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Autumnal Dream


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by uk_alien | 2010-11-29 00:54 | photography

Rigoletto III

興味半分で、まったく同じオペラを異なるキャストで数日後に観てみることにした。

Duke - Wookyung Kim
Rigoletto - Paolo Gavanelli
Gilda - Ekaterina Sadovnikova
指揮者 - Christopher Willis

の組み合わせ。

朗報は、Paolo Gavanelliの演技力は10年後の今でも衰えておらず、それどころか、オペラハウスの隅々に響き渡る彼のボリュームは、他のけだるいシンガー達と、そして彼らとの呼吸がまったくとれない指揮者とオーケストラをものともせず、力ずくで舞台をリードするだけのパワーにみなぎっていたこと。歌唱の美しさだけを比べればまず間違いなくDmitri Hvorostovskyに軍配が上がるが、観客をドラマに引きずり込むGavanelliの力はまさにオペラ鑑賞の醍醐味を与えてくれる。

朗報はここまで。Wookyung Kimは再び驚くほど酷かった。ボリュームがまったくない。立見席に勢いづいて、「おっさん、あんたの声きこえへんで!」と怒鳴ってやりたい気分に幾度も襲われた。Gildaを誘惑するシーンは喜劇の一コマ。いったいあれはなんだったんだろう?敢えて言えばAct IIで「彼女がさらわれちゃったよ~」となげくParmi veder le lagrimeはよく歌えていたと思う。朗々と歌い上げるタイプのアリアだからだろう。

Ekaterina Sadovnikovaの歌唱力のなさは、これももう痛々しくて笑ってしまうほどだった。特にWookyung Kimとのデュエットはドラマ感の存在が皆無で、「二人の歌手がなんとか音をはずさぬよう歌い上げている」という印象しか与えず。アリア、Caro nomeは手を払って「もういいから」と引っ込ませたいくらいの出来だった。

なにより驚いたのは、先にも触れたが、指揮者と歌手の呼吸が見事に合っていなかったこと。どちらがどこでどうリードするのか私はよくわからないけれど、ど素人の耳でも「ありゃりゃ」という場面が結構あった。先に観たDan Ettingerの指揮ではまず感じられなかったぎこちなさだった。

と、いうわけで誠にけだるいムードでAct Iが終了、バーでsauvignon blancをすすりながら、私よりはるかに寛大な旦那がDukeとGildaの不出来に怒りをはなつ。ま、二人で18ポンドなんだからと笑うしかない。

インターバルが終わって立見席に戻ると、係員のお姉さんが「もしよろしかったらあいている席にお座りになりますか」と尋ねてき、なんとバルコニー正面の並び席に案内してくれた。二人で320ポンドの席。おお、今夜はついている。

席がアップグレードされたからといって、舞台がよくなる訳ではなく。Giovanna(Elizabeth Sikora)、Maddalena(Daniela Innamorati)、Sparafucile(Raymond Aceto)は相変わらずしっかりとした歌唱で舞台を支え、それでも結局はGavanelliの力にかなり頼ったまま、舞台は終了した。

ま、一つの舞台をベストシートのGrand Tier、お安い立見席、ほどほどのバルコニー正面席のそれぞれで鑑賞できたのは貴重な経験だったからよしとしよう。

ちなみに、アンプリフィケーションは前回とまったく同じ。ほとんど感じられないか皆無だということを確認した。ボリュームが感じられる舞台に近い席の方がまだのめりこめるのではないだろうかと思った。
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by uk_alien | 2010-11-27 06:27 | music
どうもいまいちのRoyal Opera House、Rigoletto。

