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ばいばいbooks

私は本はとても好きだけれど、無用にため込んでおくのは好きではない。クリスマスストッキングに入っていた本とか、読みたくもない本が自分の周りにごろごろしていると、それらを目にするたびに数日間頭を洗っていないような気分になる。

だからそういう本はamazonのmarketplaceで売り払うか、チャリティーセールに寄付して処分する。先日もHarumi Kuriharaをはじめ、なぜか掃き溜めに集まる枯葉のように私の本棚に巣くっていた日本料理の本をすべて料理x日本との両方に興味のある同僚にプレゼント(?)した。すっきり。しかし、困ったのは日本語で書いてある日本の本。手放したくとも手放しようがない。



4年前に父が亡くなって日本の生家を手放す際、もう読むこともないだろうになぜか手放しきれずにボストンバッグに入れてイギリスに持ち帰ってきた本たちがある。しかも漫画本まで。

当時は葬儀から遺産放棄、家を引き払うまで冷徹に対処したつもりだけれど、何気にupsetしていたんだろうな、読みもしない漫画本を地球の反対側まで持ってくるなんて。また、そのチョイスもなんか変で、石森章太郎や大友克弘はすっぱり手放したのに高橋留美子は捨てきない、と思ったよう(笑)。単行本も同じように、Stephen Kingの訳本は手放せてもなぜかSara Paretskyの訳本は源氏物語とともにすべて持ち帰ってきた。

年月を経る=歳をとるということはすばらしいことで、これらの不思議な本たちを、今なら普通に手放すことができる。できる...「私」はできるのだけれど、実質的に手放せない。誰にあげるんだ、イギリスで。どうしよう。日本人向けのネットの掲示板のあげますコーナーに広告を出すという手もあるけれど、いちいち引き取りの手はずを整えるのも面倒だし。

捨ててしまおうかとも思ったが、なんだかそれも無駄なような気がして旦那に相談すると、「日本人学校に寄付したら?」という。

賢いやつめ。そのとおりだ。

早速日本人学校に子供を通わせている友人に電話をした。来年の古本市に全部出してくれるという。わーい。

「めぞん一刻が全巻そろってるの?それ、すごい。売るんじゃなくて、図書館入りするんじゃないの?それにしても、古典と高橋留美子という組み合わせが...妙ね」と友人は笑う。

よかった、よかった。

すっぱり整理をした後、それでも芥川龍之介、島崎藤村、太宰治、谷崎潤一郎、円地文子、三島由紀夫そして星新一は私の本棚の片隅に住み続けることとなった。リタイアして母国語にリバートしたら「源氏物語でも再読するか」と思うだろうか。
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by uk_alien | 2009-12-29 02:36 | books

家電の悲劇



イギリスで家電を購入しなければならないとき、日本が恋しくならない人は少ないと思う。第二次産業をとうの昔にうっちゃった国、だからすべて輸入品。

日本の家電はまず売っていないから(なんでだろう?)とりあえずある程度の質の製品を求めるならドイツ産ということになるのだが、ドイツの家電は、とても高い。

数年前に冷蔵庫と洗濯機をMieleに買い換えたときに目玉が飛び出たのだが、今年になってオーブンを買い換えなければならなくなった。悲しい。で、どうせ買うなら消費税が17.5%に戻る前の今年中に買ってしまいたいのだが、どれにするか決められない。

どうしよう。

ネットで情報を仕入れ、やっぱりドイツ産だよなと思いつつも、Mieleのオーブンのプライスタッグは800ポンド。沈黙。ワンランク下げて、BoschかNeffにしようと思うのだが、これまたどちらがよいのかわからない。You get what you pay forという一般常識に従って涙をのむか、もっと財布と相談するか。

で、ふと思ったのは、たとえばハイファイを買うのにSonyかPanasonicかSanyoか等々、と迷ったときに、なんとなく日本人ならpros and consがいえるような気がして、ならばドイツ人に聞け、というシンプルな発想で人生暦80年のドイツ出身の婦人に意見を求めた。主観が入るのは当たり前だけど、ここまでくるともうわらにもすがりつく思い。

「妹がMieleのオーブンを使っているけど、とても不満がっている。感覚としてNeffはBoschの安いバージョンというイメージだけど、最近新しくした自分のキッチンにはNeffのオーブンが組み込まれていて、目下それにはたいそう満足している。でもチョイスがあるなら私はBoschね」

