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時速30マイルで轢き逃げて...

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「時速30マイルで跳ねて。そしたら生き延びるチャンスは80%だから」

Think!という交通安全のコマーシャルだ。このCMシリーズは本当によく出来ていて、車を運転する私は時速30マイルゾーンに入ると必ずこの女の子の声が頭をよぎる。

コマーシャルは、8歳くらいの女の子のひしゃげた身体が街路樹の根元に静かに横たわっているシーンからはじまる。「時速40マイルで跳ね飛ばされると死ぬ確立は80%」とかわいらしい声が流れる。シーンはそこから逆回しに流れ、折れた骨がコキコキともとにもどり、耳から流れ出た血が逆流し、身体は道路にもどされ、彼女ははっと息を吹き返す。そこでこのフレーズが流れる。

'Hit me at 30, and there is around an 80% chance of live.'

先日、仮免許で、盗難車で、30マイル制限の道路を時速48マイルで走り、母親と一緒に道路を渡っていた3歳の女の子を轢き殺し、男の子を怪我させて、停止せずにそのまま逃げてホテルにかくれていて捕まった男、モハメッド・アクイール・フセインに判決が下った。懲役12週間。年じゃない。ヶ月でもない。12...週間。

判決を下した判事はこれ以上の重罰を与えらず、申し訳ないと言ったという。法律を変えるしかないと。12...週間。ちなみに車を盗んだ罪は4週間。

適用できる最高刑は6ヶ月(!)だったらしいが、「軌道を逸した運転」をしていたという証拠が不十分なため、減刑されたらしい。「危険な運転をしていた」罪で告訴できたならば14年はぶちこめたそうだ。話をきいていると、イギリスでは10年前以上前からこの法律の欠陥が指摘されているが、新しい法律はまだ施行されていないのだそうだ。アホか?(十年前17歳の子供を轢き殺された母親の話では、当時やはり「危険な運転」を証明できず、「不注意な運転」の罪になり、逃げて車を売り飛ばそうとした犯人が受けたのはたったの懲役6ヶ月、結局4ヶ月で出てきたそうだ。ね、出てきちゃうんだ、この国は!)

昨日のテロに4千万ポンド盗まれたBank of Englandの倉庫のリスク管理とセキュリティーもどうかと思ったが、もうこの轢き逃げのニュースで明らかになったおちゃらけな法律にあきれはてて文字通りあごがだらんと落ちてしばらく戻らなかった。口あんぐり状態。ぐーの音も出ない。ぐー。

法律をご職業とする関係者の方々、彼らの子供が轢き逃げされない限り、その重い腰がもちあがらないということなのかしら?そんなに難しいことなのかしら?
by uk_alien | 2006-02-23 20:15 | venting

カメラ小僧のイギリス帰化人。愛機はライカMモノクローム。はたと思い立って始めた大人ピアノ初心者で目下楽しくて仕方がないピアノ練習と音楽理論の勉強をブログに綴る日々 ー London UK


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