる彼女とその家族を残し私たちは退散した。

「人生はいろいろあるので面白い。せめてそう思うことにしよう...」という、昔読んだ岩舘真理子のまんがにあったくだりが頭によぎる。言いえて妙。

どん、どん、ど、どんどどどどん...(Eastendersの節で)
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by uk_alien | 2008-05-25 20:15 | neighbours

The Nice Factor

暫く体が動かず床に臥していたときに、関連性のない本を次から次へと読み続けた。

厚さ7mmくらい残して棚に置き去りにしていたLes Miserablesの最後を連日1Lの涙を流しながら読み終え、Telmina DurraniのMy Feudal Loadに移り、Gorge Owellの1984を読んでPeter Maleの'A Year in Provence'で口直しをし、Janet Street-Porterの'Life's Too F***ing Short'で少しがっかりした後、このブログでも紹介したJo Ellen Gryzb & Robin ChandlerのThe Nice Factor: The Art of Saying Noに移った。

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本はどこまで行っても相性だから人によると思うけど、このThe Nice Factor、結構いける。

人のことを思いやるのが損だ得だという次元ではなく、要は行為や言動が本来の感情と一致せず、その結果本人の幸福を制限しているとしたら、そこに目を向けて、本人にとってより望ましい行為や言動が行えるようにしましょうよ、という、一言で言えばassertivenessに関する内容なのだが、「人を思いやる(思いやってしまう)」というところに視点を絞り、実際の具体例を連ねることで読む側にそうした行為を自然に行っている自分やそれを受ける側の他人、そしてその結末を被る自分という現象を立体的に見せてくれて興味深い。

頭ではわかっていた「人、それぞれ」というコンセプトが、「他人を思いやりがちな人々 ~ 他人の思いやりを要求しがちな人々」と軸を入れ込むことで、角度を違えてよりプラクティカルに見えてくるような、そんな気がした。

いわずもがな、テストストロンむんむんのビルダーに対抗するにはもってこいの本。

イギリス出版向けに書き直してあるのか、アメリカくささが少ないのも心地よい。



追記:

ihokoさん、My Feudal Loadに関して

イタリア語でなくて申し訳ないのですが英語もお達者という事実に甘えて。エピローグの最後の最後のくだり: Fy Feudal Loadの出版に際し、'What is this nonsense I hear about the book?'という元夫に対して、著者が'I could not resist reminding him of our lunch conversation, when he said that I had no identity of my own and would have to introduce myself as Mustafa Khar's ex-wife. I said 'Well, Mustafa, now the World will soon know you only as Tehmina Durrani's ex-husband'と書いていますよね。これ、痛快。
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by uk_alien | 2008-05-18 17:56 | books
苦情を入れる側も、受ける側も、ハンドリングをエスカレートすると解決が早まる。カスタマーサービスの鉄則。

これ以上私の交渉能力の不備を相手に逆手にとられるのは実利的ではないので、後ろ髪を引かれつつも、翌日旦那に電話を入れてもらうことにした。

職場に出勤し、上司に「髪の毛の先までフラストレーションでいっぱい。私がXXXさん(職場のお局さま)くらいに英語が達者だったら、奴らをずたずたに引き裂いてやるのに!」と愚痴る。

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「わかる。本当にそういうときって男の存在感が必要になるのよね。でもうちの旦那にお願いすると『なんで今更オレがしゃしゃり出なきゃならないんだよ、君が始めたプロジェクトじゃないか』とかなんかいって全然引き受けたがらないのよ。『だってあなたの方がおっかなく見えるんだもの!』って引っ張りだすんだけど」

この上司は(イギリス人女性にはめずらしく)LOVELYという言葉がぴったりな方で、いつも微笑みを絶やさず、ささやくようにソフトに話す女性。それに対し旦那さんはなにやら秘密めいたアンチテロインテリジェンスに所属している警察関係の大男。

結局はどこまでいっても弱肉強食、テストストロン度が高いもの勝ちの世界なのだろうか。

我家の向かいのおばちゃんは、トラックの運ちゃんにも食ってかかるつわもの。でも、事実としてこの「男効果」を認める。

犬の散歩途中で彼女に出くわしたときにクレームの進行状況をアップデートした。

「まったく何から何まで本当に簡単じゃないよね。それでもおばちゃんはしっかり自分を守るためによくやってるよ。すごいと思ってるよ」

と私がいうと、

「全く同感。何事もスムースになんか絶対すすみゃしない。でもね、私も出来る限りのことはやるけど、その一方でストレスやイライラはたっぷり被っているからね。ごたごたを片付けるのに『男効果』でも使えたら便利なんだけどと思うよ」

さて、旦那が電話を入れた結果は...

