明るい異文化体験

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3ぱいんとさんの言葉を借りれば「熱い血」のクラスメートがこぞり合う中、二回目の通訳クラス。

お互い気が知れてきた、というのもあって彼らの熱い血が語り出すことが多くなった。そして彼らは語りだすと止まらない。元気な時なら、これも国民性の違いよね、と涼しい顔をしていられるが、今回私は朝から疲れていたし、熱いのか寒いのかわからないような陽気で具合もイマイチだった。

イタリア人のおかんが授業の最中に何から何にまで大声で口をはさむ。「私はさ~、思うんだけどね~(風邪をひいたドラえもんの声で)。」そこにすかさずポルトガル人のおちゃらか男の一オクターブ高すぎる声のちゃちゃが入る。一方、歳のいったフレンチ・タートは隣のベトナム娘をあからさまに無視し、反対隣のメキシカン・ボーイに熱いまなざしを送りつつ、すかさず話しかけるチャンスを伺うが、そのメキシカン・ボーイが話しているジャパニーズはどうやら彼女にとってはトランスペアレントらしい。

たまらん、と思いつつも午前中を乗り切り、お昼はメキシカン・ボーイの「身障者のための車のベネフィットのシステムがどのように機能しているか」という興味深い話で盛り上がった。一息ついて、私のお気に入りの静かながら理知的なスーダニーズの女性と話をしていると、別の曜日のクラスから私達のクラスにその日初めて移ってきたソマリアン・ガールが「20ポンド札、くずれない?」と声をかけてきた。

実は財布の中には1ポンドもなかった私と、もっと真っ当だが本当にくずせるだけの分を持っていないのだろうそのスーダニーズの女性は共ににっこり笑って「I'm afraid, no」。それに答えて、「え、じゃあ、小銭もってない?XXを買いたくって...」とソマリアン・ガール。「小銭」と言われて、ほぼ反射的に断った私だったが(どのみち小銭が私の全財産)、スーダニーズの女性は静かに財布を取り出して「50pならあるわ」と渡した。「50pでいいのよ、ありがとう」と受け取ると、ソマリアン・ガールはさっさとどこかへ行ってしまった。

こうした「他人のお金」に関する価値観とリスペクトの個人間、文化間の違いは気持ちのいいものではない。特に体調が悪く、異文化に対する耐性がどっぷり低くなっているときにこうしたことが目の前で起こると、私は一気に視野の狭い人になる。

「道端じゃないんだから、やめてくんない?」という冷たい言葉が頭をよぎり、「だからあなた達は」とステレオタイピングに陥った後、「社会にによってはこうした行為は十分許容範囲内のもの」と頭で納得して、疲労感が倍増した。

通訳のロールプレーを気安く買って出たモロッカン・トーキング・マシーンの、舞い上がった挙句の永遠に止まらぬヒステリックなギグルに歯を食いしばり、やっとの思いで午後の授業を終え、最後にもう一度フレンチ・タートの軽いジャブをかまされて帰る頃には「異文化耐性の高い明るく健全な社会」への理想は私の頭からはすっかり消し飛んで、目を釣りあがらせてハンドルを握る怒りのオリエンタルと化していた。

気を取り直して、そういうときには美味しいジャパニーズ。残りご飯で昆布雑炊を作り、焼いたさばの燻製とオクラの輪切りに醤油をたらし、ごまを散らして仕上げにごま油をさっとかけた。

異文化体験などと一言で言うが、簡単ではない。負けないぞ、と思いつつ熱い雑炊をすすった。
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# by uk_alien | 2006-05-09 01:05 | english | Comments(15)

マッチング

ファッションでも、「このトップにこのボトムを合わせたらきっと素敵だわ」と思って買って来て、それが実際に思った通り上手くいくと、とってもうれしい。

植物も同じで、これとこれを合わせると、きっとこんな感じになって素敵だろう、という狙いで、開花の時期やら数年後の高さやらを考えて植える。ファッションと違って、効果がすぐに見られないし、何年も待ったのに、「あ、全然駄目じゃん」というのもありで、そんなときはとっても悲しい。

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これは成功例(と私は思っている)。
「うわー、アンイマジナティブ」、「ありがちだよね」等々のご意見もあるだろうけど、やっぱりこの「ありがちな成功」をもたらすのも結構大変だったりする。成功するとこんな春らしい日はとってもうれしくて庭から目が離せない。な、兄猫。