別のキャストと指揮者の舞台を比べてみたくて、ebayでチケットをサーチした。

立見席が舞台当日午後3時に終了するオークションに出ている。券面の金額までなら払ってもいいけどそれ以上はやだな、と思って値をつけると、結局50ペンスの差で敗北。

ちっ、と思って帰宅した夕方、ebayを通してメッセージが入ってきた。

「自分で行く予定だった別のペアのチケットがあるんだけど、興味あったら連絡してね」

うーん、ちょっとうさんくさいなと思いつつもメッセージに書いてあった携帯電話に連絡してみると、意外なことに女性の声。

「バルバドスのホリデーから今朝帰ってきたの。ハリケーンで飛行機が24時間遅れてもうくたくた。オペラに行っても寝てしまうから、興味があったら私たちのチケット売ってあげるわよ。これも立ち見席だけど、ebayで売ったチケットよりいい場所なの。あなたがつけた値で売ってあげるわ。別のチケットをebayで買ったカップルに引渡しにオペラハウスまで行くから、そこで落ち合いましょう」

運よくその日は旦那が早く帰宅していたので、今からならぎりぎり間に合う。ええい、ままよ、と勢いづいてとりあえず再びロンドン中心へと急いだ。

オペラハウスで無事売り手の女性と落ち合いチケット2枚分、18ポンドを現金で支払う。額面は2枚で27ポンドだからちょっとお得。

はじめての立見席に結構わくわくして入場する。

私は立見席というのは手すりで囲まれていてそこならどこにでも立っていられると思っていたのだが、そうではない。ちゃんと券面に番号がついていて、立つ場所にその番号がふってある(当たり前か)。かなり遮られてしまう場所のチケットだったのだが、私たちの立ち見ブースには私たちともう一人の女性しかいなかったので、幕開けとともに3人でもっといい場所に移動した。

さて、本番。
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by uk_alien | 2010-11-26 03:30 | music

Rigoletto

先日Royal Opera HouseのRigolettoを旦那と二人で観に行ってきた。席は私の小遣いの自腹を切ってGrand Tier。

前評判は意外にかなり高く、The Gardianはなんと5つ星、Daily TelegraphとThe Independentは4つ星という反応。ただし、星は概してRigoletto役のDmitri Hvorostovskyに与えられているという印象が否めない内容だった。

実際のところ、Dmitri Hvorostovskyのバリトンはそれだけで聞く価値があった。長身でハンサムなHvorostovskyが美醜の「醜」のarchitypeであるRigolettoを演じるのは、長さの違う杖二本を引き摺らせても、顔に染みをはりつけても、かなり無理があるのだが、それでもAct IIからAct IIIにかけては聴衆をのめり込ませる演技と歌唱で惹きつけてくれた。

Gildaを演じたPatrizia Ciofiは、批評で謳われたほどの強い印象はなく、「可もなく不可もなく」という出来栄えだった。旦那は彼女を結構高く評価しているようだったが、私は、どこか温かみに欠けるHvorostovskyとメリハリのないCiofiが二人並ぶことで、どうも感情の高まりが欠落しているという印象が否めなかった。

さて、とんでもないのがこのWookyung Kim演じるDukeだ。彼の歌唱がなめらかで美しいのは認めよう。彼のパタリロ並みの二頭身という外観もこの際脇に追いやろう。それでも、彼の声にはオペラハウスで歌唱するだけのボリュームはなく、矮小な演技力と役にそぐわぬとうとうとした歌声のおかげですべての幕を通して彼がDuke of Mantuaであるとconvinceされた瞬間は私には一度もなかった。私は彼のコンサートに来ているのではない。オペラ、Rigolettoを観に来ているのだ、という怒りが沸いてくる。

これは外観の問題ではないことを改めて指摘しておこう。黒人がヒットラーを演じようと、でぶで細目で二頭身の東洋人が「美」のarchitypeであるDuke of Mantua、超ハンサムでセクシーなイタリアンを演じようと、観客にとって当初の視覚的な違和感はあるにしても、能力のある俳優/歌手の身体と歌唱の双方から発せられるオーラと演技力がそこに存在しさえすれば、そうした違和感は優に超越されてしまうものだ。

