ノー・イングリッシュ、ソーリー

f0045624_1445262.jpg


イギリスに住んでてよかったーと思うことは勿論たくさんある。私の3大要因は、

①地震がない
②眺めのよい庭付きの家がロンドン通勤圏でまだ買えた
そして、
③お化けが出ない

勿論イギリスにもお化け話はわんさかある。ついこないだも70年代の有名なポルターガイスト現象(真偽は勿論謎のままらしい)がラジオで取り上げられていて、録音された「ポルターガイストの声」まで流してくれるという。一人で聞いていたので、う~こわい...と思っていたが、興味深々。くるぞ、くるぞとわくわくして耳をすましたところ...

はて、何を言っているかわからない。

ふふふ。だからよいのだ!私はもしイギリスでお化けが出てきても、「ノーノー、ノー・イングリッシュ、ソーリー。」で通せると思ってる。それに相手がどんなに恨めしい声で訴えてきても、私のリスニングはそんなか細い声がききとれるほどよくない。どうだ、まいったか。

しかし、どうやらこの目論見は甘かったらしい。世の中どこにいてもいろいろ不思議なことはあるもの。Nantokaさんの記事をわくわくしながら読んでいて、ふと自分の経験を思い出した。

2年前、旦那の友人が地にしっかり足がついたdon't mess with me, babyタイプのアイリッシュのガールフレンドと一緒に一戸建てを買った。よし、ハウス・ウォーミングだー、ということでお邪魔することに。

外観はイギリスらしい、窓ガラスの中に黒い鉛線が格子状に入っている古い窓をそのまま残した品のあるおうち。明るく向かいいれてくれる二人に挨拶を済ませ中に入り、家の中心にある玄関を入ってすぐ右側のダイニングルームに足を踏み入れた。そのとたん、「ぶわっ」と急に回りの空気が重くなった。重い、息苦しい。ものすごい険悪なムードの場に何の気なしに足を踏み入れちゃったような、でももっと物理的に重い感じ。

「いやだ!」と思いながらダイニングルームとつながっている増築されたキッチンへ非難した。そこは大丈夫だった。キッチンから庭へ出て、ダイニングの壁とつながってるガレージを見た。うーん、どうもよくない。何がってわからないけど、よくないのだ。でも問題はガレージよりもダイニングルームだ。家族関係のことかなにかでものすごく怒ってる中高年の女性の感情がむき出しで漂っている。

家の中をアイリッシュの彼女が案内してくれた。面白いつくりだ。玄関を入ってすぐ眼の前にある階段を上がると、踊り場のようなところで一旦とまり、そこから折り返してフロントにあるベッドルームへ、それと対象をなしてバックにある2つのベッドルームへ、そして右側増築部分(ちょうどキッチンとダイニングルームの上にあたる)のマスターベッドルームへと、それぞれに階段が伸びている。あまり機能的とはいえない。

3つのベッドルームはまあ普通だったのだが、最後に見せてもらったマスターベッドルームに、ドアがない。これはものすごく変だ。引越しの際にもってっちゃったのかな~と思ってよくよく見ても、取り外した形跡がない。しかも、このマスターベッドルーム内に専用のバス・トイレが付いているが、そこへのドアもない。彼女いわく、「変よねー、ついてなかったのよねー、トイレするときに困るわよねー」

二階の後、一階のフロントにあるレセプションルーム、バックにあるセカンドレセプションルーム(リビングルーム)、そして最後にこのセカンドレセプションルームからつながるグラニールーム(お年寄りと同居するときに作る、母屋とつながった風呂・キッチンのついた独立した部屋)を見せてもらった。すると、さっきのダイニングルームが青黒っぽいようなモノだとしたら、今度は白っぽい、穏やかな感情のなごりのようなものが感じられた。パティオドアがついているが、そこから庭を眺めるのが好きだったのがよくわかる...ん?待てよ?誰がだ?

なーんかもう、疲れたし、絶対ダイニングルームには行きたくないから旦那に理由を話してリビングルームにとどまった。アイリッシュの彼女が紅茶を持ってきてくれたので3人で腰を落ち着けた。旦那が面白半分に私がこの家なんかいるって感じてるんだけど...と持ち出すと、私が口を開く前に、彼女がさも当然のように、

「ああ、ダイニングルームのあれでしょう?問題よね。怒ってるのよ。もうすぐ彼が出張で家を空けるから、そのとき腰を落ち着けてゆっくり話し合ってケリをつけるわ」

え?