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春らしくって気持ちいい日だ。
地方選挙の本日、こんな日だったら選挙権がない怒りも、つかの間忘れられる。
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# by uk_alien | 2006-05-04 19:54 | garden | Comments(17)

5月は八重桜

いよいよ八重桜の季節。

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美しい。

我家の桜は「太白(たいはく)」が終わって、今はイギリス一番人気のピンクの「関山(かんざん)」と清水桜の「松月(しょうげつ)」が満開。一番最後に長~く咲く「白普賢(しろふげん)」はぽつぽつと開き始めたところ。

写真はフロントガーデンに植えてある松月。フリフリでちょっとガーリーだが、やっぱり可愛い。


追記: 下記イメージは3ぱいんとさんへの返答のための素のイメージです。
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この素のイメージだと、①明るい空にカメラを向けているのと、②目の前の白い花びらが光をたくさん反射していることがカメラの露出計に影響し、かなり抑えられた光量で撮影されています。フィルムカメラであれば、これを前もって頭の中で予測して、光がもっと入るように撮影段階で調節しなければなりません。

RAWフォーマットを使ったデジタル撮影のいいところは、こうした調整が撮影時ではなく、後から出来ること。イメージの質を大きく損なわず、コンピューター上で光量をある程度再調整出来ます。

何をしたかというと、まず、桜の本来の白がもう少し白らしくなる反面青空がとびすぎないよう、コンピューター上で約2倍の光量まで明るくしました。

光量を上げたために桜のふわふわ感が過ぎて、ぼんやりしすぎてしまったので、その後少しだけ全体的にコントラストを上げ、更にとんでしまったピンクがきちんと表現されるよう全体的に彩度を少し上げています。トリミングは全くしていません。

その後ウェブ掲載にふさわしいサイズとjpegフォーマットに変更した、というわけです。

すごくしちめんどくさいように聞こえますが、あっという間の作業ですし、変化を目の前の画面で見れるので非常に簡単。小さいカメラで撮影したjpegイメージでも、無料の画像修正ソフトを使うことでとてもきれいなイメージになりますよ。是非遊んでみてください。
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# by uk_alien | 2006-05-03 20:49 | garden | Comments(11)

手作りフォカッチャ

バンクホリデー・ウィークエンドはずっと旦那におんぶにだっこだったような気がする。
五月病、としておこう。
日本人だもん。

ホリデー最後の夕食、waitroseで出来合いピザを買ってきちゃおう、という旦那を健康上の理由で引き止めたが、気分は「作りたくないな~」。ぐずぐずしていると旦那がちゃっちゃとフォカッチャとパスタを作ってくれた。

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このフォカッチャ、美味かった~!にんにくを上に散らしてあったけど、これがローストされてたまらなく美味しい。ホリデー最後の打ち上げ、ということでで二本ワインを空けた。これも身体によくないっ、と思ったが、夕飯まで作ってもらったのでおとなしく分け前に授かることにした。
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# by uk_alien | 2006-05-02 18:18 | food & drink | Comments(9)

やっときまった犬の名前

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動物の名前を考えるとはとても難しい。いつも考えすぎてなかなか決まらない。

今回も、アーサー(弱い)、アーチー(なんとなく違う)、チェスター(街の名前だよな)、スペンサー(イギリスっぽいけど気取りすぎ)、デイル(犬にあわない)、レオ(ださい)、デューク(ラブラドール系だよな)、カイル(80年代っぽい)、ペッパー(ばかっぽい)、ティム(安易)、チャーリー(親戚にいる)、クーパー(可愛いけど犬にあわない)、エディ(今ひとつ)、テッド(ファーザー・テッドっぽい)、アルバート(なんか違う)、オスカー(すごくいいけど、なんか猫っぽい)...全然決まらない。下の写真はお母さん。彼女よりもっと明るい金茶っぽい色になるそうだ。

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とりあえず、エリオット、ジェイミー、オリバー(別にジェイミー・オリバーの大ファンというわけではない)、いずも、やまと、まで絞り込んだ。

「いずも」にしたかったんだけど、やっぱり成犬になってから顔に合わなそうなので残念ながらボツ。あと、「ゆするぎ」とか「りょうぜん」とか4文字の日本語もいいな~と思ったんだけど、発音できないといわれてボツ。

でやっと決まったのが「ウォルター」。

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実際我家に向かい入れてみて、「あ、やっぱり違う。XXだ!」っていう可能性もあるけど。
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# by uk_alien | 2006-05-01 00:19 | animals | Comments(16)

