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つまらなかった講演

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先週は日本の児童心理療法の権威が講演を行う、というのでロンドンまで足を運んだ。

彼女はある大学の教授。

思えば私が日本の大学に行ったのは遥か昔。せりあがる講義室の机の列に腰掛けた大勢の若い生徒がまどろみながら出席簿にチェックする一方、あたかも彼らが存在しない空気であるかのごとく、苔むした講義ノートを淡々と黒板に書き写しながらお経を唱える教授。それが一般的な光景だった。最近はこうした記憶さえももう苔むして、そんなことがあったことすらも忘れてしまっていた。

今回の講演では、まさにこの苔がつるりと剥け落ちて、まるでタイムマシンにのって、あの、教授の声が届かない講義室の後ろの方の席に座らされたか、と思うような錯覚に落とし込まれた。

つ、つまらない。
講演の内容も話の仕方も驚くほど稚拙で、しかも話の内容は講演のタイトルには全くといっていいほど沿っていない。導入はあったが、展開も締めもない。まるで人のいい近所のおばちゃんが人の都合も考えずにくだらない内容をこと詳細に渡って、だらだら、だらだらと話し続けるように、筋道の立っていない話をとりとめもなく繰り返し、繰り返し、延々と、延々と、延々と...語っておられた。

こどもの高さで会話をもてることの大切さを語り続け、そして彼らの心の問題に何十年にも渡って取り組んでおられる、というのは尊敬に値する。しかし、それとこれとは別だ。

旅でお疲れなのかもしれない、彼女の研究に関する知識がもっとあればセレブに会うノリでもう少し楽しめたかもしれない...と親切心で思おうとしたが、やはり、講演料をとるからにはそれなりにきちんとやってほしいものだ、という結論に達した。

司会進行を勤められた、ロンドンでつい最近児童心理を学ばれたという若い小児科医の話のほうがよっぽどためになったにちがいない。
by uk_alien | 2006-06-19 21:35 | misfortune

カメラ小僧のイギリス帰化人。愛機はライカMモノクローム。はたと思い立って始めた大人ピアノ初心者で目下楽しくて仕方がないピアノ練習と音楽理論の勉強をブログに綴る日々 ー London UK


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