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カテゴリ:music( 44 )

Rigoletto II - Return to rise and stand!

どうもいまいちのRoyal Opera House、Rigoletto。

別のキャストと指揮者の舞台を比べてみたくて、ebayでチケットをサーチした。

立見席が舞台当日午後3時に終了するオークションに出ている。券面の金額までなら払ってもいいけどそれ以上はやだな、と思って値をつけると、結局50ペンスの差で敗北。

ちっ、と思って帰宅した夕方、ebayを通してメッセージが入ってきた。

「自分で行く予定だった別のペアのチケットがあるんだけど、興味あったら連絡してね」

うーん、ちょっとうさんくさいなと思いつつもメッセージに書いてあった携帯電話に連絡してみると、意外なことに女性の声。

「バルバドスのホリデーから今朝帰ってきたの。ハリケーンで飛行機が24時間遅れてもうくたくた。オペラに行っても寝てしまうから、興味があったら私たちのチケット売ってあげるわよ。これも立ち見席だけど、ebayで売ったチケットよりいい場所なの。あなたがつけた値で売ってあげるわ。別のチケットをebayで買ったカップルに引渡しにオペラハウスまで行くから、そこで落ち合いましょう」

運よくその日は旦那が早く帰宅していたので、今からならぎりぎり間に合う。ええい、ままよ、と勢いづいてとりあえず再びロンドン中心へと急いだ。

オペラハウスで無事売り手の女性と落ち合いチケット2枚分、18ポンドを現金で支払う。額面は2枚で27ポンドだからちょっとお得。

はじめての立見席に結構わくわくして入場する。

私は立見席というのは手すりで囲まれていてそこならどこにでも立っていられると思っていたのだが、そうではない。ちゃんと券面に番号がついていて、立つ場所にその番号がふってある(当たり前か)。かなり遮られてしまう場所のチケットだったのだが、私たちの立ち見ブースには私たちともう一人の女性しかいなかったので、幕開けとともに3人でもっといい場所に移動した。

さて、本番。
by uk_alien | 2010-11-26 03:30 | music

Rigoletto

先日Royal Opera HouseのRigolettoを旦那と二人で観に行ってきた。席は私の小遣いの自腹を切ってGrand Tier。

前評判は意外にかなり高く、The Gardianはなんと5つ星、Daily TelegraphとThe Independentは4つ星という反応。ただし、星は概してRigoletto役のDmitri Hvorostovskyに与えられているという印象が否めない内容だった。

実際のところ、Dmitri Hvorostovskyのバリトンはそれだけで聞く価値があった。長身でハンサムなHvorostovskyが美醜の「醜」のarchitypeであるRigolettoを演じるのは、長さの違う杖二本を引き摺らせても、顔に染みをはりつけても、かなり無理があるのだが、それでもAct IIからAct IIIにかけては聴衆をのめり込ませる演技と歌唱で惹きつけてくれた。

Gildaを演じたPatrizia Ciofiは、批評で謳われたほどの強い印象はなく、「可もなく不可もなく」という出来栄えだった。旦那は彼女を結構高く評価しているようだったが、私は、どこか温かみに欠けるHvorostovskyとメリハリのないCiofiが二人並ぶことで、どうも感情の高まりが欠落しているという印象が否めなかった。

さて、とんでもないのがこのWookyung Kim演じるDukeだ。彼の歌唱がなめらかで美しいのは認めよう。彼のパタリロ並みの二頭身という外観もこの際脇に追いやろう。それでも、彼の声にはオペラハウスで歌唱するだけのボリュームはなく、矮小な演技力と役にそぐわぬとうとうとした歌声のおかげですべての幕を通して彼がDuke of Mantuaであるとconvinceされた瞬間は私には一度もなかった。私は彼のコンサートに来ているのではない。オペラ、Rigolettoを観に来ているのだ、という怒りが沸いてくる。

これは外観の問題ではないことを改めて指摘しておこう。黒人がヒットラーを演じようと、でぶで細目で二頭身の東洋人が「美」のarchitypeであるDuke of Mantua、超ハンサムでセクシーなイタリアンを演じようと、観客にとって当初の視覚的な違和感はあるにしても、能力のある俳優/歌手の身体と歌唱の双方から発せられるオーラと演技力がそこに存在しさえすれば、そうした違和感は優に超越されてしまうものだ。

