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お前はLabourのようだ

先日のBBCのドキュメンタリー「パノラマ」は興味深かった。「The NHS Blame Game」と題し、記録的な資金の投入にもかかわらず、NHSが記録的な赤字を抱えているのはなぜ?誰のせい?というのがテーマだった。

パトリシア・ヒューイット保健大臣を筆頭とする保健省は、負債に関し、赤字を抱える一部のトラストの経営陣を責めている。

しかし、クビになった、多額の赤字を抱えるSurrey and Sussex Trustの元常任理事は、コスト削減のための「抜本的な改革」はトラストの独断では不可能であったことを指摘。

彼らは費用効果が低いCrawley病院をクローズ、Redhill病院の優れた病棟に統合していくということで経営効率を図ろうとした。しかし、Crawleyは労働党のベースが不安定なため、地域選挙が近づくと、保健大臣からプランにストップがかかり、実際動かせたのはマタニティー病棟だけとなった。結果として二重の病棟経営を強いられたトラストはこの件で数milポンドの赤字を負った。

ところ変わって、11.5milポンドの負債を抱えるBedford Hospital。曰く、「我々は非常に優れた病院だし、来る患者には制限なく門戸を開けている。予算内で運営しなければならないことは当然心得ている」、しかし、「中央からの指令に従わなければならない中で、コントロール出来ない赤字要素は非常に大きい」と指摘する。

ひとつには人件費。2002年6月、報酬を上げれば「お暇な」シニア・コンサルタント達はもっと働いてくれるだろうという思惑のもと、政府は一人20,000ポンドに上る報酬の大幅引き上げを行った。しかし、実際は「お暇」でなく、33.5時間/週の契約で実労50-60時間/週(超過分は無償)働いていたシニアコンサルタント達にとって、契約労働時間が40時間に増え報酬が増えても、それ以上のインプットは不可能であり、従って、実際は「以前と同じ作業量に対し余計に支払われる」という図式となった。保健省はこの報酬引き上げ分の見込み額を過小評価、誤算分は全国あわせて90milポンド。この誤算分はそれぞれの病院が吸収することになっており、Bedford Hospitalに生じた負債はシニアコンサルタント誤算分で1milポンド。同様に、ナース・アドミンのグレード変更(昇給)に伴った保健省の誤算分が全国で18milポンド、Bedford Hospitalの負担分に更に1milポンドが加わった。

また、Bedford Hospitalは、政府が課すターゲットと、その結果に対する対処にも問題があるとする。患者の待ち時間を縮める目的で病院に課された2005年4月のターゲット。Bedford Hospitalは見事このターゲットを達成した。待ち時間短縮のためには、より多くの患者を診察・治療する必要があり、必然的により多くの医療・人件・アドミンコストを費やすことになる。当然次年度の予算アップを期待していた彼らに、保健省から返ってきた答えは'Well done, but you've overspent'。

以前の会計システムでは、こうした「より多くの患者が集中した病院はその分コスト負担がかかる」という不公平さを補うために、年度末に黒字病院が赤字病院を補うという形でバランスがとれたそうだ。しかし、現在の会計システムでは、なんと、負債がある病院は、①その負債の返済と、さらにペナルティーとして②その負債額分だけ時期の予算が削減されるという二重の負担を負うことになっている。このせいで、返済のみであれば2年で完済できるBedford Hospitalの負債は、完済まで8年かかることになる。この二重苦システムを改変する気は政府にはないようだ。

なんてこったい。病院に対する同情と、労働党への反感がつのる。

話はまったく変わるが、我家の経済は私が管理している。旦那には毎月(我家の財政にしては)気前の良い額の小遣いを渡している。しかし、週末にゆっくり楽しむポッシュなおコーヒー豆やお紅茶(PG tipsとインスタントコーヒーは家計費ね)、多いときには一日に一本の割りで消費するワインのケース、たまのテイクアウェイ、そして時々頼むちょっとした買い物等々の費用は全て旦那の良心に訴え、彼の小遣いの中から出費させており、消費には勿論私も参加している。「私一人だったら買わないもん」というのが理由。健康と経済のために「ワインの量を減らせ!」「テイクアウェイの回数を減らせ!」とやかましく言う割りに、旦那が努力してワインの消費量を半分に減らし、テイクアウェイの回数を3分の一以下に減らしてもほめず、まだまだ、と責めて相変わらず旦那の小遣いの中から出費させ、中央経済への影響を最小限に抑えている。

そんな私はよく旦那に「お前はLabourのようだ」といわれる。

...私もそう思う。
by uk_alien | 2006-03-30 23:14 | venting

カメラ小僧のイギリス帰化人。愛機はライカMモノクローム。はたと思い立って始めた大人ピアノ初心者で目下楽しくて仕方がないピアノ練習と音楽理論の勉強をブログに綴る日々 ー London UK


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