というお答え。ちなみに中道派の義理ママの一押しもBosch。

あとは旦那に決めさせることにした。オーブンを使う率は彼の方が高い。それでも500-600ポンドの出費になりそうだ。痛い。とても痛い。
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by uk_alien | 2009-12-27 22:51 | misfortune


私は人間関係においてはすこぶる注意深さで対応するタイプ。英人は一般に'reserved'と言われており、英語ではkeep (someone) at arm's length(ある程度距離をおく)という表現があるのだが、私は大抵の場合はその距離を二乗にしたくらいの距離感で対応し、人を利用するような輩でない誠実な人に対してはやっとその平方根レベルで対応する、という感じだろうか。別段に常にむっつりしているわけではないけれど。

で、先日その平方根レベルで対応している同僚が「実は私、この二年間くらいon/offで日本語を勉強してるんだよね、今まで言わなかったけど」という。驚きもものき。私の勤めるオフィスはロンドンオフィスと違い、典型的なSurrey白人文化にどっぷりつかったオフィスなので、まずそういう輩は存在しないと思っていたからだ。

しかしながら、確かに「いつかは料理をキャリア」にと情熱を燃やすクリエイティブタイプな彼女は金融関係のこの会社の中では明らかに毛色が違っている。You're in the wrong jobという典型的なタイプ。

「いっとくけど、コンピューター上でのレッスンだからぜんぜんしゃべれないんだよ。でも色の名前や、なんだか全然関連のないものの単語とか言えるんだ」

「じゃあ言ってみてよ。この色は?これは日本語でなんというの?」ときくと、驚くほど上手な発音で答えてくれる。「一体なんでそんなに覚えているの?」ときくと、「私の記憶はphotographic memoryなんだ、だからそのままそっくり覚えることができるの」

やなやつ!

Don't hate me!とすがる彼女は、声を出して例文を考える私の日本語の発音を聞いて感動する。「OH, WOW! You soud exactly like the software!」

そうか。当たり前だよな。母国語なんだから。

なんだかものすごく偉い気分になり気をよくした私は、センテンスをまったく勉強したことがない彼女に宿題を課した。「Tokyo DinerでSalmon Domburiとa flask of hot sakeを注文する」というもの。暗記する例文を渡そうと思ったが、こういうself-motivated learnerというのは自分で探し出してtrial & falureで積み重ねていくのがいいような気がしたのでやめた。Googleして見つけてくるだろう。

楽しみ、楽しみ。

ある特定の文化人口を正規分布にのっけたら、必ずその端っこ数%に落ちる人たちがいる。そういう人たちはいろいろな意味でその文化への所属度が低く、異文化や外国に強い興味を持っていたり、実際に母国(母国文化)外に移住したり、パートナーや結婚相手が外国人であったりする可能性が高い、というわけ。

彼女と話をしているとこの正規分布の端っこ3%に斜線が引かれた図がいつも思い浮かぶ。
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by uk_alien | 2009-12-05 05:00 | work

妙な感じ



普段は常連さんくらいしか訪ねてこない私のcosyなフォトブログのviewingが、ある日いきなり妙に跳ね上がった。なんでだろう?普通なら閑散としたコメントの数やお気に入り指定の数もばしばし増えていく。

と、誰かがコメントの中で「Exploreに掲載されたよ」と教えてくれた。

要は、その日にFlickrにアップロードされた写真の中でいくつかがピックアップされ、それらがブロガーたちののホームページの片隅に紹介されるのだが、私の写真もそれに選ばれたらしい。皆さんそれを見て地球各地からクリックしてきたというわけだ。

ふーん。こういう注目というのはうれしいようでなんか奇妙だ。ウェブ上のanonymityが失われたような感じ。



と、また別の写真がExploreに掲載され、その写真のヒット数も結構な数に跳ね上がった。なんだかインターネット商売のリアリティーを見ているような感じ。注目をひく→クリック、みたいな。

ま、こういう紅葉風景写真はもう当分撮らない=載せないから、そのうちに皆さんの興味も潮が引くように消えていくのだろうな。
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by uk_alien | 2009-12-03 02:51 | photography