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私はネイティブスピーカー



私は人間関係においてはすこぶる注意深さで対応するタイプ。英人は一般に'reserved'と言われており、英語ではkeep (someone) at arm's length(ある程度距離をおく)という表現があるのだが、私は大抵の場合はその距離を二乗にしたくらいの距離感で対応し、人を利用するような輩でない誠実な人に対してはやっとその平方根レベルで対応する、という感じだろうか。別段に常にむっつりしているわけではないけれど。

で、先日その平方根レベルで対応している同僚が「実は私、この二年間くらいon/offで日本語を勉強してるんだよね、今まで言わなかったけど」という。驚きもものき。私の勤めるオフィスはロンドンオフィスと違い、典型的なSurrey白人文化にどっぷりつかったオフィスなので、まずそういう輩は存在しないと思っていたからだ。

しかしながら、確かに「いつかは料理をキャリア」にと情熱を燃やすクリエイティブタイプな彼女は金融関係のこの会社の中では明らかに毛色が違っている。You're in the wrong jobという典型的なタイプ。

「いっとくけど、コンピューター上でのレッスンだからぜんぜんしゃべれないんだよ。でも色の名前や、なんだか全然関連のないものの単語とか言えるんだ」

「じゃあ言ってみてよ。この色は?これは日本語でなんというの?」ときくと、驚くほど上手な発音で答えてくれる。「一体なんでそんなに覚えているの?」ときくと、「私の記憶はphotographic memoryなんだ、だからそのままそっくり覚えることができるの」

やなやつ!

Don't hate me!とすがる彼女は、声を出して例文を考える私の日本語の発音を聞いて感動する。「OH, WOW! You soud exactly like the software!」

そうか。当たり前だよな。母国語なんだから。

なんだかものすごく偉い気分になり気をよくした私は、センテンスをまったく勉強したことがない彼女に宿題を課した。「Tokyo DinerでSalmon Domburiとa flask of hot sakeを注文する」というもの。暗記する例文を渡そうと思ったが、こういうself-motivated learnerというのは自分で探し出してtrial & falureで積み重ねていくのがいいような気がしたのでやめた。Googleして見つけてくるだろう。

楽しみ、楽しみ。

ある特定の文化人口を正規分布にのっけたら、必ずその端っこ数%に落ちる人たちがいる。そういう人たちはいろいろな意味でその文化への所属度が低く、異文化や外国に強い興味を持っていたり、実際に母国(母国文化)外に移住したり、パートナーや結婚相手が外国人であったりする可能性が高い、というわけ。

彼女と話をしているとこの正規分布の端っこ3%に斜線が引かれた図がいつも思い浮かぶ。
by uk_alien | 2009-12-05 05:00 | work

カメラ小僧のイギリス帰化人。愛機はライカMモノクローム。はたと思い立って始めた大人ピアノ初心者で目下楽しくて仕方がないピアノ練習と音楽理論の勉強をブログに綴る日々 ー London UK


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