KimのスポンサーかなんかがRoyal Opera Houseを大幅にサポートでもしているんだろうか?とかんぐってしまう。

脇役のCount Monterone(Michael Druiett)、Giovanna(Elizabeth Sikora)
、Maddalena(Daniela Innamorati)は安定した歌唱で、特にSparafucileを演じたRaymond Acetoは音を外さずしっかりと低音を抑え安心感を与えてくれた。

指揮/オーケストラは無難。アンプリフィケーションは皆無に近いか、もしくは皆無だったのではというのが非常に印象的だった。このプロダクションはそういう設定なのだろうか。それとも単に音響装置が今日だけいかれているのだろうか?ともあれ、そのせいで歌唱にボリュームが出せない俳優はどんなに美しい歌声でも舞台上での存在感は薄れた。

と、いうわけで、私は勝手にこの舞台に3つ星を与え、頭の中では様々な疑問が渦を巻く。

Wookyung Kimは過去二回の舞台で批評家たちにこきおろされているにもかかわらず今回もDuke of Matua役にシングルキャストで当てられている。私が観た彼の演技が本当に彼の実力なのだろうか?もう一度観てみることで印象は変わるのだろうか。

アンプリフィケーションがほとんど感じられなかったのはたまたま音響装置が壊れていたからなのだろうか、それともこのプロダクションがこういう音響設定なのだろうか。

Paolo GavanelliのRigoletto(今回Hvorostovskyとダブルキャストになっている)は10年後の今でも同じパワーなのだろうか。

Ekaterina SadovnikovaのGildaはどんななのだろう?


疑問は止まず。そうして私はGavanelli/SadovnikovaコンビキャストのRigolettoの日程のチケットを探し始めた。

オペラは危険である。
by uk_alien | 2010-11-18 05:24 | music

母の想いで観劇へ

高いお金を出したからといって、また、有名なオペラハウスだからといって、ステージが必ずしもよいとは限らない。それも込みこみでオペラの醍醐味だといわれればそれまでだが、そこまで寛大で慈悲深く気前のよい財布を持たず、それが故に批評する目も一段と厳しくなる人間にとって、ステージや歌手がさえなかったりすると結構がっかりする。「そんなに悪くはなかったと思うわ。おっほっほっ」といつかはゆったり構えて扇子を煽いでみたいものだ。

例えば2006年に絶賛されたロイヤルオペラハウスのフィガロの結婚は今年の5月のステージに関しては口をそろえてその痛々しさがひしひしと伝わってくる内容の批評だった。予約しようか迷っただけに見に行かなくてよかったと思わざるを得ない。今年の5月に見に行った椿姫(今日本で公演している)は全体的には「まあまあ」のステージ。

「まあまあ」ってどんなだ?こんな感じ:

瞬間的にLa Traviataの世界へ引き込むOvertureの悲壮なバイオリンの音。やー、やっぱりこのオペラハウスのアクスティックはいいなぁ...と賞賛。静かな演奏が止まり、ベースもろもろがが入ってくる寸前の例の「間」。これをあたかも狙ったかのようにNOKIAのリングトーンがオペラハウスに響き渡る。そ、そうくるか?携帯の持ち主の首をその場ではねたくなる思いを皆ぐっと抑える(自分じゃなくてよかった、と思った人も結構いたに違いない)。

それはそれとして。一気に盛り上がるAct IではVioletta(Ermonela Jaho)もAlfredoも(Saimir Pirgu)もどうもぱっとしない。艶と深みのないビブラートだけがひらひらと耳につくソプラノ、演技下手で誠実だがこれまた艶のない歌声のテナー。「うわー、財布をはたいて空クジひいちゃったよ」いう気持ちになる。ACT IIに移り(最初のAlfredoのソロはあまりに退屈で笑えた)、Alfredoの父親役の安定感のあるバリトン(Dimitri Hvorostovsky)でステージは救われ、それに呼応してか、Violettaの悲壮と絶望を歌い上げるソプラノの存在感が一気に増し、観客をドラマに引き込む。場所をパリに移したカラフルなパーティーシーンは豪奢で、ACT IIIではJahoのうわさ通りの迫真の演技で、これを観れただけでもよしとしよう、という気持ちになった。She was not good at acting joie de vivre, but was brilliant at dying。観劇という経験は不思議なもので、カーテンコールでのPirguのうれしそうで天真爛漫な笑顔を見たら不思議に不満も消えていった。彼にBravoと叫んだ観客を「身内に違いない」と思いつつ。だから全体的には「まあまあ」という結論。

