Birdy

先日、コンサーバトリーで寝転がって本を読んでいると、はたはたと鳥の羽ばたく音が屋根のほうから下りてきた。

と、どうやら開け放してあるフレンチドアから家の中に降り立った気配。
(二年前の野望を本年ついに遂行し、ダイニングスペースの窓を木製のフレンチドアにつくりかえてもらっている。とてもうれしい。)

しばらく待って、パニックの羽ばたきも聞こえてこず、気のせいか...と思いつつも、念のため見に行ってみると、ダイニングルームテーブルの上に小さめの白いはとがちょこんと乗っている。グレーの点々が頭から背中にかけて散っている様子がいやおうなしにBlackadder Goes ForthのSpeckled Jimを思い起こさせ、あわてて状況分析をしている私の小さな脳みその一部が爆笑した。

混乱した勢いでガラスに追突してショック死、というシナリオだけは避けたいと思い、「That's all right, don't worry...」などと、無意味に話しかけながら静かに近寄り、どうせパニくって狂ったように家の中を飛び回るにちがいないという確信にめげずにゆっくり手を伸ばすと、鳩はくいっと首を遠ざけはしたものの、こちらの予想に反し、あわてる様子がない。よくよく見てみると、足には番号が打たれたリングがついている。

ここまで人なれしているなら無事に外に出してあげられるだろうと一安心し、ふと見上げると、近くのアームチェアの背もたれの上で休んでいた猫のヘンリーが、この信じられない「鴨ねぎ」の幸運(しかも食卓上!)に、たじろいだ姿勢を立て直しているところだった。こりゃいかん、と、まずはこの猫をわしっと捕まえ、ユーティリティールームに閉じ込める。直近の危険回避に安堵し、興奮している犬を鎮める私を尻目に、鳩ははたはたとコンサーバトリーに移動した。

気を取り直し再び近づくと、4~5歳児の子供が親以外の大人を見て「Can I trust you?」と無言で問いかけるようなまなざしを私に向けている。うう、胸が痛い。無意味と頭でわかりつつも「I'm not gonna hurt you, don't worry...」といった慰めの言葉を禁じ得ず。

意を決して犬の足を拭くためのタオルを両手にかけて彼の背中からふわっと掬い上げた。と、驚いたことにまったく身動きもせず、おとなしくなされるがままにされている。

庭に出て、猫がいない隣家に向かって離してやった。やれやれ、と思って再び本を読み出すと、どうも様子が違う。もう一度上を見上げると、同じ鳩が我が家の二階の窓のへりにへばりついている。

うう。放っておいて後で庭に降り立たれでもしたら、彼が猫の餌食になるのは目に見えている。のたのたと二階に上がって窓を空け、逃げる気のまったくないこの鳩を再び両手でくるみ、一息置いて、窓から勢いをつけて空に向けて離してやった。どうやら今回はもうちょっと遠くに飛んで行ってくれたようだ。

それにしてもsurreal。

両手に残る、暖かくてやわらかい不思議な感覚の余韻を味わいながら、ふと昔観た映画を思い出した。

Matthew ModineとNicolas Cage主演のBirdy。



なんだかとても懐かしくなってどうしても観たくなり、DVDを買い込んだ。(げ、1984年リリース!)
Alan Parkerの音楽が非現実的で懐古的な、不思議なムードをかもし出す。
一度観ると忘れられない映画の一つだ。
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by uk_alien | 2009-07-25 02:18 | film | Comments(0)

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