どうやらフェンス会社のボスはその日の朝のうちに自ら我家のフロントガーデンを見に来ていたようだった、と旦那はいう。次の日に作業員を回して隣家の土地に立っている柱を動かすことにいともすんなり同意したそうだ。...うう、テストストロン効果か、漁夫の利か。

既にすっかり自信をなくしていた私は、旦那に半休をとりワークメンをスーパーバイズしてもらうよう頼んだ。悔しいけど、このチャンスを逃す余裕はない。

ところが、そこはビルダー。何の連絡もなく、約束した翌日ではなく、その日の夕方に突然現われた。我家のフロントドアをノックもせずに、がたがたと勝手に作業を始め出した。

一人でソファーでぐったりしていた私は「やだな~」と一瞬ぐずったけど、彼らに勝手にさせたら適当に作業を済まされて二度と戻ってこないのは目に見えているし(もしくは戻ってこさせるのに1000万馬力のパワーが必要)、家の中で悶々と「言ったとおり作業をしてくれますように」と祈っているのもばからしい。

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見えない鎧をまとい見えない剣をかざして、がばっと表に出てYou, all right there!と大声で挨拶を飛ばした。来てくれたことへの感謝も苦情の言訳も説明も一切合財省略。ナイスでいる必要は、ない。嫁を見張る姑のように彼らの肩越しにしっかりはりつき彼らの作業をスーパーバイズする。

そして、フェンスはしっかり境界線上に立った。

後は今週末に作業で汚してしまった隣家側のフロントガーデンの掃除と、損傷を与えた部分の修理を私たちが行って、全て終了...の予定。

ちなみに彼らが柱を立てる際に損傷を与えたBT(British Telecom)のケーブルの修理費用は、チーン、1000ポンドなり。請求はフェンス会社へ。彼らの保険で処理される。

ふん、同情はしないよ。
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by uk_alien | 2008-05-17 07:22 | doing up the house

私に武器を...

昨日、仕事を早めに切り上げて帰宅すると、フェンスはすべて出来上がって、ワークメンの姿は見えない。

「うーん、それにしてもスマートな出来栄え。さすが時間をかけてデザインしただけのことはある...」とエゴを膨らませたのもつかの間。境界線の上に建てたフェンス端がしっかり隣のビッチの土地に分け入っているのに気付いた。

しゃれにならない。

早速フェンス会社に電話をする。ワークメンのボスは「私共の作業員はマダムが敷いたラインの沿ってフェンスを建てたと申しております。自分でも作業員が撮った写真を拝見致しましたが、フェンスはしっかり指定された境界線上に建っています」の一点張り。

「実際目の前でフェンスの柱が隣の土地に立ってるんです。境界線は二つ並んだ水道のメインの真ん中だと何度も伝えたじゃないですか」(最重要事項なので、書面で、口頭で旦那と私からそれぞれ別の日に、そして最後には私が糸を張って間違いのないようにデモンストレーションしている。)

ボスは実際現場を担当した若いパイキーなワークマンに電話を代わる。彼は「この女、何をぎゃあぎゃあほざいているんだ」と言わんばかりの声で半分笑いながら「あんたが敷いたラインに沿って建てたんだから文句はないだろう」を繰り返すばかり。「表に立ってフェンスを見てみろよ。あんたが言ったとおりちゃんと真っ直ぐ建ってるだろう?」

「今、実際表に立ってフェンスを見てるわよ。私が言ったとおりには建ってないわよ。これ以上口論してもらちが明かない。私はそうではない、あなたはそうだ、という。写真を添えて文書で抗議するから、その後どちらが正しいのかはっきりさせましょう」

再びボスに代わった。彼は「隣家がホリデーから帰ってきてなんていうかを待ちましょう。OKなはずです」と冷静に言う。胸中でYou don't know them, do you?とつぶやきながら、「わかりました。まずは彼らの帰宅を待ちましょう。However, I'll forward ALL the COMPLAINTS from the neighbours DIRECTLY to YOU. YOU handle them!」といって電話を切り、一息ついた。「ああ...私でも表で電話口に向かって英語で口論することもあるんだ...」と、全然関係ないところで感心する。

私が言えること、出来ることは全てした。

それでもやはり、女というだけで立場が不利なのがくやしいなら、更にそれを克服するだけの言葉の武器を装備していない自分がふがいなくてふがいなくて涙が出た。
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by uk_alien | 2008-05-16 01:22 | doing up the house