さて、先日購入した10月のRigolettoのチケット。実をいうとこれもまた旦那抜きの自分の小遣いから出した自分だけのチケットだった。しかし相方が傍で夢中になっているといやがおうにも興味は沸くもので、一緒になってCDやDVDやTVを観たり聴いたりしているうちに今や彼はすっかりオペラファンと化してしまったようだ。

それでも10月の公演に関しては「いいよ、いいよ。僕はそんなお金出せないから、君だけでいけばいい」といつもの通り言う。しかし、言葉に以前と同じ信憑性が感じられない。

先日BBC2を通して生中継されたイタリアMantovaからのライブフィルムのRigolettoのACT IIIで息絶えるGilda(Julia Novikova、非常に愛らしい演技で美しい歌唱だった)に自分を残して逝かないでと叫ぶRigoletto(テナーで押し切るバリトンの物足りなさは有名さと演技力でカバーのDomingo)のシーンに涙を流してのめりこんでいる。

「いとしい子供のためなら」という母親の気持ちはこういうものに違いない。ため息をついて先日自分の貯金額をチェックした。自分にお金をかけない私は貯金が貯まるのが結構早い。当たり前か、使わないんだから。自分の分を支払った後でももう一枚分だけなら払える。「これからは自分のお金は自分のために使おう!」と最近決心したばかりなのにな。

こうしてまだ残っているGrand Tierの私の後ろの席を彼のために予約した。メールで知らせるともう有頂天。それ以来朝に晩に「僕はRigolettoを観に行くんだ~」と毎日本当に楽しみにしている。ディズニーランド行きを約束された子供のようだ。彼は最近ずっと仕事が大変で疲れ気味だっただけにいいプレゼントをしたという気持ちになった。

しかし、今回の配役もあまり期待できない。

Dukeは演技力が乏しく、声にボリュームと深みがないと批判されたWookyung Kim(役に必須のテストストロンが感じられないんだよな、この人)、Gildaはなぜか甘い歌声のEglise Gutiérrezから急遽変更されてPatrizia Ciofi(結構ショック、でもDavid McVicarのショッキングで勢いのある舞台にあっているかもしれない)、Rigolettoは迫真の演技のPaolo Gavanelliではなくもちょっと若手のDimitri Hvorostovsky。うーん、結構暗雲がだだよっている。

今回のステージもDimitri Hvorostovskyが舞台を救うことになるか。
あまり期待しないで見に行こうっと。
by uk_alien | 2010-09-11 02:30 | music

Proms 65



クラシック音楽は特権階級に属した歴史も長く排他的に語られることも容易であろうけれど、昨今では音楽の美しさをより多くの人が楽しめるように様々な努力がなされている。私もその恩恵をしっかり受けている一人。

今日はBBC Proms のRadio 3でSir Simon Rattleの指揮、Berlin Philharmonicの演奏でBeethovenの'puncy' Fourth Symphonyが生放送される。わーい。
インターバルの後はMahlerのSymphony No.1。
なんて贅沢なんだろう。
by uk_alien | 2010-09-03 19:51 | music

Glyndebourne's Billy Budd

Glyndebourneは、いまだに個人が所有するオペラハウスということと、ロンドンからは大分離れたEast Sussexのカントリーサイドに位置するという点で非常にユニークだ。しかもそのプロダクションの質は世界的に認められている。

これまで、コベントガーデンの舞台もろくろく観れないのに、わざわざGlyndebourneまで出向くまでも...と思っていたのだが、義理ママの「誰しも生涯に一度はGlyndebourneを経験すべき」という断言にそそられ、そこまで言うならばと2011年のプログラムを見てみることにした。年々体の自由がきかなくなり劇場に出向くことが出来なくなった彼女にとってGlyndebourneは一番思い出深いオペラハウスなのだそうだ。

