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Persepolis

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イギリスにかなり長く住む日本出身の友人がネットの影響でかなり偏った政治経済陰謀説にはまり込んでいる。熱狂的宗教信者の様を呈して来、日々電話をかけてくるので「自分の目と耳と判断力で確信できない情報は真実として取り扱わない」と伝えたうえでこの友人とは距離を置くことに決めた。

イギリスではネットを介してのイスラムの若者の過激化が問題になっているが、「過激化」というのはなにも宗教という範囲にとどまらず、ややもすると偏見や人種差別に通ずる歴史観や世界感への影響にも当てはまる、と肌で感じさせられた。

偏った情報に身を浸す友人を批判する一方、ふと我が身をふり返ると、確かにここのところ過激か否かにかかわらず、自分の知識と教養を高める努力を怠っていることに気づく。

これはいけない。過激はよくないが無知も同様によくない。

ということで、とあるいきさつで興味を持ったMarjane SatrapiのPersepolisを読んだ。

グラフィックノベル、というジャンルがあったのね。生まれ育ったイランと、イランイラク戦争を避けるために14歳で一人送り出された先のオーストリア。二国間の極端な文化的、言語的、そして価値観的なはざまでそのどちらにも属さない蝙蝠的な存在の主人公(作者)。彼女の「個人」としてのアイデンティティ確立への努力と、それに伴う痛々しい日常の確執が当時の時代生活背景とともに正直にそして独特のユーモアを交えて巧みに描かれている。特に彼女の目を通したペルシャ/イランの人々の描写は、私のような無知な人間の目を開かせてくれる。

読んでよかった、と思わせてくれる一冊だ。
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by uk_alien | 2014-06-30 12:22 | books | Comments(0)

カメラ小僧のイギリス帰化人。愛機はライカMモノクローム。はたと思い立って始めた大人ピアノ初心者で目下楽しくて仕方がないピアノ練習と音楽理論の勉強をブログに綴る日々 ー London UK


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