「あっち(グラニー)はもう全然問題ないの。ハッピーなのよね。」

異国の地で異人に異国の言葉で、こうずばり指摘されたときの気持ちを想像してほしい。一瞬マジックや催眠術のトリックを思い出した。そうだ、それに違いない...。でも私まだ何も言ってなかったし、言われてなかったよね...。

彼女のボーイフレンドは一切そういうことは信じない。いいことだ。旦那も特に何も感じなかったそうだ。彼女いわく、今はアレの怒りも大分おさまり、すっかり暮らしよくなったらしい。ただ、彼女が連れてきた猫が庭の池にはまって死んでしまったそうだ。私はといえば、二度とあの家には足を踏み入れていない。怖い、というよりは私にあんな怒ってるモノに対抗はできない。ノー・イングリッシュという次元じゃないのだ。「柳も幽霊」と笑われるかもしれないが、私にとっては「君子危うきに近寄らず」だ。
[PR]
Commented by maxey at 2006-02-13 06:56 x
・・・よその国で、ものすごい体験をされましたね。。。
私は全くそういったものを今まで見たことがなくて、なるべく見ずに一生を終わりたいと思っております。
対話できるんですね・・・こっちのアレって。。。『話せば分かる』精神ですかね。つうか『話さないと分からない』典型的西洋人体質ですかね。。。アレも。。。
Commented by nantoka at 2006-02-13 15:48 x
ぞぞ~っ。今、誰も居ないから、怖いよう~。泣

おっ! ご紹介ありがとうございます!!

あの世界には、言葉の壁が無い事、私も聞いた事があります。
それにしても、入ったすぐに重くなるなんて・・・相当怒っていたのしら??それにしても、「腰落ち着けて、ゆっくり話す」ってー!
でも、日本の幽霊さんよりは、お行儀良いと思うんですが・・・笑
イギリスの幽霊さんは、家にとりつくけれど、日本の幽霊さんは、人にとりつく様な、印象が・・・どっちにしても、お目にかかりたくない~~。ひひい~。
Commented by uk_alien at 2006-02-13 19:46 x
maxeyさんの「話せばわかる」&「話さないとわからない」に大爆笑しました。そう考えるとそうですよね。すごく西洋的!彼女が何をどう話し合ったかは定かではありませんが、相変わらず同じ住所に住んでいらっしゃいます。(その後すっかりご無沙汰してしまっているのは想像に難くないと思いますが...)
Commented by uk_alien at 2006-02-13 20:00 x
nantokaさん、ど~いたしまして~。
そういえばUK在住の日本人の知り合いにこの話をしたところ、彼女はすごくそういうのを感じる性質なんだそうです。概観からは想像で出来ない、つもおとぼけでチャーミングな女性なんですが、で、彼女いわく、大抵の家にはついてるのだそうです。でも、お家を愛してあげてきちんと世話してあげることでハッピーになるそうです。あと、ドアや窓を閉め切りにせず、風通しをよくして空気もよどまないようにしてあげるのもいいそうです。(こう書きながら早速家の窓を開けてきた私)
こういうことって時間がたつにつれ「やっぱり気のせいだったのね」と思いたいのが人間の性なんですが、コンファームされちゃっただけに記憶から離れない~...。でも私も実際目にしたことはないんです。maxeyさんのように、このまま見ずにいこうと望んでいます。
Commented by leira-london at 2006-02-14 01:52 x
げげげげ。すごい体験をお持ちですね。風通しをしてあげる!やってないです。ちらかり放題なのもあれですかね・・・いけませんかね。
Commented by nantoka at 2006-02-14 17:51 x
photoギャラリーの方も、拝見させて頂きましたー!!
どれもこれもとーーーーーてもステキ!!
私は、風景のphotoが、好きです。
特に、「winter sunrise」!!! あれ、凄いですよ!
全部見れなかったけど、又見せて頂きますね~。
Commented by uk_alien at 2006-02-14 21:10
Leira-londonさん、すごい体験なんですが、でも見てないからいいんです(地面に頭をつっこむダチョウ的見解)。散らかり...風水とか信じてる人にはきっとBad Chi!とかいわれちゃんでしょうね(笑)。風水とかよくわからないんですが、旦那も私も散らかしやなので知らないほうが心の平安が保てるかな~なんて。やっぱりダチョウ?
Commented by uk_alien at 2006-02-14 21:17
Nantokaさん、おー、みてくれたんですかあーありがとーーー。風景写真もこれだけどんより曇ってるとなかなか外に出る気がしないんですよね、とほほ。winter sunriseは1月27日の寒い朝、雲のない青空だけど目の前の谷に霧がまだのこってて、こりゃーいけるぞー、と思って(暖かい)家のベッドルームから撮りました(wimp)。でもNantokaさんのこないだのポスト、ブッシュと猿人のアナロジーの写真もものすごく奥深い。
名前
URL
画像認証
削除用パスワード

※このブログはコメント承認制を適用しています。ブログの持ち主が承認するまでコメントは表示されません。

by uk_alien | 2006-02-13 01:58 | just a thought | Comments(8)

カメラ小僧のイギリス帰化人。愛機はライカMモノクローム。はたと思い立って始めた大人ピアノ初心者で目下楽しくて仕方がないピアノ練習と音楽理論の勉強をブログに綴る日々 ー London UK


by uk_alien
プロフィールを見る
更新通知を受け取る