チューリップと今日のつぶやき

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コミュニティー通訳のクラスに行ってきた。

チューターはセルビア出身。15人の生徒の出身国はスーダン、メキシコ、フランス、アイルランド、モロッコ、イタリア、ソマリア、インド、ベトナム、ポルトガル、トルコ、...そして日本。まさに国際色豊かな半面、授業の進め方やクラス内の雰囲気は何気にブリティッシュで不思議な感じだった。皆頭がきれて、英語も達者だ。おとなしく引っ込まないよう、意識的にクラスに貢献するように頑張った、つもり。

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資格をとって収入アップを目指している生徒も少なくなかった。チューターによると需要が大きい言語ではコミュニティー通訳一本でまあまあ稼げるそうだ。それに、フルタイムの会社勤めと違ってフレキシブルなのも魅力なのだろう。日本語はとてもではないがそういう需要はない。

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学校に頼んで友人とは別の曜日のクラスに変えてもらった。今日一人で参加して、やはり別の曜日にしてよかったと実感した。

「Why don't you join us for lunch at a restaurant near my house?
We'll be there till 14:30, so please join!」(留守電から)
「...(居留守。だって彼女の家は遠いんだよ~!)」

「I'll ask my tutor to change my class too.」
「そうする必要はないよ。同じ国出身の人がいるんだからロールプレイの練習にはそっちの方が有利だよ。私はどちらのクラスにも日本人がいないもの。」
「She might be from my country, but she is not my friend.
By the way, when can we meet? Monday? Tuesday?」
「来週は人に会わなきゃいけない用事があるし、その次の週もちょっと忙しいんだ。また連絡するね」

まるでガールフレンドを避ける不器用なやさ男の気分になって非常に弱気な自己嫌悪に陥るが、これは今は私達にとって必要な距離なのだ、と自分を励ましている。

来週彼女が私のクラスにひょっこり現れたら...そのときはそのとき。
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# by uk_alien | 2006-04-29 04:09 | garden | Comments(10)

ワンダーランドに届く声

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昨日、英国看護士協会(the Royal College of Nursing)の会合にて 厚生大臣パトリシア・ヒューイットが演説を行った。この年に一度のRCNの会合は「労働組合の会合の中で最も品があり静か」なのだそうだ。しかし今年は、NHSの巨額な負債への対応策としてのリストラ、それに伴う患者ケアへの影響に多大な懸念を持つRCNの聴衆が、冷たい対応とやじとブーイングで怒りを表していた。

本日、首相のスポークスマンは、これを「rude」な態度と批判。壇上であくまで冷静に対応したパトリシア・ヒューイットを賞賛している。

こざかしい。私は彼女のスピーチクリップ全体と、質疑応答の部分部分の場面しか観ていないが、その限りで言えば、はっきり言って聴衆は静か過ぎる、とすら思ったくらいだ。

たまの怒りをあらわす声(やじ、という表現はこの際正しくない)を除いてはしっかりスピーチを静聴し、賛成する部分ではしっかり拍手もしている。勿論熱のこもったものではないが、いかにも怒りを同意へ導こうとする陳腐なスピーチ内容を考慮すれば無理は無い。

一番腹立たしかったのはパトリシア・ヒューイットの話しぶりだ。いつもそうだが、彼女の話し方はまるでいうことをきかないやんちゃな子ども達をしかりつけるような、patronisingな話し方。医療の現場で働くプロフェッショナルを相手にしているという頭はないらしい。聴衆から怒りの叫びがあがると、「私はあなた方の言い分に耳を傾けているのに、あなた方が私の言うことはきかない。というのであればどうしようもありませんね。」という彼女。

しかし、質疑応答の際RCN側の一人が、「私達はこれまでずっとあなた方政府の役人の要求に準じるよう、精一杯努力してきました。しかし、もうたくさんです。(Enough is enough!)」と怒りに震えて訴える声に、彼女は本当に耳を傾けているのだろうか?

先日の「The NHS has just had its best year ever」発言で世論の怒りを買い「パトリシア・ワンダーランド」と皮肉られた厚生大臣。彼女の耳がプレスコットくらい突き出ていれば、RCNの真の怒りの声もかすかに響いたのだろうか。いや、声が届いたとしても、ワンダーランドできくその声はきっときかん子のいやいやくらいにしか聞こえないのだろう。
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# by uk_alien | 2006-04-27 22:55 | venting | Comments(10)

あなたな~らどうする?

