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Geekな私

経験も知性も不足している私の英語クラスの先生は、それでも努力と根性はあるらしい。

マニュアル通りの導入、展開、応用を試みたり、目新しいスタイルのアクティビティーを使ったりと手を変え品を変え、手探りで授業を進めている。試験を受かりたい連中にとっては心からうざったいようだが、試験はどうでもいい私としては見ていてとても面白い。

そして先週、

「無記名アンケートを配るので、クラスに関するあなたの率直な意見をきかせてちょうだい」

という。今行っているティーチャートレーニングコースからのアイディアらしい。なんであろうと、タームの最中にこういうことをしようというのは見上げた根性だ。偉い。多分、真剣にこのレベルを教えていきたいのだろう。

何を書こうかな、と迷ったが、結局ポジティブなトーンの建設的批判と素直な英語学習への喜びを短くまとめた。

次の回にレッスンに出てみると、クラスは3つのグループに恣意的に分けられていた。昔の小学校みたいだな、と思って指定された席に座る。私のグループは愉快痛快ローマニアン、熱血チェコママ、好青年ハンガリアンハーフ、そして氷のようにクールで知性と色気の漂うポーリッシュ麗人、と私。

それぞれに他のグループに説明する文法項目があてがわれた。私達の課題はwish/if only。

私は普段はとても大人しく、人の注目を集めたり仕切ったりするのがあまり好きではないのだが...こういうことには人が変わったように心から燃えてしまう。「はい、じゃあまず文法構造は全く無視して、最初にこれらの表現を使って何が言えるのか/何が言いたいのかを考え、それぞれの項目に典型的な例文を作ろう」といきなり始める。

文法の参考頁を参照して、項目をあげてもらい、それぞれの例文を皆で考える。
1. regret(後悔) - I wish you were here.
2. unlikely(ありそうもないこと)or hypothetical(仮想した状況)- I wish I won the lottery.

次は構造。まず大きく分けて、wishingしているのが①今(I wish)、と②昔(I wished)に分ける。昔はちょっと置いておいて、今に集中。

wishしている内容は事実ではないことを望んでいるわけだが、それが昔の状況/出来事に関してなのか、今の状況/出来事に関してなのか、未来の状況/出来事に関してなのかに分け、それぞれにどういう文法のルールが当てはまるのかを考える。この内容のタイムフレームに関わらず、wishしているのは今だからメインの動詞wishは現在形に固定する。

① 今wishしてる場合

昔:I wish I had studied harder for A leves (高校でもっと勉強しとけばよかった). - 過去完了形を使う
今:I wish the teacher was more capable (先生がもっといい先生だったらなあ). - 単純過去形を使う
未来:I wish I weren't settling down so soon (こんなに早くに結婚しなきゃいけないなんてことがなかったらな). - 過去進行形を使う

次に、wishしたのが過去の場合を考える。タイムフレームが動くことで、私はいつもwishedした内容の時制をずらしてしまうのだが、それは間違い。単純にメインの動詞wishに、-edをつけ、残りは全くそのまま、というシンプルな話。

② 過去にwishedした場合

wishしたときより昔:I wished I had studied harder for A leves. - 過去完了形のまま
wishしたとき:I wished the teacher was more capable. - 単純過去形のまま
wishしたときより未来:I wished I weren't settling down so soon. - 過去進行形のまま

if onlyを使うことで同じ内容が強調と感嘆をもって表せる。I wishと差し替え(If only the teacher was more capable!)wishingの内容部分の形はまったく変わらず。もっと細かい部分の注意事項を考えるときりがないが、このツボさえ抑えておけば外人として十分、ということでグループ意見一致。

すばらしい。DONE.

「まったく、英語は本当に複雑。いやだわ、もうやんなっちゃう」と知性と色気のポーリッシュが美しくぼやく。彼女としてはこの程度の文法はしっかりマスターしているにもかかわらず。

「そう?私はもう面白くて、やめられない」と私。同様に英語に熱血なチェコママに「家に返って辞書でも読んでいるんでしょう?」とからかわれる。「そう、懐中電灯で夜中に辞書を読むの。English geekな私」

ひとしきり笑って、知性と色気のポーリッシュが「こんなことになんで1時間半もかけるのかしら。もう帰りたい」とクールにぼやく。「このアクティビティーは理解を深めさせるためには決して悪くない方法だけど、このレベルのこのクラスでは私だったら使わないな。週一回のクラスでは単純に時間をとりすぎるもの」と私。「賛成。私、今回渡したアンケートで徹底的にこきおろしたわ」と彼女自身も英語教師であるチェコママ。「私もよ」と意味深にポーリッシュ。

おお、来週の先生の顔が見ものだ。開き直るか、落ち込むか。ま、でも批判を読むこと自体はいい気はしないだろうけど、自分で頼んだことだし。役に立てて、いつかは経験のあるいい先生になってくれればいい、と思う。
by uk_alien | 2008-11-14 02:22 | english

カメラ小僧のイギリス帰化人。愛機はライカMモノクローム。はたと思い立って始めた大人ピアノ初心者で目下楽しくて仕方がないピアノ練習と音楽理論の勉強をブログに綴る日々 ー London UK


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