KimのスポンサーかなんかがRoyal Opera Houseを大幅にサポートでもしているんだろうか?とかんぐってしまう。

脇役のCount Monterone(Michael Druiett)、Giovanna(Elizabeth Sikora)
、Maddalena(Daniela Innamorati)は安定した歌唱で、特にSparafucileを演じたRaymond Acetoは音を外さずしっかりと低音を抑え安心感を与えてくれた。

指揮/オーケストラは無難。アンプリフィケーションは皆無に近いか、もしくは皆無だったのではというのが非常に印象的だった。このプロダクションはそういう設定なのだろうか。それとも単に音響装置が今日だけいかれているのだろうか?ともあれ、そのせいで歌唱にボリュームが出せない俳優はどんなに美しい歌声でも舞台上での存在感は薄れた。

と、いうわけで、私は勝手にこの舞台に3つ星を与え、頭の中では様々な疑問が渦を巻く。

Wookyung Kimは過去二回の舞台で批評家たちにこきおろされているにもかかわらず今回もDuke of Matua役にシングルキャストで当てられている。私が観た彼の演技が本当に彼の実力なのだろうか?もう一度観てみることで印象は変わるのだろうか。

アンプリフィケーションがほとんど感じられなかったのはたまたま音響装置が壊れていたからなのだろうか、それともこのプロダクションがこういう音響設定なのだろうか。

Paolo GavanelliのRigoletto(今回Hvorostovskyとダブルキャストになっている)は10年後の今でも同じパワーなのだろうか。

Ekaterina SadovnikovaのGildaはどんななのだろう?


疑問は止まず。そうして私はGavanelli/SadovnikovaコンビキャストのRigolettoの日程のチケットを探し始めた。

オペラは危険である。
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by uk_alien | 2010-11-18 05:24 | music

特効「水」



夏からこっち、3ヶ月間、疲労と頭痛に悩まされ、これは完全に疲労症候群の仲間入りだと腹をくくっていた。

ホリデー先で落ち合った義兄夫婦に症状を話すと声を揃えて「それは脱水症状なんじゃないか」と言う。義兄は若いときから長期間同様な症状に悩まされ続ける反面「水を飲め」と言い続ける奥さんを無視し続け、あるきっかけで彼女の忠告を聞いて毎日水を浴びるように飲んだら症状がなくなったのだそうだ。勿論その後も意識的に水を飲み続けているという。

「朝起きたらまず3パイントの水を飲む。その後も1日を通して水を飲み続ける。勿論トイレに行く回数は半端じゃないけれど、効果はてきめんだからだまされたと思ってやってごらん」

ふむ。



Dartmoorの水は水道の水でも美味しい。軟水なんだろうか。だからホリデー中、狂ったように水を飲むのは難しいことではなかった。それに季節柄ウォーキングの最中で人に会うことはまずないから必要に応じ藪に隠れて用を足すこともまず問題ない。これを野蛮ととるか開放的ととるかはあなた次第だが、ウェールズのファームで生まれ育ち、水を定期的に飲んでいる義姉にとっては当然の行為なのだそうだ。

さて、効果は1~2日後に現れてきた。妙な疲労感が薄れていき、頭痛を引き起こす首筋の炎症が少しひいたようだった。食欲がわき、アルコールやコーヒー/紅茶に対する欲求が減り、「健康」とまではいかなくともなんだか少し普通の体っぽくなったような気がして、おかげでホリデーを通して皆に遅れをとることなく歩き続けることが出来た。



そういえば私、本当に水もジュースも飲まない人だったからな。

こういうことは習慣として根付いているので、ある人にとっては当たり前でも別の人にとっては意識的に改善する必要があるというわけ。

今日は月曜日。職場でもコーヒー/紅茶を避けて水を飲み続けた。

うん、やっぱり疲れ方が違うような気がする。
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by uk_alien | 2010-11-16 03:40 | just a thought


今年もホリデーは11月のDartmoor。

義兄夫婦とコテッジをシェアし、大人4人+犬二匹のパーティーで1日7~8マイルをひたすらのしのし歩く。

天気には恵まれず、ウォータープルーフに身を固めて川と化した道を歩きまくり、へとへとになってコテッジに戻る。順番にお風呂に入った後は夕飯の支度。旦那がシェフ、義兄は皿洗い役。