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氏名: ジョン・プレスコット
職業: 副総理大臣
年齢: 67歳
最新ヘッドライン: プレスコット、秘書との浮気を認める

質問: あなたは、このヒキガエル男と浮気をしますか?
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# by uk_alien | 2006-04-27 00:42 | venting | Comments(13)

世界はとっても赤塚不二夫色

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たまげた、という言葉ではもう言い表せない。

イギリスで刑務所に服役中の人間が77,774人
そのうち外国人は9,000人(11.6%)
英国で服役する外国人は過去5年間で75%の増加

という数字から、いかに、刑務所における外国人人口の増加と釈放後の彼らの取り扱いを、ここ数年で急激に問題視しなければいけなかったのかがわかる。

労働党政権下の過去7年間に釈放された外国人国籍の人間が1,023人。内務省は彼らの強制送還を考慮もせず、そのまま通常通りの手続きで釈放、彼らの居場所は把握されていない状態。
この1,023人に含まれているのは...

3 murderers
9 rapists
5 paedophiles
7 convicted of other sex offences
57 convicted for violent offences
2 guilty of manslaughter
41 burglars
20 drug importers
54 convicted of assault
27 convicted of indecent assault

237人は難民申請を却下された人間達。このうち54人はまだ彼らの申請が現在も再吟味されている状態。役所は横のつながりがないからね~、といってもお人よしがここまでくると...IDIOT。
しかも、昨年夏に内部で問題視されはじめてから後に釈放された人数は288人(!)。昨年10月に保守党議員がNational Audit Reportの数字をもとに、「237人の難民申請を却下された外国人達がその後どうなったのか」を疑問視し、掘り返すまでこの問題に関しては一切説明もなし。

刑務所(The Prison Service)は外国人釈放にあたって、内務省移民局(Immigration and Nationality Directorate)へ通告、必要に応じ法廷にて強制送還の指令が出されるそうだ。一体何がどうなっちゃってこうなっちゃったのか、詳しいいきさつは本日説明されるようだが、内務省は刑務所側ではなく内務省側の落ち度を認める発言をしている。

1,023人のうち、107人しか足取りはつかめていない、ってことは、性犯罪関連の罪を犯した外国人の皆さんは、では、Sex Offender Databaseにも載ってないのね、多分。

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こういうことが現実に起こっちゃうこの国も、そして、高そ~なスーツ着てカメラにむかって「これはblame gameではない」なんて真剣な顔して言っちゃうミニスターも、マフィアのボスの方があってる'Bully'内務大臣も、私はもう、すごいというか、あきれるというか、まるで赤塚不二夫のワンダーランドを垣間見ているような気がするのである。

さ、美味しい紅茶でも飲んで血圧を下げよう。
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# by uk_alien | 2006-04-26 16:59 | venting | Comments(9)

アイロンで瞑想

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なんだかむしゃくしゃする。

隣のセミを所有するビッチがついに本格的に引越してきた。彼女のきんきん声がしばしば聞こえる。

最近私をいいように使ってくれちゃう友人からの連絡にぐっと足を踏ん張って距離をとりはじめたことを、なんとなく後ろめたく思う一方、変わらぬ一方的な態度に腹が立つ。

週末に会ったブリーダーの、「日本からの駐在夫婦に仔犬を分けたことがあるが、そのとたんに東京に呼び戻されて。(東京にウチの仔犬が連れてかれるなんて)どうかと思ったけど...」というゼノフォビアめいた言葉が妙に引っかかる。

犬を飼う...とはいったものの、もしまたこの犬がハイパーアクティブで知恵遅れだったらどうしよう...なんてことを心配し始める。

ばかげている。これじゃまるで神経症じゃないか。これはよくない、と思ったので...アイロンがけをすることにした。私はアイロンがけは草むしりと同じくらいキライだが、瞑想(?)には意外と効果的で、何より実用的。

午前中いっぱいを無心にアイロンがけに費やした。
う~ん、すっきり...とまではいかないが、とりあえず旦那の服が片付いたのでよしとしよう。

最近イギリスで朝の3時に起床し、一日15時間を家事に費やすニューロティックなハウスプラウドの主婦達がメディアで話題になっているが、ふと今日の自分の行動を省みて、こうしてハウスプラウド主婦が出来上がるのだろうか?と思ってしまった。くわばら、くわばら。
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# by uk_alien | 2006-04-25 01:34 | venting | Comments(18)

カメラ小僧のイギリス帰化人。愛機はライカMモノクローム。はたと思い立って始めた大人ピアノ初心者で目下楽しくて仕方がないピアノ練習と音楽理論の勉強をブログに綴る日々 ー London UK


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