めげない

目下、地中に埋められた水道のメインパイプ2本の真上に、フェンスを建てている。旦那は昨日から2泊の出張中。

「支柱のための穴を掘るときに絶対にメインのパイプを傷つけないでね」

昨日picket fencingをを終え、今日はこの境界のfeather board fencingにとりかかる。もう気が気でない。

朝、二人の若いワークメンとの打ち合わせ(というよりは、'What would I know? I'm just a fence man.''Then what would I KNOW? I'm NOT EVEN A FENCE MAN!'といった悲痛に満ちた訴え混じりの嘆願)をし、午後は仕事を早めに切り上げて帰宅した。

と、入り口のすぐ隣にぽっかり大きな穴が空いている。そして穴の底には犬に咬まれたようなdeadな状態でだらりんと横たわっているぶっといケーブルが...

若いペアのワークメンのうちの一人がつぶやく。
You don't wanna know.

...Of course I wanna know you fxxking bastards!
とは言わずにじっと穴を見つめる私。

昨日メインのゲートのための支柱を埋め込んだ際、気がつかないうちにBTのケーブルを切断してしまったらしい。隣家から「電話/インターネットが繋がらない」と苦情を受けていたBTが、今朝ガイガーカウンターみたいな道具を使って道路に沿って調査し、切断箇所は我家のフロントガーデンにありと見極め、既に出来上がっているフェンスの一部分を取り除かせ穴を掘らせた...といういきさつ。

暫くすると、大きな穴に向かって背筋を丸めて複雑な電線をつなぎ合わせているBTの契約ワークマンの姿が...

「修理の費用は誰がもつんだろう」

という当然の疑問が頭をよぎるが、ここはもうイギリス文化に沿って思考を切り替えることにした。

I don't wanna know.

レーンを挟んだ向こう隣の家はビッチのまぶだち。今週の月曜からポルトガルにホリデー中のビッチに代わって、境界線と彼らのフェンスを守ろうと我家のワークメンに果敢に噛み付く。さらに夕方にはビッチの息子の一人が様子見に立ち寄り、Oh my God!を繰り返して携帯で(恐らくポルトガルにいる両親に)目の前に繰り広げられたunbelievableな有様を報告している...

I don't wanna know.

気分転換に犬の散歩に行くことにした。30~40分歩くと気分はましになり、時刻は18:00を回っている。がばっと冷蔵庫を開けてLeffeを取り出し、ボトルからぐびっと飲みほした。

Better.

表に回って境界のフェンスのフレームワークを眺めた。セミのデザイン上非常に接近して設えられた我家とビッチの家の二つのフロントドアを、2mの高さのフレームが頼もしくきっぱり分け隔てている。

Absolutely, better.

すっかり機嫌をよくして、出張中の旦那にメールを送った。
...I was assured that it would give us what we wanted...

明日は明日の風がふくというものだ。
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by uk_alien | 2008-05-14 03:31 | doing up the house

ゆっくりしたい...

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4月の寒さと強風で沈没したのは私だけではなく、庭の白樺の木やクレマチスが死んでしまった。

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勢いが衰えず連日吹き付ける北東の強風と、照りつける日差し。これ以上植物に被害がないといいけれど...と懸念しつつ、夏日のうちにさっさとテラスでアウトドアランチを楽しむことに。

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前の晩に旦那が生地から作ってくれたピザは、Herb de Provenceの風味がしっかり落ち着いてとても美味しく、さわやかなsauvignon blancがぴったり合う。
(や、二本一気に空けたわけじゃなく、前の晩それぞれ半分ずつ空けたわけで...)

体を休めなきゃいけないのはわかっているのだけれど、やらなきゃいけないことは沢山ある。動いては休んで、動いては休んでを繰り返してテラスのテーブルと椅子、スチーマー、ベンチ達にteak oilを塗った。

沈没。

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表のフェンスはPaintを使ってデジカメのイメージを取り込み、requirementsを詳しく記した図面を渡し、更に彼らが仕事に取り掛かる前に出勤前の旦那があえて確認したにも関わらず...仕事から帰ってきて見たらやっぱり間違っている。どんなビルディングワークでもやはり絶対に現場に居合わせないとダメなのねと実感。

明日の朝は私が出勤を遅らせて職人さんたちとしっかり打ち合わせをし、早めに帰宅してチェックすることにした。それでもダメなものはダメって?

はぁ...。
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by uk_alien | 2008-05-13 02:42 | doing up the house