ステーキ&チップス、ソーセージ&マッシュ、チキン&チップス、ボロネーズソース&パスタと、普段ならとてもじゃないけれど毎日食べられないメニューをぱくぱく食べてしまう。美味しい水と美味しい空気、たっぷりの運動のおかげだ。

ちなみに、私はあまり肉食ではないのだけれど、このChagfordの肉屋で売っているrump steak(腰から尻にかけての肉)には毎年うならされる。値段も手ごろで本当に美味しい。ステーキ好きな人には本当にお勧めだ。

そしてなんといってもエール!

West Countryの私のお気に入りはTeignworthyのReel Ale。アルコールは4%と軽めで、エールの風味とすっきりした飲み心地を両方楽しめる、長いウォーキングの後にはもってこいのエールだ。ロンドンでは手に入らないので、Chagfordの酒屋でストックアップ。でもすぐに飲みきってしまうんだろうな。



今回はDrewsteingtonでコテッジを借りたので、ローカルはRiver Teign沿いにあるThe Fingle Bridge InnのパブとThe Drewe Arms。食事は前者ではランチを、後者ではディナーを試した。

Fignle Bridgeのステーキ&エールパイはパブレベルでダントツに美味。ソースも勿論なのだが、やはり決め手は牛肉とにらんだ。チップスもいわゆる冷凍チップスではなく、生のじゃがいもを太く切ってきちんと油で揚げたものでほくほくしていて本当に美味しい。9ポンドを切ってこの味ならまずほとんどの人が満足するじゃないだろうか。

Drewe Armsの方はもう少しレストランぽく結構ファンシー。私はスターターにトルティーラチップス&サルサ(やめときゃよかった)と高級版フィッシュ&チップスを注文。魚は衣がふわふわで結構美味しかったのだけれど、それでも値段と味を考え合わせるとランチ+パイントで十分といったところだろうか。

そして今回は土日しか営業しないLustleighのティールームのcream teaをタイミングよく食すことができた。うれしい。スコンはどっしりめでジャムもクリームも(地域柄当然だろうけど)美味しい。店内と店員はチョコレートボックスビレッジの概観からは少しイメージが違う感じでちょっとクリニカル。なんだか落ち着けない感じだ。メニューにジャパニーズ煎茶やチャイニーズなんちゃらがあって、ま、「ティールームなんだから」という気にならないでもないが、それでもなんかわざわざDartmoorでこういう雰囲気を味合わなくてもいいかなという気がした。スコンはどうしても二つ食べきれずギブアップ。

そうそう、今回は「1845年から一度も火が消えたことがない暖炉」で有名なDartmoorのど真ん中にあるWarren House Innでもしっかりエールを飲んできた。暖かくてcosyなパブの中は犬だらけ 笑。やっぱりDartmoorといったらこういうものだよな、と納得してしまう。次回はここでランチをしよう。

夕飯の後はぐったり疲れてDVDタイム。いろいろDVDは持参したのだけれど、結局は義姉が持ってきたITVのコスチュームドラマ、Forsyte Sagaに全員しっかりはまり込み、一週間かけて2シリーズの全エピソードを見終えることに。




「ドラマなんだから」という理屈はウォーキングで疲れアルコールがまわった私たちの頭には存在しない。「Soamsはジンジャートッサー。僕は大嫌いだ!」「いや、彼は可哀想な人間なのよ、なぜか同情してしまうわ」「Ireneは結局はmanipulative。何にも言わないから男は皆自分のいいように彼女を理解してしまうんだ」「私はFleurが大嫌い!manipulative bitch!」などなど好き勝手なことを言いつつ、ドラマのセリフの一語一句でざわつく私たち。

国内のホリデーはそれはそれでとても楽しいものなのだ。
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by uk_alien | 2010-11-15 03:50 | holiday