来年のフェスティバルのプログラムは、今年のフェスティバルが始まる前に既に公式に公開されている。チケットは来年の2月頃発売開始だろうか。メンバーじゃないし、いい席のチケットはまずとれないだろうな。

プログラムの目玉はWagnerのDie Meistersinger von Nürnberg。オペラ自体4~5時間の長いオペラなので、1時間20分の長いインターバルをいれると本当に丸一日の経験になる。チケットは一枚200ポンド。旦那と二人で400ポンド、プラスインターバルのレストラン代....。うー、ヨーロピアンシティへのウィークエンドトリップと思えば出せない金額でもないか。うう、こうして海外旅行は先へ先へと遠のいていく。

ともあれ。

今年のGlyndebourneのプロダクションだったBilly Budd。小遣いの大半をコベントガーデンのVerdiに注ぎこんだ私はつつましく地元の映画館でライブフィードで観ることに。

音楽的にも全く私の好みでないBenjamin Brittenのこのオペラは異様に高い評判通り、舞台美術、歌手、オーケストラのすべてがすさまじいほど質の高い作品に仕上がっていた。来年のプログラムには入っていないが、数年後には再演されるに違いない。Brittenファンならば必見のプロダクションだ。

ちなみに。こういう形でオペラを観るのは初めてだったのだが、ライブフィードだからか、薄く幕がはったようなぼけた画像は全くリアリティーがなく、しかも私が行った映画館のスピーカーの音は中音域が金属っぽく「映画」としか感じさせない。ロイヤルオペラハウスもこうしたライブフィードを頻繁に行っておりいつか行ってみたいと思っていたのだが、「小遣いを搾り出すほどでもないが観ておきたい作品」か「金欠だけれどもどうしても観たいキャスト」といった状況にとどめておいた方がいいと思った。
by uk_alien | 2010-08-28 06:05 | music

Friday night with a tragedy



It is almost mandatory for a woman, on a husband-free Friday evening, to get a nice bottle of red, a bag of naughty crisps and an easy dinner from Marks for herself and herself only; to seat herself on a comfortable leather sofa with a big smile on her face; and to watch something she really really likes.

So today I called Royal Opera House to enquire if they had a DVD I wanted in stock, which was Rigoletto, their own production from the year 2000, satisfied myself with their affirmative answer, acquired the very DVD at lunch time, got all the provisions I required from M&S, and spent my Friday evening in an extremely satisfying manner.

Happy.

Gilda was played by Christine Schäfer, whose singing was a tad too tight and powerful to my taste. (I'm very much fond of Edita Gruberová's performance as Gilda.) Nonetheless, it somehow seemed to match the style of production, which was pushed powerfully all through with passion. Paolo Gavanelli's acting as Rigoletto, let alone his singing, was extremely convincing and would leave your heart bruised. The Duke's ridiculously twat-ish character was well played and sung by Marcelo Alvarez (who was definitely better than Pavalotti acting-wise IMHO!).
by uk_alien | 2010-08-21 08:05 | music

Prom 37

観客の期待を裏切らない演奏というのは、単純なことなようできわめて難しいに違いない。

そうしたトップクラスのソリストの力量をしっかり発揮して私たちを楽しませてくれたProms 37のJames Ehnes。

ソロがあれだけしっかりしていると、オーケストラにもそれなりの美しさを求めるのは当然だと思うのだが、ホールでは1st and 2nd movementでオーケストラの、特にティンパニとホルン(だと思う)のもたつきとタイミングの悪さがところどころで耳に障った。席の位置のせいだろうか(私の席は正面からかなりずれたGrand Tierだった)。フルートのばらつきにも少しいらだちを覚えた。

それでも2nd movementでは価値が計り知れないという1715年モノのStradivariusが奏でるソロの音のあまりの美しさに涙があふれでた。本当に、本当に美しい音だ。もちろんバイオリニストあってのバイオリンなのだろうが。

3rd movementではなぜかそうしたばらつきがなくなってまとまり、かなりのハイテンポで盛り上がった。このスピードでまったくもたつきを感じさせないソリストの腕に本当に驚かされる。才能のある若い体操選手の美しい床体操の演技か、Swan Laneの32 fouettesを観ているようだった。ほとんどアスレチック。

このコンサートは昨日BBCで生放送されている。

録画しておいたものと昨日の演奏を聴き比べると、いいも悪いもその違いに愕然としてしまう。ライブで感じたオーケストラのタイミングの悪さやばらつきは放送されたものではほとんど感じられない。TVだけを観ていれば「よい演奏だった」という印象に落ち着いたに違いない。ソロのボリュームが上げられ前面に押し出されるせいでオーケストラのblemisesが隠されるせいか、単に全体のバランスがsound engineerを通して修正されるせいか、それとも割と小ぶりのオーケストラで演奏されるBruchのViolin concertoが大きなRoyal Albert Hallにそぐわないのか。それともただ単純に私が座っていた場所が悪かったのだろうか。

その一方で、放送されたものではバイオリンが奏でる美しい音色は十分再現しきれてない。魂にストレートに入り込んでくる経験はそこにはない。私のシステムは弦楽器の演奏の再生にはかなり優れているのだが、所詮Hi Fi - Hi Fideltyといってもhiというだけでtruthfulではないということだ。当たり前といわれれば当たり前なのだが、こういうことは実際自分の耳で比べてみることで真の理解が得られるというものだ。

だとすると、これまでずっと放送を通してしか聴いたことのなく、どうしても好きになれないPaul Lewisの演奏は、もしかしたらライブではかなり違って聴こえるのかもしれない、と思った。
by uk_alien | 2010-08-14 23:58 | music

Proms 27

鍵盤をはたきちらすPaul Lewisを美しくつつみこむthe Halléのオーケストラでとても楽しんだBeethoven Piano Concerto No3。うーん、美しい演奏だった(ピアニストじゃなくって)。
by uk_alien | 2010-08-08 05:13 | music

秋も悲劇で

たらっっ、たらっっ、たらっったたっったらっったたっったら~

ということで10月のRoyal Opera HouseのRigolettoを予約した。

人生は楽しまなくてはいけない。
by uk_alien | 2010-08-04 05:53 | music

Glenn Gouldの鼻歌



今は亡きチェコ人の義祖母は大の中東欧~ロシア系のクラシックファンだった。彼女が亡くなって、私たちは彼女のGrandfather Clockと、古いねじ巻きの置時計と、ディスプレイキャビネットを引き取ったのだが、それらと一緒に私は彼女の妙なCDコレクションを引き継いだ。

コレクションが妙といっても、義祖母が住んでいたフラットの近くにはクラシックの専門ショップがあったそうで、中には結構なスグレモノがあったりする。Glenn Gouldが弾くJS Bach, The Goldberg VariationsのCDもその一つ。

昨夜はじめてiPodに移しておいたこのCDが帰りの道すがらにかかった。

スピーカーで聴くとやや棘が目立ってしまうこの演奏は、なぜかiPodできくと逆に溌剌として聴こえた。そういうこともあるんだな、と思っていると、ふと、誰かがピアノに合わせて鼻歌を歌っているのが聴こえる。あたりを見回すと誰もいない。暫く歩きながら聴いていると、やはり音楽に合わせた鼻歌が聞こえてくる。

演奏者のGlenn Gouldがピアノを弾きながら「歌って」いるのだ。それが丸ごとレコーディングされている。スピーカーで聴いていたときには全く気づかなかった。Capital。こりゃ傑作だ。

西日が照りつける道をてくてく歩く私の頭の中を、この美しいピアノの音とおじさんの鼻歌が流れる。まるでカラフルな三角帽をかぶり先のとがった靴を履いた細身の生き物が私の歩く少し後をスキップしながら踊るようについてくる、そんな感じがした。
by uk_alien | 2010-07-29 02:45 | music

カメラ小僧のイギリス帰化人。愛機はライカM10-P。はたと思い立って始めた大人ピアノ初心者で目下楽しくて仕方がないピアノ練習をブログに綴る日々 ー London UK


by uk_alien
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